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離職票の退職理由とは?自己都合・会社都合の違いや離職区分コード一覧を解説

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離職票の退職理由は、「会社都合」か「自己都合」かによって、受け取れる金額に数十万円以上の差が生じることも珍しくありません。本記事では、離職票に記載される退職理由の種類や離職区分コード一覧、退職理由が違う場合の異議申し立て方法まで、わかりやすく解説します。

目次

離職票の退職理由とは?基本を確認

離職票とは、正式名称を「雇用保険被保険者離職票」といい、会社を退職した人が失業手当(基本手当)を受給するためにハローワークへ提出する公的書類です。

離職票のなかでも特に重要なのが「退職理由」の記載です。退職理由が「会社都合」か「自己都合」かによって、失業手当の給付開始時期や受給日数が大きく変わります。つまり、離職票に記載される退職理由は、退職後の生活に直結する極めて重要な情報なのです。

ここでは、離職票の種類や関連書類との違い、発行の流れなど、退職理由を正しく理解するために押さえておきたい基本知識を解説します。

離職票は2種類ある

離職票には「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があり、失業手当の手続きには両方が必要です。それぞれ記載されている内容や役割が異なるため、違いを把握しておきましょう。

離職票-1の役割と記載内容

離職票-1の正式名称は「雇用保険被保険者離職票−1」で、「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(被保険者通知用)」を兼ねた書類です。

記載されている主な項目は、雇用保険の被保険者番号、資格取得年月日、離職年月日、氏名、生年月日、喪失原因、事業所名称などです。カードタイプの書式になっており、書類の下部には「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」の記入欄が設けられています。

退職者は、この欄に失業手当の振込先となる金融機関名と口座番号を記入します。なお、マイナンバーの記入欄もありますが、こちらはハローワークの窓口で来所した際に記入するのが原則です。

離職票-1には会社側が記入する欄はなく、基本的に退職者本人が必要事項を記入して提出する書類と覚えておけば問題ありません。

離職票-2の役割と退職理由欄

離職票-2の正式名称は「雇用保険被保険者離職票−2」で、退職理由や退職前6か月間の賃金支払い状況が記載された、A3サイズの横長の書類です。

離職票-2の左側には、事業主が記入する項目として、氏名、被保険者番号、退職日、被保険者期間、賃金支払い状況などが並んでいます。右側には退職理由に関する記載欄があり、事業主と退職者の双方がそれぞれの認識に基づいて記入する仕組みになっています。

退職理由の選択肢には「事業所の倒産等によるもの」「定年によるもの」「労働契約期間満了等によるもの」「事業主からの働きかけによるもの」「労働者の判断によるもの」などがあり、該当する項目に丸印をつけます。さらに、右下の「具体的事情記載欄」には、退職に至った経緯をより詳しく記載します。

この退職理由の内容によって、失業手当の給付日数や支給開始時期が決まるため、離職票-2は2種類ある離職票のなかでも特に重要度の高い書類です。記載内容に誤りがないか、必ず確認するようにしましょう。

離職票と離職証明書・退職証明書の違い

離職票と名前が似ている書類に「離職証明書」と「退職証明書」がありますが、それぞれ目的と発行元が異なります。混同しやすいため、違いを整理しておきましょう。

離職証明書(雇用保険被保険者離職証明書)は、会社がハローワークに提出するための書類です。3枚複写の様式になっており、1枚目が事業主控、2枚目がハローワーク提出用、3枚目が退職者に交付される離職票-2にあたります。つまり、離職証明書がハローワークに提出されることで、初めて離職票が発行される仕組みです。

一方、退職証明書は、退職者が在籍していた会社を退職した事実を証明する書類です。公的な書類ではなく、会社が独自に発行するものですが、退職者から依頼があった場合には遅滞なく発行する義務が労働基準法第22条で定められています。一般的に、使用期間(在籍期間)、業務の種類、地位・役職、賃金、退職理由の5項目が記載されます。

整理すると、離職証明書は「会社がハローワークに提出する書類」、離職票は「ハローワークが発行し退職者が受け取る書類」、退職証明書は「会社が退職者に発行する任意の書類」という位置づけです。

離職票の発行から届くまでの流れ

離職票は退職者本人が直接ハローワークに申請するのではなく、退職した会社を経由して手続きが進みます。発行までの流れを順に見ていきましょう。

まず、退職者が会社に対して離職票の発行を希望する旨を伝えます。次に、会社は退職日の翌日から10日以内に、「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」を管轄のハローワークへ提出します。

ハローワークは、提出された書類の内容を確認・精査したうえで、問題がなければ「離職票-1」と「離職票-2」を発行し、会社宛てに交付します。その後、会社が退職者に対して離職票を郵送または手渡しで届けるという流れです。

退職者の手元に届くまでの期間は、一般的に退職日から10日〜2週間程度が目安です。2週間以上経っても届かない場合は、会社に問い合わせるか、ハローワークに相談してみましょう。

なお、2025年1月からは、事業主が電子申請で離職手続きを行い、退職者がマイナポータルとの連携設定を済ませている場合に限り、離職票をマイナポータルで直接受け取れるサービスも開始されています。

また、59歳以上の退職者については、本人が希望しない場合であっても、会社は離職票の発行手続きを行う義務があります。60歳以降に再就職する際の「高年齢雇用継続給付」の手続きに離職票が必要になるためです。

離職票に記載される退職理由の種類

離職票-2の退職理由欄には、さまざまな離職理由の選択肢が用意されています。これらは大きく「会社都合退職」と「自己都合退職」の2種類に分類され、どちらに該当するかによって失業手当の給付条件が大きく変わります。

会社都合退職に該当する場合は「特定受給資格者」として手厚い給付を受けられるのに対し、自己都合退職の場合は給付制限期間が設けられ、給付日数も短くなる傾向があります。ただし、自己都合退職であっても正当な理由がある場合には「特定理由離職者」として優遇されるケースもあるため、自分の退職理由がどの区分に当てはまるのかを正確に把握することが大切です。

ここでは、会社都合退職と自己都合退職それぞれに該当する代表的な離職理由を詳しく見ていきましょう。

会社都合退職に該当する離職理由

会社都合退職とは、会社側の事情によって退職を余儀なくされたケースを指します。労働者自身に退職の原因がなく、準備が十分にできないまま職を失うことになるため、雇用保険上は「特定受給資格者」に該当し、失業手当の受給条件が優遇されます。

代表的な会社都合退職の離職理由は、倒産・事業縮小、解雇・退職勧奨、雇止めの3つです。それぞれ詳しく解説します。

倒産・事業縮小による退職

会社の倒産や事業縮小による退職は、会社都合退職の典型例です。具体的には、破産や民事再生、会社更生の申立てが行われた場合や、手形取引が停止された場合などが該当します。

また、事業所の廃止や大規模な人員整理(1か月に30人以上の離職予定、もしくは会社の被保険者の3分の1を超える離職)が行われた場合も、倒産・事業縮小による退職として扱われます。

注意したいのは、「経営が危なそうだから」と自分で判断して退職を申し出た場合は、会社都合退職にはならないという点です。あくまで会社の倒産や事業縮小が客観的な事実として認められる必要があります。

解雇・退職勧奨による退職

会社から解雇された場合や、退職勧奨を受けて退職した場合も会社都合退職に該当します。

解雇には、経営上の理由による整理解雇や、業務遂行能力の不足を理由とする普通解雇などがあります。ただし、従業員の重大な規律違反や背信行為による「重責解雇」は会社都合退職には該当せず、一般受給資格者として扱われる点に注意が必要です。

退職勧奨による退職は、たとえ最終的に退職届を提出して合意退職の形をとったとしても、会社都合退職として扱われます。ハローワークの判断基準では「事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者」は特定受給資格者に該当すると定められています。退職勧奨の理由が業績不振であっても、従業員の能力不足であっても、会社から退職を促された事実がある限り会社都合退職です。

そのほか、賃金の大幅な低下や未払い、極端な長時間労働、職場でのハラスメントなど、労働条件に重大な問題があったことを理由に退職した場合も、会社都合退職として認められる可能性があります。

雇止めによる退職

契約社員やパート・アルバイトなど有期雇用契約で働いていた方が、契約の更新を希望したにもかかわらず更新されずに退職した場合は、雇止めによる退職に該当します。

雇止めによる退職は、契約期間や更新の明示状況によって離職区分が異なります。たとえば、雇用期間が3年以上で雇止め通知があった場合は離職区分2A(特定受給資格者)に、雇用期間が3年未満で更新の明示があった場合は離職区分2B(特定受給資格者)に該当します。

一方、雇用期間が3年未満で更新が明示されていない(「更新する場合がある」程度の記載にとどまる)場合には離職区分2C(特定理由離職者)となり、特定受給資格者とは異なる扱いとなるケースもあります。

雇止めの場合は契約内容や更新に関する書面が重要な判断材料になるため、雇用契約書や更新通知書をしっかり保管しておきましょう。

自己都合退職に該当する離職理由

自己都合退職とは、労働者自身の意思や個人的な事情によって退職するケースです。自己都合退職はさらに「正当な理由のある自己都合退職」と「正当な理由のない自己都合退職」に分かれ、失業手当の受給条件に違いがあります。

正当な理由のある自己都合退職

自分から退職を申し出た場合でも、やむを得ない事情がある場合には「正当な理由のある自己都合退職」として、特定理由離職者に該当する可能性があります。特定理由離職者に該当すれば、給付制限期間が免除されるなど、一般の自己都合退職者よりも有利な条件で失業手当を受給できます。

正当な理由として認められる主な例は、以下のとおりです。

体力の不足や心身の障害、疾病、負傷など健康上の理由で働き続けることが困難になった場合、妊娠・出産・育児により離職し受給期間延長措置を受けた場合、父母の死亡や疾病・負傷・介護など家庭の事情が急変した場合、配偶者や扶養親族との別居生活の継続が困難になった場合、配偶者の転勤や転居に伴い通勤が困難になった場合などがこれに当たります。

正当な理由に該当するかどうかの最終判断はハローワークが行うため、医師の診断書や介護の証明書類など、退職理由を裏付ける客観的な資料を用意しておくことが重要です。

正当な理由のない自己都合退職

転職やキャリアアップのため、職場の雰囲気が合わない、スキルアップしたいなど、個人的な希望や事情による退職は「正当な理由のない自己都合退職」に分類されます。離職区分は4D(離職コード40または45)となり、一般受給資格者として扱われます。

この場合、失業手当を受給するまでに7日間の待期期間に加えて、原則1か月の給付制限期間(2025年4月1日以降の退職の場合)が発生します。なお、退職日から遡って5年以内に2回を超えて正当な理由のない自己都合退職をしている場合は、給付制限期間が3か月に延長されます。

また、失業手当の所定給付日数も、被保険者期間に応じて90日〜150日となり、会社都合退職者(最大330日)と比べると短く設定されています。

「一身上の都合」はどの退職理由になる?

「一身上の都合」は、退職届や履歴書でよく使われる表現ですが、離職票における退職理由としては幅広い意味を含んでいます。結論からいえば、「一身上の都合」は基本的に自己都合退職を指す言葉ですが、その内容次第で離職票上の扱いが変わる可能性があります。

たとえば、転職やキャリアチェンジ、職場の雰囲気への不満など個人的な理由による退職であれば、「正当な理由のない自己都合退職」として離職証明書の離職理由欄では「労働者の個人的な事情による離職」にチェックが入ります。

一方、同じ「一身上の都合」でも、結婚に伴う転居で通勤困難になった、病気やケガで就業が困難になった、家族の介護が必要になったなどの事情がある場合は、「正当な理由のある自己都合退職」として特定理由離職者に認定される可能性があります。

重要なのは、退職届に「一身上の都合」とだけ記載してしまうと、離職票上では正当な理由のない自己都合退職として処理されやすいという点です。正当な理由に該当する事情がある場合は、ハローワークで手続きをする際に具体的な退職理由を申告し、証拠となる書類を提出しましょう。

また、退職勧奨を受けて退職する場合に「一身上の都合」と記載するのは、実態にそぐわず不適切です。会社都合退職であるにもかかわらず自己都合扱いにされてしまうリスクがあるため、退職届を書く際は退職理由の記載に十分注意してください。

離職区分コード一覧と確認方法

離職票の退職理由は、「離職区分」や「離職理由コード」と呼ばれるコードで分類されています。これらのコードは、失業手当の給付日数や給付制限の有無、さらには国民健康保険料の軽減措置の対象になるかどうかを判断するための重要な指標です。

自分がどの離職区分・離職コードに該当するかを把握しておくことで、受けられる給付内容を正確に理解できます。ここでは、離職区分と離職コードの違い、全コードの一覧、そして確認方法を解説します。

離職区分と離職コードの違い

「離職区分」と「離職理由コード(離職コード)」は、どちらも退職理由を分類するためのコードですが、記載される書類と表記形式が異なります。

離職区分は、離職票-2の右側に記載されるコードで、「1A」「2B」「4D」のように数字とアルファベットの組み合わせで表記されます。事業主が離職証明書を作成する際にチェックを入れ、ハローワークが確認したうえで離職票に反映される仕組みです。

一方、離職理由コードは、ハローワークで失業手当の手続きを行った際に交付される「雇用保険受給資格者証」の「12.離職理由」欄に記載される2桁の数字です。「11」「23」「33」「40」のように数字のみで表記されます。

両者は対応関係にあり、たとえば離職区分「1A」は離職コード「11」に、「4D」は「40」または「45」に対応しています。基本的にアルファベット部分が数字に置き換わる形(A=1、B=2、C=3、D=4、E=5)と考えるとわかりやすいでしょう。

離職区分は退職直後に離職票で確認できるのに対し、離職コードはハローワークで受給資格の決定を受けた後に確認できるという点も大きな違いです。最終的な離職理由の判定は、ハローワークが離職者本人への確認と調査を経て行うため、離職票の離職区分と受給資格者証の離職コードが異なる場合もあります。

両者の違いを以下の表にまとめます。

項目離職区分離職理由コード
表記形式数字+アルファベット(例:1A、4D)2桁の数字(例:11、40)
記載書類離職票-2雇用保険受給資格者証
記入者事業主がチェック → ハローワークが確認ハローワークが最終判定して記載
確認できるタイミング退職後、会社から離職票が届いた時点ハローワークで受給資格が決定した後

離職区分コード一覧表

離職区分と離職コードの全一覧は以下のとおりです。受給資格の種類や給付制限の有無もあわせて整理しています。

【特定受給資格者】給付制限なし/給付日数90〜330日

離職区分離職コード離職理由
1A11解雇(重責解雇を除く)
1B12天災等やむを得ない理由による解雇
2A21雇止め(雇用期間3年以上・雇止め通知あり)
2B22雇止め(雇用期間3年未満・更新明示あり)
3A31事業主の働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
3B32事業所移転に伴う正当な理由のある自己都合退職

【特定理由離職者】給付制限なし/給付日数90〜330日(※3C・3Dは90〜150日)

離職区分離職コード離職理由
2C23契約期間満了(雇用期間3年未満・更新明示なし)
3C33正当な理由のある自己都合退職(3A・3B・3D以外)
3D34特定の正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間6か月以上12か月未満)

【一般受給資格者】給付制限あり(※2D・2Eは制限なし)/給付日数90〜150日

離職区分離職コード離職理由給付制限
2D24契約期間満了(労使双方合意)なし
2E25定年退職・移籍出向なし
4D40正当な理由のない自己都合退職原則1か月
4D45正当な理由のない自己都合退職(被保険者期間2か月以上)原則1か月
5E50重責解雇(被保険者の重大な責任による解雇)原則3か月
5E55重責解雇(被保険者期間2か月以上)原則3か月

※4Dの給付制限は、2025年4月1日以降の離職の場合は原則1か月です。ただし、過去5年以内に2回を超えて正当な理由のない自己都合退職をしている場合は3か月に延長されます。

自分の離職コードを確認する方法

離職区分と離職コードは、確認できるタイミングと書類がそれぞれ異なります。

まず、退職後に会社から届く離職票-2で離職区分を確認できます。離職票-2の右側にある離職理由欄を見ると、事業主がチェックした離職区分(1A〜5Eのいずれか)に丸印がついています。自分の退職理由と照らし合わせて、正しい区分にチェックがされているかを必ず確認しましょう。

なお、離職区分が1つではなく「2Cと2D」「3Cと4D」のように2つ丸がついている場合もあります。これは、会社側が退職者から聴取した事情だけでは離職区分の判断がつかなかった場合に行われるもので、最終的にはハローワークが判断します。

次に、2桁の数字で表される離職理由コードは、ハローワークで失業手当の受給手続きを行い、雇用保険受給者初回説明会に出席した際に交付される「雇用保険受給資格者証」で確認できます。受給資格者証の「12.離職理由」欄に記載された2桁の数字が、自分の離職コードです。

この離職コードは、ハローワークが離職票の記載内容だけでなく、退職者本人への聞き取りや客観的な資料をもとに最終判定した結果が反映されています。そのため、離職票-2の離職区分とは異なるコードが割り当てられるケースもあります。

離職票の退職理由が違う場合の対処法

離職票を受け取ったとき、記載されている退職理由が自分の認識と異なっているケースは珍しくありません。たとえば、実際には退職勧奨を受けて退職したにもかかわらず「自己都合退職」とされていたり、長時間労働やハラスメントが原因で退職したのに個人的な理由として処理されていたりする場合があります。

退職理由が事実と異なったまま手続きが進むと、失業手当の給付制限がかかったり、給付日数が短くなったりと、金銭的に大きな不利益を被る可能性があります。離職票を受け取ったら、まず退職理由欄を必ず確認し、事実と違う場合は適切な手順で異議を申し立てることが大切です。

離職票の退職理由欄の確認ポイント

離職票-2を受け取ったら、右側にある退職理由欄を重点的にチェックしましょう。確認すべきポイントは主に3つあります。

1つ目は、事業主記入欄のチェック位置です。退職理由欄の左側には「事業主記入欄」があり、「事業所の倒産等によるもの」「定年によるもの」「事業主からの働きかけによるもの」「労働者の判断によるもの」といった選択肢の中から、会社側が該当する項目に丸印をつけています。この丸印が自分の退職理由と合致しているかを確認してください。

2つ目は、具体的事情記載欄(事業主用)の内容です。退職理由欄の下部には、会社が退職に至った具体的な経緯を記載する欄があります。「自己都合による退職」「転職希望のため」などと記載されていますので、その内容が事実に即しているかを確認しましょう。

3つ目は、離職区分の記載です。右端にある離職区分(1A〜5E)のどこに丸がついているかを確認します。たとえば、退職勧奨で退職したはずなのに離職区分が「4D(正当な理由のない自己都合退職)」になっている場合は、明らかに事実と異なります。

退職理由を確認する際には、前章で解説した離職区分コード一覧と照らし合わせると、自分がどの区分に該当するべきかが判断しやすくなります。

異議申し立ての手順と流れ

離職票の退職理由が事実と異なる場合は、ハローワークに対して異議を申し立てることができます。異議申し立ては特別な申請書類が必要なわけではなく、離職票の所定の欄に記入するだけで行えます。

離職者本人の判断欄に「異議有り」と記入

離職票-2の退職理由欄の右側には「離職者記入欄」があります。ここで行う手順は次のとおりです。

まず、「離職者記入欄」の選択肢のなかから、自分が正しいと考える離職理由に丸印をつけます。次に、「具体的事情記載欄(離職者用)」に、自分が認識している退職の経緯を具体的に記載します。たとえば「会社から退職勧奨を受けたことにより退職した」「長時間労働(月80時間超の残業)が常態化していたため退職せざるを得なかった」など、できるだけ事実を詳しく書きましょう。

そのうえで、「事業主が○を付けた離職理由に異議 有り・無し」の項目で「有り」に丸をつけます。この3つの記入を行ったうえで、離職票に記名・捺印し、ハローワークに提出します。

なお、離職票は会社から届いた時点で署名・捺印して会社に返送済みの場合もあります。その場合でも、ハローワークの窓口で改めて異議がある旨を伝えれば、対応してもらうことが可能です。

ハローワークでの調査・判定の流れ

「異議有り」で離職票が提出されると、ハローワークは事実関係の調査を開始します。

ハローワークは、まず退職者本人に対してヒアリングを行い、退職に至った経緯や具体的な事情を確認します。並行して、会社側にも事実確認の調査が行われます。調査方法は、電話での聞き取りや書面での照会、場合によっては職員による立ち入り検査や関係文書の提示を求められることもあります。

会社側は、ハローワークからの照会に対して退職の経緯を説明するとともに、退職届の写しや面談記録、労働条件通知書といった客観的な資料を提示する必要があります。

ハローワークは双方の主張と提出された証拠を総合的に判断し、最終的な離職理由を判定します。退職者の主張が正しいと認められれば、離職理由が変更され、それに応じた受給資格の種類(特定受給資格者や特定理由離職者)が適用されます。

調査から判定までにかかる期間は案件によって異なりますが、通常は数週間から1か月程度です。調査の結果、退職者の主張が認められなかった場合でも、それをもって不利益を受けることはありません。

異議申し立てに必要な証拠書類

異議申し立てを成功させるためには、自分の主張を裏付ける客観的な証拠を準備しておくことが重要です。ハローワークは双方の主張を聞いたうえで判断するため、口頭での説明だけでなく書面や記録で事実を証明できると、主張が認められる可能性が高まります。

退職理由ごとに有効な証拠書類の例を挙げると、退職勧奨があった場合は、退職勧奨を受けた際のメールや文書、面談の録音データ、退職勧奨に関するやり取りの記録などが有効です。

長時間労働が原因の場合は、タイムカードや勤怠記録の写し、給与明細書(残業時間が記載されたもの)、業務に関するメールの送信時刻の記録などが証拠になり得ます。

ハラスメントが原因の場合は、ハラスメント行為の記録(日時・場所・内容を記したメモ)、メールやチャットのやり取り、社内の相談窓口や外部機関に相談した記録などを準備しましょう。

労働条件の相違が原因の場合は、求人票や採用時に提示された労働条件通知書、雇用契約書、実際の勤務実態がわかる資料が役立ちます。

病気やケガが原因の場合は、医師の診断書が最も重要な証拠です。業務との因果関係が示された診断書であればより有力です。

これらの資料は、退職後に入手するのが難しいものも多いため、退職前から意識的に保管・収集しておくことをおすすめします。在職中にコピーを取ったり、デジタルデータとしてバックアップしておくと、いざというときに慌てずに済みます。

まとめ:離職票の退職理由は失業手当に直結!必ず確認しよう

離職票に記載される退職理由は、失業手当の給付開始時期や所定給付日数、さらには国民健康保険料の軽減措置の適用可否にまで影響する、退職後の生活を左右する極めて重要な情報です。

退職前からタイムカードや労働条件通知書、メールの記録など、退職理由を証明できる資料を意識的に保管しておくと安心です。正しい退職理由で適切な給付を受けるために、離職票の確認を怠らないようにしましょう。

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この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。バックオフィス部門も統括。入社・退職時の年金、健康保険、雇用保険、年末調整などを行なっています。

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