MENU

60歳定年退職の失業保険|待機期間は7日間!受給条件と手続きを解説

  • URLをコピーしました!

60歳で定年退職した場合、失業保険の待機期間は7日間のみで、自己都合退職のような2〜3ヶ月の給付制限はありません。

この記事では、60歳定年退職後の失業保険について、待機期間や受給条件、給付金額の計算方法、ハローワークでの手続き、年金との関係まで詳しく解説します。

目次

60歳定年退職後の失業保険とは?受給の基本条件

60歳で定年退職を迎えた方でも、一定の条件を満たせば失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できます。定年後も再就職を希望する方にとって、失業保険は求職活動中の生活を支える重要な制度です。

ここでは、60歳定年退職後に失業保険を受給するための基本条件について詳しく解説します。

失業保険を受給できる3つの条件

60歳で定年退職した方が失業保険を受給するためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

条件1:失業状態にあり、再就職の意思があること

失業保険は「働く意思と能力があるにもかかわらず、就職できない状態」にある方を支援する制度です。そのため、定年退職後に「もう働かない」と決めている方は対象外となります。

具体的には、ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に就職活動をしていることが求められます。以下のような状態は「失業」とは認められません。

  • すでに再就職先が決まっている
  • 病気やケガですぐに働けない
  • 妊娠・出産・育児のため働けない
  • 定年後しばらく休養したい(※この場合は受給期間延長の申請が可能)

条件2:雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あること

失業保険を受給するためには、原則として退職日以前の2年間のうち、12カ月以上、雇用保険に加入していなければなりません。

被保険者期間が「1カ月」とカウントされるには、離職日から1カ月ごとに区切った期間において、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上あることが条件です。11日に満たない場合でも、労働時間が80時間以上あれば1カ月として計算されます。

60歳まで同じ会社で勤め上げた方であれば、この条件は問題なくクリアできるでしょう。

条件3:65歳未満で退職していること

失業保険の基本手当を受給できるのは、定年退職の年齢が65歳未満で再就職の意思があり、雇用保険の被保険者期間が離職の日以前2年間で通算して12ヵ月以上ある場合です。

60歳定年であれば年齢条件を満たしていますが、65歳以上で退職した場合は失業保険ではなく「高年齢求職者給付金」の対象となります。

定年退職は会社都合?自己都合?離職理由の扱い

定年退職の離職理由について、「会社都合なのか自己都合なのか」と疑問に思う方も多いでしょう。結論から言うと、定年退職は、原則として自己都合退職とも会社都合退職とも異なる離職として扱われます。

定年退職は、あらかじめ就業規則で定められた年齢に達したことによる離職であり、本人の意思や企業の都合によるものではありません。そのため、自己都合でも会社都合でもない中立的な退職とされます。

ただし、失業保険の給付における扱いは、会社都合退職と自己都合退職で異なる部分があります。

待機期間と給付制限について

就業規則で定められている定年まで働いて辞めた場合、通常の自己都合の場合に必要な2ヶ月間の給付制限はなく、7日間の待機期間の後から失業保険はもらえるようになっています。

つまり、定年退職は「給付制限がない」という点で会社都合退職と同様の扱いを受けられます。

給付日数について

一方で、給付日数については自己都合退職と同じ扱いです。60歳以上65歳未満での定年退職は会社都合退職となります。雇用保険では、失業手当支給までは会社都合と同様3ヵ月間の給付制限はありませんが、支給期間は自己都合と同じ期間となります。

具体的な給付日数は以下のとおりです。

雇用保険の加入期間給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

長年勤めてきた方であれば、最大150日分の失業保険を受給できます。

65歳未満で退職することが必須の理由

失業保険(基本手当)を受給するには、65歳未満で退職することが絶対条件です。その理由は、雇用保険制度における被保険者の区分にあります。

雇用保険では、65歳未満は「一般被保険者」とし、65歳以上は「高年齢被保険者」としています。つまり、65歳以上の定年退職では「高年齢求職者給付金」の受給を検討することになります。

65歳の誕生日には要注意

ここで注意したいのが、65歳の「誕生日」の数え方です。本人の年齢が65歳に達する「前」に、定年退職したことが挙げられます。ここで注意すべきなのは、「退職日が65歳の誕生日前日では、失業保険の給付対象外になってしまう」ことです。

これは民法第143条第2項の規定により、「人は誕生日の前日に年齢が加算される」と定められているためです。

例えば、現在64歳で4月1日生まれの方の場合、誕生日の前日である3月31日の午後12時に満65歳になるため、3月30日以前に定年退職をしている必要があります。

つまり、65歳の誕生日の「前々日」までに退職しなければ、失業保険の対象外となってしまうのです。

失業保険と高年齢求職者給付金の違い

65歳以上で退職した場合に受給できる高年齢求職者給付金は、失業保険と比べて以下の違いがあります。

項目失業保険(65歳未満)高年齢求職者給付金(65歳以上)
給付形態4週ごとに支給一時金で一括支給
給付日数90〜150日30日または50日
基本手当日額の上限7,420円7,065円
年金との併給不可可能

通常の失業保険は、離職理由や被保険者期間に応じて90日から最大360日(自己都合は90~150日程度)支給されるのに対し、高年齢求職者給付金は30日分または50日分が一括で支給されます。

このように、65歳未満で退職した方が受給総額は多くなる可能性が高いです。ただし、高年齢求職者給付金は老齢年金と併給できるメリットもあるため、どちらが有利かは個人の状況によって異なります。

定年退職の時期を選べる方は、年齢条件を考慮して退職日を決めることをおすすめします。

60歳定年退職の待機期間は7日間|給付制限なしで受給開始

60歳で定年退職した方が失業保険を受給する場合、大きなメリットがあります。それは「7日間の待機期間のみで受給を開始できる」という点です。

自己都合退職の場合は待機期間に加えて2〜3ヶ月の給付制限がありますが、定年退職ではこの給付制限が適用されません。ここでは、待機期間の仕組みや計算方法、定年退職で給付制限がない理由について詳しく解説します。

待機期間7日間の仕組みと計算方法

失業保険の正確な待期期間の日数は、失業保険受給申請をした日を入れて土曜日、日曜日、祝日を含む7日間です。支給の対象となる日は、この7日間の待期期間が満了した日の翌日からになります。

待機期間の目的

待機期間は、ハローワークで「求職の申込み」を行った日から起算して7日間です。退職理由にかかわらず一律に設けられており、失業保険の受給向けた第一歩となります。設けられている目的は、働く意思があるかどうかを確認するためです。

つまり、待機期間はハローワークがあなたの失業状態を確認するための期間であり、すべての失業保険受給者に適用される共通のルールです。

待機期間の数え方(具体例)

7日間ある待期期間は、ハローワークで失業保険の申請日を1日目として数えます。例えば、9月2日にハローワークで失業保険の申請をした場合は、9月2日を待期期間の1日目として計算しましょう。待期期間の終了日は、9月2日に失業保険を申請した場合は9月8日となります。

以下の表で、具体的な計算例を確認してみましょう。

ハローワーク申請日待機期間待機期間終了日受給開始可能日
4月1日(月)4月1日〜4月7日4月7日4月8日〜
4月15日(月)4月15日〜4月21日4月21日4月22日〜
12月27日(金)12月27日〜1月2日1月2日1月3日〜

また、土日や年末年始などの祝日も待期期間に含まれるため、曜日に関係なくカウントされます。

待機期間中の注意点

失業保険の待期期間中にアルバイトを行うと、働いた日数に応じて待期期間は延長されます。例えば、3日間アルバイトをした場合は、待期期間は7日から10日に延長されるので注意しましょう。

待機期間中は、アルバイトや派遣の仕事をせず、失業状態を維持することが重要です。働いてしまうと「就職した」と判断され、失業保険の受給資格を失う可能性もあります。

定年退職なら2〜3ヶ月の給付制限がない理由

60歳定年退職の大きなメリットは、自己都合退職のような「給付制限期間」がないことです。

給付制限とは?

給付制限とは、7日間の待機期間に加えて、さらに失業保険を受給できない期間のことです。自己都合で退職した場合、原則として2ヶ月間(過去5年間に3回以上の自己都合退職の場合は3ヶ月間)の給付制限が設けられています。

定年退職で給付制限がない理由

定年は会社都合のようにも感じますが、退職日はあらかじめ就業規則等で決められているので、転職の準備などが計画的にできるはずだと考えられ、給付日数は会社都合の場合よりも少なくなっています。しかし、定年で退職した場合には自己都合退職とは異なり、2カ月間(令和2年10月1日の退職以降)の給付制限はなく、待機期間7日で基本手当を受給することができます。

つまり、定年退職は以下の理由から給付制限が適用されません。

  • 就業規則であらかじめ退職時期が決まっている
  • 本人の意思による退職ではない
  • 転職準備の時間は十分に確保できる

このため、定年退職は「会社都合」と「自己都合」の中間的な扱いとなり、給付制限なしで失業保険を受給できるのです。

定年退職後の失業保険受給までの流れ

60歳定年退職の場合、失業保険は以下の流れで受給できます。

  1. 退職後、会社から離職票を受け取る(退職後10日〜2週間程度)
  2. ハローワークで求職申込み・受給資格の決定
  3. 7日間の待機期間(この期間は失業保険なし)
  4. 待機期間終了後から失業保険の支給開始
  5. 4週間に1度の失業認定日にハローワークへ出向く
  6. 認定後、約1週間で指定口座に振り込み

自己都合の場合は、待機期間のあとに2ヵ月の給付制限期間がありますが、定年退職の場合は給付制限期間はありません。

自己都合退職との待機期間の違い

定年退職と自己都合退職では、失業保険を受給できるまでの期間に大きな差があります。以下の表で比較してみましょう。

項目60歳定年退職自己都合退職
待機期間7日間7日間
給付制限期間なし原則1ヶ月(2025年4月以降)※
受給開始までの最短期間約1ヶ月約2ヶ月
初回支給までの目安申請から約4〜5週間後申請から約2ヶ月後

※2025年3月31日以前の離職の場合は原則2ヶ月、過去5年間に3回以上の自己都合退職がある場合は3ヶ月

受給までの流れの違い

会社都合による退職の場合7日間の待期期間満了の翌日から支給の対象日になる。自己都合による退職の場合7日間の待期期間+2か月間の給付制限期間が経過した翌日から支給の対象日になる

定年退職は会社都合退職と同様の扱いを受けるため、7日間の待機期間が終わればすぐに失業保険の支給対象となります。

具体的なシミュレーション

例えば、2025年4月1日に手続きした場合を比較してみましょう。

【60歳定年退職の場合】

  • 4月1日:ハローワークで求職申込み
  • 4月1日〜7日:待機期間(7日間)
  • 4月8日〜:失業保険の支給対象開始
  • 4月下旬:初回失業認定日
  • 5月上旬:初回の失業保険が振り込まれる

【自己都合退職の場合(2025年4月以降)】

  • 4月1日:ハローワークで求職申込み
  • 4月1日〜7日:待機期間(7日間)
  • 4月8日〜5月7日:給付制限期間(1ヶ月)
  • 5月8日〜:失業保険の支給対象開始
  • 5月下旬〜6月上旬:初回の失業保険が振り込まれる

このように、定年退職は自己都合退職と比べて約1ヶ月早く失業保険を受け取れる計算になります。

定年前に自己都合退職すると損をする可能性

注意したいのは、定年を迎える前に自分から退職してしまうケースです。

例えば、「失業保険を早くもらいたい」「60歳になる前に辞めたい」といった理由で59歳11ヶ月で退職すると、自己都合退職として扱われる可能性があります。この場合、給付制限が発生し、受給開始が遅れてしまいます。

就業規則で定められた定年年齢まで勤め上げることで、給付制限なしのメリットを最大限に活かせます。退職時期を検討する際は、この点も考慮に入れておきましょう。

失業保険の受給金額と給付日数を計算する方法

60歳定年退職後の失業保険で「いくらもらえるのか」は、退職前の収入と雇用保険の加入期間によって決まります。

ここでは、基本手当日額の計算方法から所定給付日数、具体的なシミュレーション例まで詳しく解説します。事前に受給額を把握しておくことで、退職後の生活設計がしやすくなります。

基本手当日額の計算式と60〜64歳の給付率

失業保険で1日あたりに受け取れる金額を「基本手当日額」といいます。基本手当日額は、退職前の給与をもとに以下の計算式で算出されます。

基本的な計算式

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率

賃金日額 = 離職日の直前6ヶ月間に支払われた賃金(賞与等を除く) ÷ 180

賃金日額の計算に含まれるもの・含まれないものは以下のとおりです。

含まれるもの含まれないもの
基本給賞与(ボーナス)
残業代退職金
通勤手当各種祝金
住宅手当臨時的な手当
役職手当結婚祝金・出産祝金など

60〜64歳の給付率は45〜80%

基本手当日額は賃金日額のおよそ50から80%(60~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。

60〜64歳の方は、他の年齢層(50〜80%)と比べて給付率の下限が45%と低く設定されています。これは、60歳以上の方は賃金が高い傾向にあることや、高年齢雇用継続給付など他の支援制度との調整が考慮されているためです。

基本手当日額の上限額と下限額(令和7年8月1日改定)

基本手当日額には、年齢ごとに上限額と下限額が設定されています。令和7年8月1日から雇用保険の「基本手当日額」が変更されました。

年齢区分基本手当日額の上限額
60歳以上65歳未満7,623円
45歳以上60歳未満8,870円
30歳以上45歳未満8,055円
30歳未満7,255円

基本手当日額の下限は、年齢に関係なく2,411円となります。

60〜64歳の方は、45歳以上60歳未満の方と比べて上限額が約1,200円低くなっている点に注意が必要です。これは、60歳から65歳までの年齢枠の場合だけ1日あたりの給付額が他の年齢層と異なる計算式が適用されるためです。

雇用保険加入期間別の所定給付日数一覧

失業保険を受給できる日数は「所定給付日数」として定められています。基本手当が受けられる日数(所定給付日数)は、退職の理由、再就職の困難度、年齢、働いていた期間等に応じて決められています。

60歳定年退職者の所定給付日数

定年等や自己都合による退職者は90日分~150日分が支給されます。定年退職は「一般の離職者」として扱われ、給付日数は以下のとおりです。

雇用保険の加入期間所定給付日数
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

例えば、20年以上雇用保険に加入された方が定年により退職した場合は150日分となります。

60歳で定年退職する方の多くは、同じ会社で長く勤めているケースが多いため、20年以上の加入期間があれば最大の150日(約5ヶ月分)を受給できます。

会社都合退職(特定受給資格者)との比較

参考として、倒産・解雇などの会社都合で退職した場合(特定受給資格者)の給付日数と比較してみましょう。

雇用保険の加入期間定年退職会社都合退職(60〜64歳)
1年未満90日
1年以上5年未満90日180日
5年以上10年未満90日240日
10年以上20年未満120日270日
20年以上150日330日

会社都合退職の場合、60〜64歳で20年以上加入していれば330日分を受給できます。定年退職と比べると180日(約6ヶ月分)の差があります。

ただし、定年退職は給付制限がないため、待機期間7日間を経ればすぐに受給を開始できるメリットがあります。

受給額のシミュレーション例

実際に60歳で定年退職した場合の受給額を、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。

【シミュレーション例1】月給30万円・勤続38年の場合

  • 退職時年齢:60歳
  • 退職前6ヶ月の月給:30万円(賞与除く)
  • 雇用保険加入期間:38年(20年以上)

計算手順

①賃金日額を計算 30万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 10,000円

②基本手当日額を計算 賃金日額10,000円の場合、60〜64歳の給付率(約50%前後)を適用 → 基本手当日額:約5,000円

③所定給付日数を確認 雇用保険加入期間20年以上 → 150日

④受給総額を計算 5,000円 × 150日 = 約75万円

【シミュレーション例2】月給42万円・勤続38年の場合

勤続38年60歳定年退職、退職前6ヶ月間の各月の給与額42万円の場合の計算例です。

①賃金日額の算定 =420,000円×6月/180日=14,000円

②基本手当の日額 =14,000円×45/100=6,300円

③給付日数=150日

④給付総額=6,300円×150日=945,000円

このケースでは、約94万5千円を受給できる計算になります。

【シミュレーション例3】月給25万円・勤続15年の場合

  • 退職時年齢:60歳
  • 退職前6ヶ月の月給:25万円
  • 雇用保険加入期間:15年(10年以上20年未満)

①賃金日額を計算 25万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 ≒ 8,333円

②基本手当日額を計算 賃金日額8,333円の場合、60〜64歳の給付率を適用 → 基本手当日額:約4,500円

③所定給付日数を確認 雇用保険加入期間10年以上20年未満 → 120日

④受給総額を計算 4,500円 × 120日 = 約54万円

受給額の早見表(60歳定年退職の目安)

退職前の月給基本手当日額(目安)120日分150日分
20万円約4,000円約48万円約60万円
25万円約4,500円約54万円約67.5万円
30万円約5,000円約60万円約75万円
35万円約5,600円約67.2万円約84万円
40万円約6,100円約73.2万円約91.5万円
45万円以上約6,800〜7,623円(上限)約81.6〜91.5万円約102〜114.3万円

※金額はあくまで目安です。正確な金額はハローワークでご確認ください。

給与が高かった人ほど現役時代の手取りと比べて失業保険の金額が少なく感じる傾向にあるため、あらかじめ資金計画を立てておくことが大切です。

60歳定年退職後の失業保険手続き|ハローワークでの流れ

60歳で定年退職した後、失業保険を受給するためにはハローワークでの手続きが必要です。手続きは決して難しくありませんが、必要書類の準備や手順を把握しておくことでスムーズに進められます。

ここでは、必要書類のチェックリストから受給開始までの流れ、認定日に必要な求職活動の実績まで詳しく解説します。

必要書類と持ち物チェックリスト

ハローワークで失業保険の手続きをする際には、以下の書類・持ち物が必要です。事前にすべて揃えておくことで、当日の手続きがスムーズに進みます。

必要書類・持ち物一覧

必要書類・持ち物説明
雇用保険被保険者離職票(1・2)退職後に会社から届く書類。離職理由や賃金額が記載されている
個人番号確認書類(いずれか一種類)個人番号カード・個人番号通知カード・個人番号の記載がある住民票
身元確認書類運転免許証、マイナンバーカードなど(詳細は下記参照)
写真(2枚)縦3cm×横2.5cmの正面上半身
本人名義の預金通帳一部のネット銀行等は利用できない場合があります

身元確認書類について

身元確認書類は、①のうちいずれか一つ、又は②のうち異なる2種類(コピー不可)が必要です。① 運転免許証・運転経歴証明書・個人番号カード・官公庁発行の身分証明書など、② 住民票記載事項証明書・公的医療保険の被保険者証・年金手帳など

離職票が届くまでの目安

離職票は退職後10日〜2週間程度で会社から郵送されてくるのが一般的です。退職後日数が経過しても離職票が届かない場合には、会社に問い合わせしてみましょう。

マイナンバーカードがあれば写真は不要

本手続及びこれに続き今後支給申請ごとにマイナンバーカードを提示する場合には顔写真を省略することが可能です。

マイナンバーカードを持っている方は、個人番号確認書類と身元確認書類を1枚で済ませられるうえ、写真も不要になるため、手続きが簡略化できます。

持ち物チェックリスト

▢ 雇用保険被保険者離職票-1
▢ 雇用保険被保険者離職票-2
▢ マイナンバーカード(または個人番号確認書類+身元確認書類)
▢ 証明写真2枚(マイナンバーカードがない場合)
▢ 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
▢ 印鑑(認印・シャチハタ不可)

求職申込みから受給開始までのステップ

60歳定年退職の場合、給付制限がないため7日間の待機期間を経ればすぐに受給が開始されます。以下の流れで手続きを進めましょう。

【ステップ1】離職票を受け取る

退職後、会社から離職票(1・2)が届くのを待ちます。届いたら内容に間違いがないかを確認しましょう。特に「離職理由」の欄は、受給開始時期に影響するため重要です。定年退職の場合、離職理由欄に「定年」と記載されているか確認してください。

【ステップ2】ハローワークで求職申込みと受給資格の決定

住居を管轄するハローワークに行き、「求職の申込み」を行ったのち、「雇用保険被保険者離職票(-1、2)」を提出します。

雇用保険の手続きは、月曜日~金曜日(休祝日・年末年始を除く)の8時30分~17時15分です。また、「受給資格決定」の他に「求職申込み」の手続きもあり、求職申込みには一定の時間がかかること等から、16時前までのご来所をお勧めさせていただきます。

【ステップ3】7日間の待機期間

受給資格の決定日から7日間は「待機期間」となり、この間は失業保険が支給されません。待機期間中はアルバイトなどをせず、失業状態を維持する必要があります。

【ステップ4】雇用保険受給説明会への参加

受給説明会では、雇用保険の受給について重要な事項の説明を行いますので、説明をよく聞いて、制度を十分理解してください。また、「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」をお渡しし、第一回目の「失業認定日」をお知らせします。

説明会は1〜2時間程度で、失業保険の受給ルールや求職活動の方法について説明を受けます。この説明会への参加は、初回認定日までの求職活動実績1回分としてカウントされます。

【ステップ5】失業認定日にハローワークへ出向く

原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行います。指定された日に管轄のハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出してください。

【ステップ6】失業保険の振り込み

認定が通れば、1週間で初回の失業手当が振り込まれます。以降は、次回の認定日ごとに支給が継続されます。

60歳定年退職の場合のスケジュール例

日程手続き内容
退職後10日〜2週間離職票が届く
離職票到着後ハローワークで求職申込み・受給資格決定
申請日〜7日間待機期間
待機期間終了後〜約2週間後雇用保険受給説明会
申請から約4週間後初回失業認定日
認定日から約1週間後初回の失業保険振り込み

定年退職の場合は給付制限がないため、申請から約1ヶ月〜1ヶ月半程度で初回の失業保険を受け取れます。

失業認定日に必要な求職活動の実績

失業保険を継続して受給するためには、認定日ごとに「求職活動実績」を報告する必要があります。

必要な求職活動の回数

失業認定対象期間中に必要とされる求職活動実績の回数は原則として2回以上です。

ただし、初回認定日については条件が異なります。

認定日必要な求職活動回数
初回認定日1回(雇用保険受給説明会への参加でOK)
2回目以降2回以上

2回目以降の認定日では2回以上の求職活動実績を作る必要がありますが、初回認定日までには1回の求職活動実績を作るだけで問題ありません。

60歳定年退職の場合、給付制限がないため、初回から失業保険を受給できます。初回認定日までは、雇用保険受給説明会への参加だけで求職活動実績の条件を満たせます。

求職活動として認められるもの

求職活動の範囲(主なもの)は、次のとおりであり、単なる、ハローワーク、新聞、インターネットなどでの求人情報の閲覧、単なる知人への紹介依頼だけでは、この求職活動の範囲には含まれません。

ハローワークが行う、職業相談、職業紹介等を受けたこと、各種講習、セミナーの受講などが求職活動実績として認められます。

具体的には、以下の活動が求職活動実績としてカウントされます。

求職活動実績として認められる活動

  • ハローワークでの職業相談・職業紹介
  • ハローワーク主催のセミナー・講習会への参加
  • 求人への応募(ハローワーク経由・転職サイト経由いずれも可)
  • 民間の職業紹介事業所(転職エージェント)での相談・紹介
  • 企業説明会への参加
  • 採用面接を受ける
  • 転職に役立つ国家資格の試験を受験する

求職活動実績として認められないもの

  • 求人情報の閲覧のみ(ハローワーク内のPCでも不可)
  • 知人への紹介依頼のみ
  • 企業への問い合わせのみ(応募に至っていない場合)
  • 転職サイトへの登録のみ

効率的な求職活動実績の作り方

60歳以上の方が効率的に求職活動実績を作るには、以下の方法がおすすめです。

  1. ハローワークでの職業相談 認定日にハローワークを訪れた際、そのまま職業相談窓口で相談すれば、次回認定日までの実績1回分を確保できます。職業相談が終了すると、手元の失業認定申告書に求職活動実績1回分のハンコを押してもらえます。
  2. ハローワーク主催のセミナーへの参加 ハローワークでは就職に役立つセミナーや講習会を定期的に開催しており、参加することで1回分の求職活動実績を得られます。シニア向けの就職セミナーも開催されていることがあるため、積極的に活用しましょう。
  3. 転職サイトからの求人応募 自宅にいながら転職サイトから求人に応募することも、求職活動実績としてカウントされます。1社への応募で1回分の実績になります。

注意点:求職活動実績が足りない場合

もし認定日までに2回以上の求職活動実績を満たしていない場合、失業保険の受給資格を満たしていないと判断され受給が打ち切られてしまいます。

ただし、受給資格自体がなくなるわけではありません。次回の認定日までに求職活動実績を満たせば、その時点から支給が再開されます。認定日を忘れないよう、スケジュール管理をしっかり行いましょう。

定年退職後に休養したい場合は受給期間延長申請を活用

60歳で定年退職した後、すぐに求職活動を始めるのではなく、しばらく休養してから働きたいと考える方も多いでしょう。そのような場合に活用できるのが「受給期間延長申請」です。

定年等によって退職した人が、退職後しばらくは充電期間として再就職を希望せず、その後、失業給付を受けながら就職活動を行おうとする場合などに、当初の受給期間(原則として最長1年)を延長することができる制度です。

この制度を活用すれば、退職後にゆっくり休養してから、改めて求職活動を始めることができます。

受給期間延長制度の内容と最長1年の延長

失業保険(基本手当)を受給できる期間は、原則として退職日の翌日から1年間と定められています。この期間を過ぎてしまうと、たとえ給付日数が残っていても失業保険を受け取ることができません。

しかし、60歳以上の定年退職者は、受給期間の延長申請をすることで、この期間を延長できます。

延長できる対象者

60歳以上の定年に達して離職した人、および60歳以上の定年後の勤務延長等により同一の事業所で引き続き被保険者として雇用され、その期間の終了により離職した人が対象となります。

延長できる期間

延長可能期間は「元々の受給期間1年+休養したい期間(最長1年間)=最大2年」となります。

1年+働くことができない期間または休養したい期間が受給期間になります。

項目内容
対象者60歳以上の定年退職者
延長できる期間最長1年間
延長後の受給期間最大2年間(元の1年+延長1年)

重要な注意点:給付日数が増えるわけではない

受給期間の延長は、あくまで「失業保険を受け取れる期間」を延ばすものであり、給付日数(所定給付日数)が増えるわけではありません。

たとえば、雇用保険加入期間が20年以上の定年退職者は所定給付日数が150日ですが、この日数は延長申請をしても変わりません。延長申請は、150日分の失業保険を「いつまでに受け取れるか」という期限を延ばす制度です。

退職日の翌日から2ヶ月以内に申請が必要

定年退職による受給期間延長申請には、明確な申請期限があります。

離職の日の翌日から2ヶ月以内に申請を行う必要があります。

申請期限を過ぎると延長できない

定年退職後の場合は、退職日の翌日から2ヵ月以内が申請の期限です。ほかの対象者とは期間が異なるため、注意しましょう。

病気やけが、妊娠・出産などで働けない場合の延長申請は、延長後の受給期間の最終日まで申請可能ですが、定年退職の場合は2ヶ月以内という厳格な期限があります。この期限を過ぎると、延長申請ができなくなりますので注意が必要です。

申請期限の具体例

退職日申請期限
4月30日退職5月1日〜6月30日の間に申請
3月31日退職4月1日〜5月31日の間に申請

退職後は何かと手続きが多く、うっかり申請を忘れてしまうこともあります。離職票が届いたら、早めにハローワークで手続きを行いましょう。

延長申請をしないとどうなる?

延長申請をせずに休養期間を過ごすと、受給期間(退職日の翌日から1年間)がどんどん短くなっていきます。たとえば、退職後6ヶ月間休養してから求職活動を始めた場合、残りの受給期間は6ヶ月しかありません。

所定給付日数が150日(約5ヶ月)の場合は問題ありませんが、認定日のスケジュールや待機期間を考えると、受給期間内にすべての給付を受け取れない可能性もあります。

休養期間を設けたい場合は、必ず2ヶ月以内に延長申請を行いましょう。

延長申請に必要な書類と手続き方法

定年退職による受給期間延長申請は、他の理由(病気やけがなど)による延長申請とは手続き方法が異なります。

必要書類

必要書類:「受給期間延長等申請書」と「離職票-2」と「本人の印鑑(認印・スタンプ印以外)」

必要書類備考
受給期間延長申請書ハローワークで入手可能
離職票-2退職後に会社から届く
印鑑認印(シャチハタ不可)

離職票と印鑑を持参して受給期間延長申請書を、住所または居所を管轄するハローワークに提出してください。用紙はハローワークに備え付けてあります。

申請方法

提出方法は原則として本人の来所のみです。

定年退職による延長申請は、原則として本人がハローワークへ直接提出する必要があります。病気やけがの場合は代理人による申請や郵送が認められていますが、定年退職の場合は原則として本人が直接ハローワークに出向く必要があります。

手続きの流れ

  1. 退職後、離職票が届くのを待つ 会社から離職票-1、離職票-2が届きます(退職後10日〜2週間程度)。
  2. 管轄のハローワークに行く 住所地を管轄するハローワークを確認し、離職票と印鑑を持参して窓口へ行きます。
  3. 受給期間延長申請書を記入・提出 窓口で受給期間延長申請書を受け取り、必要事項を記入して提出します。
  4. 延長の決定を受ける 手続きが完了すると、受給期間延長通知書が交付されます。この通知書は、休養後に求職申込みをする際に必要になるため、大切に保管しておきましょう。

延長解除後の手続き

休養期間が終わり、求職活動を始める準備ができたら、再度ハローワークに行って「延長解除」の手続きを行います。延長解除後、通常の失業保険の手続き(求職申込み)を行い、7日間の待機期間を経て失業保険の受給が始まります。

定年退職の場合は給付制限がないため、待機期間終了後すぐに失業保険を受け取ることができます。

まとめ:60歳定年退職の失業保険は待機期間7日で受給開始できる

60歳で定年退職した場合の失業保険について、重要なポイントを振り返りましょう。

定年退職後の失業保険は、再就職までの生活を支える大切な制度です。手続きの流れや必要書類を事前に確認し、受給漏れのないよう準備を進めましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。バックオフィス部門も統括。入社・退職時の年金、健康保険、雇用保険、年末調整などを行なっています。

目次