就職困難者に認定されると、失業保険の給付日数が最大360日に延長されるなど、手厚い優遇措置を受けられます。
本記事では、就職困難者の定義や該当条件、受けられる優遇措置、申請手続きの流れまでわかりやすく解説します。
就職困難者とは?失業保険における定義と該当条件

失業保険(雇用保険の基本手当)を受給する際、「就職困難者」という区分に該当すると、通常よりも手厚い給付を受けられることをご存じでしょうか。
就職困難者は一般の離職者と比べて、給付日数が大幅に延長されるなどの優遇措置が設けられています。しかし、この制度は意外と知られておらず、本来受けられるはずの支援を受けずに損をしてしまうケースも少なくありません。
この章では、就職困難者の定義と該当条件について詳しく解説します。自分が対象になるかどうかを正しく理解し、制度を最大限に活用しましょう。
就職困難者の定義と雇用保険上の位置づけ
就職困難者とは、身体的・精神的・社会的な事情により、通常の求職活動では再就職が著しく困難であると認められた方を指します。雇用保険法において、一般の離職者とは別の区分として位置づけられており、失業給付において特別な配慮が必要な対象として扱われます。
ここで重要なのは、就職困難者かどうかを最終的に判断するのはハローワークであるという点です。医師の診断書や障害者手帳は認定の重要な資料となりますが、それらがあれば自動的に認定されるわけではありません。ハローワークが本人の状況や就労への影響を総合的に審査したうえで、認定の可否が決定されます。
また、就職困難者は「まったく働けない人」を対象とした制度ではありません。あくまでも就労の意思と能力はあるものの、障害や病気などの事情により、再就職活動に著しい制限がある状態の方が対象となります。働く意欲があり求職活動ができる状態であることが、失業保険を受給するための前提条件である点は、一般の離職者と同様です。
該当する5つの対象者一覧
就職困難者に該当するのは、主に以下の5つのカテゴリーに分類される方々です。それぞれの対象者について詳しく見ていきましょう。
身体障害者・知的障害者・精神障害者
就職困難者として最も多いのが、障害者手帳を所持している方です。具体的には、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持している方が該当します。
身体障害者については、視覚・聴覚・肢体不自由・内部障害など、身体障害者福祉法に定める障害がある方が対象となります。確認は身体障害者手帳または求職登録票によって行われます。
知的障害者は、療育手帳を所持している方、または公的機関で知的障害があると判定された方が該当します。
精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳を所持している方が基本的な対象となります。ただし、後述する特定の疾患については、手帳がなくても医師の意見書により認定される場合があります。
なお、障害者手帳を所持していることは、受給資格決定時(ハローワークで最初に失業保険の申請手続きをする時点)で確認されます。受給資格決定後に手帳を取得した場合は、原則として就職困難者としては認められません。
保護観察中の者
刑法や更生保護法、売春防止法の規定により保護観察に付された方で、その職業のあっせんに関し保護観察所長からハローワーク(公共職業安定所長)に連絡があった方も、就職困難者に該当します。
保護観察中は就職活動に様々な制限があり、社会からの偏見に直面することも少なくありません。そのため、再就職が著しく困難になるケースが多いことから、雇用保険上の就職困難者として認められています。
この場合の認定は、保護観察所とハローワーク間の連携によって行われるため、本人が別途書類を準備する必要は基本的にありません。
社会的事情により就職困難な者
上記の障害や保護観察以外にも、社会的な事情により就職が著しく阻害されている方が就職困難者として認められる場合があります。
具体的には、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づく「中高年齢失業者等求職手帳」を所持する方や、その他の教育・就労環境等により安定所長が就職が著しく困難であると認める方(35歳以上)が該当します。
また、常用就職支度手当(就職困難者向けの就職促進給付)の受給要件においては、「就職時に45歳以上の方」も就職困難者に含まれます。
ただし、年齢だけで自動的に就職困難者と認定されることはありません。個々の状況をハローワークが判断したうえで、認定の可否が決まります。
手帳なしでも認定される3つの疾患
精神障害者の場合、原則として精神障害者保健福祉手帳の所持が認定の条件となります。しかし、特定の3つの疾患については、手帳を持っていなくても医師の意見書(診断書)により就職困難者として認定される可能性があります。
その3つの疾患とは、以下のとおりです。
- 統合失調症
- 躁うつ病(そう病・うつ病を含む、双極性障害)
- てんかん
これらの疾患は、障害者雇用促進法において「長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な者」として定められています。そのため、手帳の有無にかかわらず、医師の意見書によって就労への影響が確認できれば、就職困難者として認定される道が開かれています。
なお、注意が必要なのは「うつ状態」や「適応障害」といった診断では対象にならない点です。あくまでも「うつ病」という病名での診断が必要となります。また、一時的な症状ではなく、離職時点で該当する疾患にかかっていたことが前提となります。
手帳なしで申請する場合は、ハローワークが指定する様式の「主治医の意見書(就労可否証明書)」を医師に作成してもらう必要があります。一般的な診断書では認められないため、必ず事前にハローワークの窓口で専用の様式を受け取り、主治医に記入を依頼しましょう。
精神障害者保健福祉手帳の交付には初診日から6ヶ月以上かかるため、手帳を待っていると失業保険の申請が遅れてしまいます。該当する疾患で通院中の方は、手帳の取得を待たずに、まずは医師の意見書で申請することを検討してみてください。
就職困難者が受けられる失業保険の優遇措置3つ

就職困難者として認定されると、一般の離職者と比べて失業保険の受給条件が大幅に優遇されます。この優遇措置は、心身の事情により就職活動に時間がかかる方が、経済的な不安を抱えずに再就職を目指せるよう配慮された制度です。
具体的には、給付日数の延長、求職活動実績の軽減、受給資格要件の緩和という3つの大きなメリットがあります。知らないまま手続きを進めてしまうと、本来受け取れるはずの給付金を逃してしまう可能性もあるため、それぞれの優遇内容をしっかり理解しておきましょう。
所定給付日数が最大360日に延長される
就職困難者の最大のメリットは、失業保険を受給できる日数(所定給付日数)が通常よりも大幅に長く設定されることです。
一般の自己都合退職者の場合、所定給付日数は90日〜150日程度ですが、就職困難者に認定されると最大で360日(約1年間)にまで延長されます。給付日数が長くなれば、それだけ受け取れる総額も増えるため、経済的な余裕を持ちながらじっくり再就職活動に取り組むことができます。
一般離職者との給付日数の比較表
就職困難者と一般の離職者では、所定給付日数にどれほどの差があるのでしょうか。以下の表で比較してみましょう。
| 離職者の区分 | 被保険者期間1年未満 | 被保険者期間1年以上 |
|---|---|---|
| 一般離職者(自己都合退職) | なし | 90日〜150日 |
| 就職困難者(45歳未満) | 150日 | 300日 |
| 就職困難者(45歳以上65歳未満) | 150日 | 360日 |
この表からわかるように、被保険者期間が1年以上ある場合、一般の自己都合退職者は最大でも150日しか受給できないのに対し、就職困難者は45歳未満で300日、45歳以上65歳未満なら360日も受給できます。
たとえば被保険者期間が5年で基本手当日額が5,000円の場合、一般離職者なら90日×5,000円=45万円ですが、45歳未満の就職困難者なら300日×5,000円=150万円となります。その差は実に105万円にもなり、生活設計に大きな影響を与える金額です。
年齢・加入期間別の給付日数一覧
就職困難者の所定給付日数は、離職時の年齢と雇用保険の被保険者期間によって決まります。具体的な日数は以下のとおりです。
被保険者期間が1年未満の場合
- 45歳未満:150日
- 45歳以上65歳未満:150日
被保険者期間が1年以上の場合
- 45歳未満:300日
- 45歳以上65歳未満:360日
注目すべきは、被保険者期間が1年未満でも150日の給付が受けられる点です。一般の自己都合退職者は被保険者期間が1年未満だと受給資格すら得られませんが、就職困難者であれば短期間の加入でも一定の給付を受けることができます。
また、所定給付日数が330日の場合は受給期間が「1年+30日」、360日の場合は「1年+60日」に延長されます。通常の受給期間は離職日の翌日から1年間ですが、就職困難者は給付日数が長いため、受給期間も自動的に延長される仕組みになっています。
求職活動実績が月1回でOKになる
失業保険を継続して受給するためには、4週間ごとの認定日までに一定回数の求職活動を行い、ハローワークに報告する必要があります。この求職活動の回数についても、就職困難者は優遇措置を受けられます。
一般の離職者は、原則として認定日までに2回以上の求職活動実績が必要です。しかし、就職困難者の場合は1回以上で認められます。
求職活動実績として認められる主な活動は以下のとおりです。
- 求人への応募(履歴書の送付、面接など)
- ハローワークでの職業相談・職業紹介
- ハローワークや民間事業者が実施するセミナー・講習の受講
- 再就職に役立つ国家試験・検定などの資格試験の受験
心身に不調を抱えている方にとって、毎月複数回の求職活動を行うことは大きな負担となります。通院や体調管理と両立しながら就職活動を進める必要がある就職困難者にとって、求職活動実績が1回で済むのは非常に大きなメリットです。
ただし、1回で良いからといって形式的な活動で済ませるのではなく、自分のペースで着実に再就職を目指すことが大切です。ハローワークの職業相談では、障害や病状に配慮した求人の紹介や就職活動のアドバイスも受けられるため、積極的に活用しましょう。
被保険者期間6ヶ月以上で受給資格を得られる
失業保険を受給するには、離職前に一定期間以上、雇用保険に加入していた実績が必要です。この受給資格要件についても、就職困難者は条件が緩和されています。
一般の自己都合退職者が失業保険を受給するためには、原則として「離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上」必要です。つまり、入社から1年未満で退職した場合は、基本的に失業保険を受け取ることができません。
一方、就職困難者の場合は「離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上」あれば受給資格を得られます。この条件は、倒産や解雇などによる特定受給資格者や、正当な理由のある自己都合退職による特定理由離職者と同等の扱いです。
たとえば、入社後半年で体調を崩して退職せざるを得なくなった場合、一般の離職者なら失業保険を受給できませんが、就職困難者として認定されれば受給資格を得ることができます。しかも、前述のとおり被保険者期間が1年未満でも150日分の給付を受けられるため、短期間の勤務でも手厚い支援を受けることが可能です。
なお、被保険者期間のカウント方法は、離職日から1ヶ月ごとに区切った期間のうち、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヶ月として計算します。パートやアルバイトでも、この条件を満たしていれば被保険者期間に含まれます。
就職困難者の認定に必要な書類と準備の流れ

就職困難者として失業保険の優遇措置を受けるためには、ハローワークでの認定手続きが必要です。認定は自動的に行われるものではなく、本人が必要書類を準備し、申請しなければなりません。
書類に不備があると認定が遅れたり、最悪の場合は認定されなかったりする可能性もあります。スムーズに手続きを進めるために、障害者手帳の有無によって異なる必要書類と、失業保険の申請に必要な持ち物を事前に確認しておきましょう。
障害者手帳がある場合の必要書類
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持している方は、手帳を提示することで就職困難者としての認定を受けられます。手帳による認定は比較的シンプルで、書類の準備も最小限で済みます。
障害者手帳がある場合に必要な書類は以下のとおりです。
就職困難者の認定に必要な書類
- 障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれか)
手帳を持参してハローワークの窓口で提示すれば、その場で就職困難者としての確認が行われます。手帳の等級や障害の種類によって認定が左右されることは基本的にありません。
ただし、重要な注意点があります。就職困難者として認定されるのは、受給資格決定時(ハローワークで最初に失業保険の手続きをする時点)に手帳を所持している場合に限られます。受給資格決定後に手帳を取得しても、原則として就職困難者としては扱われません。
そのため、退職前から障害者手帳の申請を進めている方は、できるだけ手帳の交付を受けてからハローワークで手続きを行うことをおすすめします。もし手帳の交付が間に合わない場合は、次に説明する「主治医の意見書」による申請を検討しましょう。
手帳なしで申請する場合の主治医意見書
精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても、統合失調症・躁うつ病(うつ病・そう病・双極性障害を含む)・てんかんのいずれかに該当する場合は、主治医の意見書によって就職困難者として認定される可能性があります。
精神障害者保健福祉手帳の交付には初診日から6ヶ月以上かかるため、手帳の取得を待っていると失業保険の申請が大幅に遅れてしまいます。該当する疾患で通院中の方は、意見書による申請を積極的に検討しましょう。
なお、ここで重要なのは、一般的な「診断書」では就職困難者の認定資料として認められないという点です。就職困難者の認定には、ハローワークが指定する専用様式の「主治医の意見書(就労可否証明書)」が必要となります。
意見書の入手方法と医師への依頼ポイント
主治医の意見書を準備する際の流れは以下のとおりです。
意見書入手の手順
- ハローワークの窓口で「就職困難者として申請したい」と伝える
- 指定様式の意見書用紙を受け取る
- 通院中の精神科・心療内科の主治医に記入を依頼する
- 記入済みの意見書をハローワークに提出する
ハローワークの窓口では、次のように伝えるとスムーズです。
「退職して失業保険の手続きをしたいのですが、精神科(心療内科)に通院しています。就職困難者としての認定を受けたいので、主治医の意見書の用紙をいただけますか」
意見書の様式はハローワークによって名称やレイアウトが異なる場合があります。「就労可否証明書」「就労可能意見書」などと呼ばれることもあるため、窓口で確認しましょう。
医師に意見書の記入を依頼する際のポイントは以下のとおりです。
- 「一般的な診断書ではなく、ハローワーク指定の様式であること」を明確に伝える
- 「就労が可能であること」と「就職活動に制限があること」の両方を記載してもらう必要があることを説明する
- 余裕を持って依頼する(医療機関によっては記入に1〜2週間かかる場合がある)
意見書の作成には費用がかかります。医療機関によって異なりますが、3,000円〜5,000円程度が相場です。事前に主治医や医療機関の窓口に確認しておきましょう。
認定されやすい記載内容とは
主治医の意見書は、就職困難者として認定されるかどうかを大きく左右する最重要書類です。ハローワークは意見書の内容をもとに、病状が就労や再就職にどの程度影響を与えるかを判断します。
認定に必要なポイントは、「就労の意思と能力はあるが、再就職には著しい制限がある」という状態を医学的に示すことです。
認定されやすい意見書には、以下のような内容が記載されています。
病名について
- 統合失調症、うつ病、躁うつ病(双極性障害)、てんかんのいずれかが明記されている
- 「うつ状態」「適応障害」などではなく、正式な病名で記載されている
就労可否について
- 週20時間以上の就労が可能であることが示されている
- ただし、フルタイム勤務には制限がある旨が記載されている
就職活動への影響について
- 通院や服薬の継続が必要である
- 症状により職種や勤務時間に配慮が必要である
- ストレス耐性や対人関係に制限がある
注意すべきは、「就労不可」と記載されてしまうと、失業保険の受給要件である「いつでも就職できる能力がある」という条件を満たさなくなってしまう点です。あくまでも「働ける状態ではあるが、一般的な就職活動には困難がある」という内容になるよう、主治医と事前に相談しておくことが大切です。
失業保険の申請に必要な持ち物一覧
就職困難者の認定に必要な書類に加えて、失業保険の申請手続き自体にも必要な持ち物があります。ハローワークに行く前に、以下の書類や物品を揃えておきましょう。
必ず必要なもの
| 書類・持ち物 | 備考 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者離職票-1 | 退職後に会社から届く |
| 雇用保険被保険者離職票-2 | 退職後に会社から届く |
| マイナンバーカード | または通知カード+本人確認書類 |
| 本人確認書類 | 運転免許証、パスポートなど |
| 写真2枚 | 縦3cm×横2.4cm(マイナンバーカード提示の場合は不要) |
| 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード | 給付金の振込先 |
就職困難者の認定に必要なもの
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 障害者手帳 | 手帳を所持している場合 |
| 主治医の意見書 | 手帳なしで申請する場合(ハローワーク指定様式) |
離職票は退職後に会社から届きますが、届くまでに1〜2週間程度かかることがあります。届かない場合は、退職した会社に確認するか、ハローワークに相談しましょう。
また、離職票に記載された離職理由が正しいかどうかも必ず確認してください。離職理由は失業保険の給付制限や受給資格に影響するため、事実と異なる場合はハローワークで申し出ることが重要です。
準備が整ったら、住所地を管轄するハローワークに出向いて手続きを行います。就職困難者としての認定を希望する場合は、最初の手続き時に必ず窓口で申し出るようにしましょう。
就職困難者の失業保険申請手続き5ステップ

就職困難者として失業保険を受給するには、一般の離職者と同様にハローワークでの手続きが必要です。ただし、就職困難者の認定を受けるためには、通常の手続きに加えて障害者手帳や主治医の意見書を提出するステップが加わります。
手続きの流れを事前に把握しておくことで、スムーズに申請を進められます。退職から給付開始までの5つのステップを順番に確認していきましょう。
STEP1:退職後に離職票を受け取る
失業保険の申請手続きは、退職した会社から届く「離職票」がなければ始められません。退職後、まずは離職票が届くのを待ちましょう。
離職票には「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があり、どちらも失業保険の申請に必要です。通常、退職日から10日〜2週間程度で届きますが、会社によってはそれ以上かかることもあります。
届いた離職票は、以下のポイントを必ず確認してください。
離職票のチェックポイント
- 氏名・住所などの個人情報に誤りがないか
- 離職理由が事実と一致しているか
- 被保険者期間(雇用保険の加入期間)が正しく記載されているか
- 賃金額の記載に漏れや誤りがないか
特に重要なのが離職理由の確認です。離職理由によって給付制限の有無や受給資格が変わるため、事実と異なる記載がある場合はハローワークで申し出る必要があります。
離職票が届かない場合は、まず退職した会社に問い合わせましょう。会社が手続きを怠っている場合や、会社が倒産して連絡が取れない場合は、ハローワークに相談すれば対応してもらえます。
なお、失業保険の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。申請が遅れると受給できる金額が減ってしまうため、離職票が届いたらできるだけ早くハローワークに行きましょう。
STEP2:ハローワークで求職申込みと相談
離職票と必要書類が揃ったら、住所地を管轄するハローワークに出向いて手続きを行います。最初に行うのは「求職の申込み」と「受給資格の決定」です。
ハローワークに到着したら、まず総合受付で「失業保険の手続きをしたい」と伝えましょう。窓口で求職申込書の記入を求められるので、希望する職種や勤務条件などを記入します。
窓口での流れ
- 総合受付で失業保険の手続きを申し出る
- 求職申込書に必要事項を記入する
- 離職票や本人確認書類を提出する
- 担当者による受給資格の審査を受ける
- 受給資格が認められれば、説明会の日程が案内される
ここで重要なのが、就職困難者としての認定を希望することを最初の手続き時に必ず申し出ることです。窓口で以下のように伝えましょう。
「障害者手帳を持っています(または精神科に通院しています)ので、就職困難者としての認定を受けたいです」
この時点で申し出ないと、一般の離職者として処理されてしまう可能性があります。就職困難者としての認定は受給資格決定時に行われるため、後から変更することは原則としてできません。
通院中で手帳を持っていない場合は、主治医の意見書の様式をこの段階で受け取っておきましょう。意見書を医師に記入してもらい、後日提出する流れになります。
STEP3:就職困難者の認定を受ける
就職困難者の認定は、STEP2の受給資格決定と同時に行われます。提出した書類をもとに、ハローワークが就職困難者に該当するかどうかを審査します。
障害者手帳がある場合
手帳を提示すれば、その場で就職困難者としての確認が行われます。特別な審査期間はなく、受給資格決定と同時に認定されるのが一般的です。
主治医の意見書で申請する場合
意見書を提出した後、ハローワークが内容を審査します。意見書の記載内容や本人への聞き取りをもとに、就職困難者に該当するかどうかが判断されます。
審査にかかる期間は数日〜1週間程度が目安ですが、ハローワークによって異なります。認定結果は、雇用保険受給資格者証が発行される際に確認できます。
認定されたかどうかの確認方法
就職困難者として認定されると、雇用保険受給資格者証の「所定給付日数」欄に「150日」「300日」「360日」のいずれかが記載されます。一般の自己都合退職者であれば90日〜150日なので、それより長い日数が記載されていれば認定されたことになります。
もし認定されなかった場合でも、一般の離職者として失業保険を受給することは可能です。認定されなかった理由に疑問がある場合は、窓口で確認してみましょう。
STEP4:雇用保険説明会に参加する
受給資格が決定したら、ハローワークが開催する「雇用保険説明会」に参加します。説明会の日時は、STEP2の手続き時に指定されます。
説明会では、失業保険の受給に関する重要な説明が行われます。
説明会の主な内容
- 失業保険の仕組みと受給の流れ
- 認定日の出席義務と手続き方法
- 求職活動実績として認められる活動の種類
- 不正受給に対する注意事項
- 再就職手当などの各種給付金について
説明会に参加すると、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が交付されます。雇用保険受給資格者証には、基本手当日額や所定給付日数、次回の認定日などが記載されているので、内容を確認しておきましょう。
また、説明会への参加は求職活動実績としてカウントされます。就職困難者は認定日までに1回以上の求職活動実績が必要なので、説明会への参加で初回の実績をクリアできます。
説明会にやむを得ず出席できない場合は、事前にハローワークに連絡して日程変更の相談をしましょう。無断で欠席すると、給付に影響が出る可能性があります。
STEP5:認定日ごとに失業認定を受ける
説明会が終わると、いよいよ失業保険の受給が始まります。ただし、給付金は自動的に振り込まれるわけではありません。4週間に1回の「認定日」にハローワークへ出向き、失業状態であることの認定を受ける必要があります。
認定日にやること
- 失業認定申告書に求職活動の内容を記入する
- ハローワークの窓口で申告書を提出する
- 担当者による確認を受ける
- 失業状態と認定されれば、約5営業日後に給付金が振り込まれる
失業認定申告書には、前回の認定日から今回の認定日の前日までに行った求職活動の内容を記入します。就職困難者の場合は1回以上の求職活動実績があれば認定されます。
認定日の注意点
- 認定日は原則として変更できないため、必ず出席する
- やむを得ない理由で出席できない場合は、事前にハローワークに連絡する
- 認定日に出席しないと、その期間の給付金は支給されない
- アルバイトや内職をした場合は、正直に申告する
認定日に求職活動実績が足りなかったり、無断で欠席したりすると、その認定期間の給付金は支給されません。ただし、受給資格自体がなくなるわけではなく、次回の認定日までに実績を作れば、次回以降の給付は受けられます。
この認定日のサイクルを繰り返し、所定給付日数の分だけ給付金を受け取ります。就職困難者の場合は最大360日分の給付があるため、約1年間にわたって認定日に通うことになります。もちろん、途中で再就職が決まれば、その時点で受給は終了し、条件を満たせば再就職手当などを受け取ることができます。
まとめ:就職困難者の失業保険を正しく理解し安心して就職活動を進めよう

就職困難者の失業保険制度について、定義から申請手続き、活用できる支援制度まで詳しく解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
再就職への道のりは人それぞれですが、適切な支援を受けることで、その道のりは確実に歩みやすくなります。この記事が、あなたの新しいスタートを切るための一助となれば幸いです。
