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失業保険をもらいながら職業訓練を受ける方法|条件・手当・手続きの流れを解説

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失業保険をもらいながら職業訓練を受ければ、無料でスキルアップしながら給付日数の延長や給付制限の解除といった優遇措置を受けられます。

本記事では、職業訓練の種類や受講条件、受け取れる手当の金額、手続きの流れ、知っておくべき注意点まで網羅的に解説します。失業中の時間を有効活用して再就職を有利に進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

失業保険をもらいながら受けられる職業訓練とは

失業保険(雇用保険の基本手当)を受給している方は、受給を続けながら職業訓練を受講することが可能です。職業訓練は正式には「ハロートレーニング(ハロトレ)」と呼ばれ、再就職に必要な知識やスキルを原則無料で身につけられる公的な就職支援制度です。

厚生労働省が運営するこの制度では、失業中の経済的な不安を軽減しつつ、次の仕事に活かせる実践的なスキルを習得できます。民間のスクールに通えば数十万円かかるような内容でも、職業訓練なら受講料は無料(テキスト代などは自己負担)で受けられるのが大きな魅力です。

ただし、失業保険を受給しているすべての方が自動的に職業訓練を受けられるわけではありません。ハローワークでの求職申込みや、訓練の必要性の認定など、一定の条件を満たす必要があります。

まずは、職業訓練の2つの種類とそれぞれの特徴を理解しておきましょう。

公共職業訓練と求職者支援訓練の違い

職業訓練には「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類があります。両者の最大の違いは、対象者が異なる点です。

公共職業訓練は主に失業保険を受給している方向けの訓練であり、求職者支援訓練は失業保険を受給できない方向けの訓練です。どちらも再就職に必要なスキルを無料で学べるという点は共通していますが、受けられる手当や受講条件に違いがあります。

公共職業訓練は失業保険受給者が対象

公共職業訓練は、雇用保険の失業給付を受給している求職者を主な対象とした職業訓練です。国や都道府県が運営する職業能力開発施設のほか、民間の専門学校や教育機関に委託して実施されています。

公共職業訓練の大きな特徴は、受講中も失業保険を受け取りながらスキルアップができる点です。さらに、訓練期間中に失業保険の給付日数が終了してしまっても、訓練修了日まで給付が延長される「訓練延長給付」の制度が利用できます。

訓練期間はコースによって異なり、短いもので2〜3ヶ月、長いもので1〜2年程度です。受講するには、失業保険の給付残日数が3分の1以上残っていること、ハローワークに訓練の必要性を認められることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

求職者支援訓練は失業保険を受給できない人が対象

求職者支援訓練は、雇用保険に加入していなかった方や、失業保険の受給期間が終了した方など、失業保険を受け取れない求職者を主な対象とした訓練です。

この訓練を受講する方のうち、一定の要件を満たした方には「職業訓練受講給付金」として月額10万円が支給されます。加えて、通所手当(交通費)や寄宿手当も受け取れるため、生活費を確保しながら学ぶことが可能です。

対象となるのは、雇用保険に未加入だった方だけではありません。フリーランスや自営業を辞めて就職を目指す方、アルバイトやパートから正社員を目指している方など、幅広い求職者が受講できます。

職業訓練で学べるコースの種類

職業訓練で学べるコースは多岐にわたります。公共職業訓練では、大きく「施設内訓練」と「委託訓練」の2つに分けられており、それぞれ学べる分野や訓練の実施場所が異なります。

どのようなコースが開講されているかは地域によっても異なるため、自分の住んでいるエリアでどんな訓練が受けられるのか、ハローワークインターネットサービスの職業訓練検索ページや最寄りのハローワーク窓口で確認してみてください。

ここでは、代表的な訓練の種類と主なコース内容を紹介します。

施設内訓練(ものづくり系)

施設内訓練とは、国や都道府県が運営する職業能力開発施設(ポリテクセンターや高等技術専門校など)の中で実施される訓練です。主にものづくり系の技能習得を目的としたコースが中心となっています。

具体的には、金属加工や溶接、電気設備、機械CAD、建築、配管設備といった技術系のコースが用意されています。たとえば「テクニカルオペレーション科」や「電気設備技術科」「住環境計画科」など、実際に手を動かしながら技術を身につける実践的なカリキュラムが特徴です。

訓練期間は3ヶ月〜6ヶ月程度のコースが多く、専門的な設備が整った施設で本格的な技能を学べます。製造業や建設業など、技術職への就職を目指す方には特におすすめの訓練です。

委託訓練(IT・介護・事務系)

委託訓練とは、都道府県が民間の専門学校やNPO法人、教育機関などに委託して実施する訓練です。施設内訓練ではカバーしきれない幅広い分野のコースが用意されており、オフィスワークやサービス業を目指す方に適しています。

代表的なコースとしては、パソコン事務や簿記、Webデザイン、プログラミングといったIT系、介護職員初任者研修や医療事務といった福祉・医療系、さらに保育士や社会福祉士などの資格取得を目指す長期コースもあります。

訓練期間はコースによってさまざまで、2〜3ヶ月の短期コースから1〜2年の長期高度人材育成コースまで幅広く設定されています。長期コースでは介護福祉士や保育士などの国家資格取得を目指すこともでき、未経験の分野にキャリアチェンジしたい方にとっては大きなチャンスとなるでしょう。

失業保険をもらいながら職業訓練を受ける条件

失業保険を受給しながら職業訓練を受けるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。「失業保険をもらっていれば誰でも受講できる」というわけではないため、事前にしっかり確認しておきましょう。

条件は大きく分けて4つあります。失業保険の受給資格があること、給付残日数が一定以上残っていること、ハローワークに訓練の必要性を認めてもらうこと、そして選考試験に合格することです。

一つでも満たしていない場合は、職業訓練自体は受講できても失業保険の延長給付などの優遇措置が受けられなくなる可能性があります。それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。

失業保険の受給資格を満たしていること

職業訓練を受けながら失業保険をもらうための大前提として、そもそも失業保険の受給資格を満たしている必要があります。

失業保険を受給するには、離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが基本的な条件です。ただし、会社都合による解雇や倒産などの場合は、離職前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば対象となります。

加えて、ハローワークで求職の申込みを行い、「就職する意思と能力があるにもかかわらず就職できない状態(失業の状態)」にあると認定されていることも必要です。病気やけが、妊娠などですぐに働けない場合は失業保険の対象外となるため注意してください。

まだ失業保険の手続きをしていない方は、離職後に届く離職票を持参してハローワークで受給手続きを済ませましょう。受給手続きが完了していなければ、職業訓練の申込みに進むことができません。

給付残日数が3分の1以上残っていること

公共職業訓練を「受講指示」で受けるには、訓練開始日の時点で失業保険の給付残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている必要があります。この条件を満たすことで、給付期間の延長や給付制限の解除といった優遇措置が適用されます。

たとえば、所定給付日数が90日の方であれば、訓練開始日に残日数が31日以上必要です。150日の方であれば51日以上、240日の方であれば81日以上が目安となります。

ここで気をつけたいのが、訓練の「申込日」ではなく「開始日」の時点で残日数が判定されるという点です。職業訓練は申込みから開始まで1〜2ヶ月ほどかかるケースもあるため、給付日数に余裕をもって早めに行動することが重要です。

なお、残日数が3分の1を切っていても職業訓練そのものを受講できる場合はあります。ただしその場合は「受講推薦」という扱いになり、給付期間の延長が適用されなかったり、失業認定日にハローワークへ来所する必要が生じたりと、受講指示に比べて優遇が少なくなります。

ハローワークに訓練の必要性を認められること

職業訓練は希望すれば誰でも受けられるわけではなく、ハローワークの職業相談を通じて「この訓練が再就職のために必要である」と認めてもらう必要があります。

具体的には、ハローワークの窓口でキャリアコンサルティングを受け、これまでの職歴やスキル、希望する職種などをもとに、訓練の受講が就職に結びつくかどうかを判断されます。このとき、ジョブ・カードと呼ばれるキャリアシートを活用して職務経歴やスキルの棚卸しを行うのが一般的です。

認定を受けるうえで重要なのは、「なぜその訓練を受けたいのか」「訓練で身につけたスキルをどう就職に活かすのか」を明確に説明できることです。単に「時間があるから」「とりあえず何か学びたい」という理由では、訓練の必要性を認めてもらえない可能性があります。

また、過去1年以内に公共職業訓練を受講していないことや、過去に正当な理由なく訓練を中途退校していないことも条件に含まれます。ハローワークでの職業相談の際に、受講したいコースの内容や目指す就職先を具体的に伝えられるよう、あらかじめ準備しておきましょう。

選考試験(筆記・面接)に合格すること

ハローワークで訓練の必要性が認められた後は、希望するコースの選考試験を受けて合格する必要があります。職業訓練はコースごとに定員が設けられており、応募者全員が受講できるとは限りません。

選考の内容はコースによって異なりますが、一般的には筆記試験と面接の両方が実施されるケースが多いです。筆記試験では国語や数学の基礎的な学力を問う問題が出題されることが多く、面接では就職意欲や訓練への取り組み姿勢が確認されます。

面接で特に重視されるポイントは、「就職する意欲が十分にあるか」「訓練を最後までやり遂げられるか」「訓練内容が希望する就職先と結びついているか」の3点です。職業訓練はあくまで再就職のための制度であるため、就職への強い意志を示すことが合格への鍵となります。

人気のコースでは倍率が3〜5倍に達することもあり、一度の選考で合格できないケースも珍しくありません。もし不合格になった場合は、次回の募集を待って再応募するか、別のコースへの応募を検討する必要があります。受講を確実なものにするためにも、事前に過去の選考内容を調べ、面接の受け答えをしっかり準備しておくことをおすすめします。

失業保険×職業訓練で受け取れる手当と金額

失業保険を受給しながら職業訓練を受講する大きなメリットの一つが、複数の手当を受け取れることです。基本手当(失業保険)に加えて、訓練に通うための交通費や受講手当なども支給されるため、経済的な負担を抑えながらスキルアップに集中できます。

職業訓練中に受け取れる手当は、主に「基本手当」「受講手当」「通所手当」「寄宿手当」の4種類です。すべてを合算すると、訓練を受けない場合と比べて月に数万円ほど多く受け取れるケースもあります。

ここでは、それぞれの手当の内容と具体的な支給額について詳しく解説します。自分がいくらもらえるのか、しっかり把握しておきましょう。

基本手当(失業保険)は訓練中も満額支給

職業訓練を受講している間も、失業保険の基本手当は満額そのまま支給されます。訓練に通うことで金額が減ったり、支給が一時停止したりすることはありません。

基本手当の日額は、退職前6ヶ月間の給与をもとに算出されます。計算方法は、退職前6ヶ月の給与総額を180で割った「賃金日額」に、50〜80%の給付率を掛けて求められます。年齢や賃金日額によって給付率は変動しますが、一般的に賃金日額が低い方ほど給付率が高くなる仕組みです。

たとえば、退職前の月給が約25万円だった場合、賃金日額はおよそ8,333円、基本手当日額は約5,500〜5,800円程度が目安となります。これが職業訓練中の毎日に対して支給されるため、月額に換算すると約16万〜17万円ほどになる計算です。

さらに、職業訓練を受講指示で受けている場合は「訓練延長給付」が適用されます。通常の給付日数が終了しても訓練修了日まで支給が延長されるため、結果として受け取れる基本手当の総額が大きく増えることになります。

受講手当は1日500円(最大40日分)

受講手当は、職業訓練を受講した日に対して1日あたり500円が支給される手当です。支給上限は40日分と定められており、最大で合計20,000円を受け取ることができます。

この手当はもともと訓練中の昼食代として支給されていたものですが、2012年4月の法改正以降、教科書購入の補助費という位置づけに変わっています。金額としては決して大きくはないものの、テキスト代などの自己負担分を補うことができるため、地味ながらありがたい手当です。

受講手当は訓練初日から一括でまとめて支給されるわけではなく、1ヶ月ごとに実際の受講日数に応じて支給されます。支給を受けるためには、失業認定日にハローワークで必要書類を提出する手続きが必要です。

注意点として、40日分の上限に達した時点で支給は終了します。たとえば3ヶ月(約60日)の訓練を受講する場合、後半の約20日分については受講手当の対象外となります。訓練期間が長いコースを受講する方は、この点をあらかじめ把握しておきましょう。

通所手当(交通費)は月額最大42,500円

通所手当は、自宅から訓練施設まで通うための交通費として支給される手当です。公共交通機関を利用する場合は実費が、自動車やバイクで通所する場合は距離に応じた金額がそれぞれ支給され、月額の上限は42,500円となっています。

電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合、最も経済的かつ合理的な経路の運賃が支給対象となります。通勤定期券の金額をもとに計算されるケースが一般的です。

自動車やバイクで通所する場合は、自宅から訓練施設までの距離に応じて支給額が決まります。片道の通所距離が2km未満の場合は原則として支給対象外となるため注意が必要です。

この通所手当があることで、自宅から離れた訓練施設に通う場合でも交通費の心配がほとんどなくなります。特に地方にお住まいの方は車での通所になることも多いため、事前にハローワークで自分の通所手段が支給対象になるか確認しておくと安心です。

寄宿手当は月額10,700円

寄宿手当は、職業訓練を受講するために家族と別居して寄宿(下宿や一人暮らしなど)しなければならない場合に支給される手当です。支給額は月額10,700円で、該当する月ごとに受け取ることができます。

この手当が支給されるのは、自宅から通所することが困難であり、やむを得ず訓練施設の近くに住居を移す必要があるとハローワークが認めた場合に限られます。具体的には、通所時間が往復でおおむね4時間以上かかるケースなどが該当することが多いです。

単に「一人暮らしをしたい」「通いやすい場所に住みたい」という理由だけでは支給対象にはなりません。あくまで訓練を受けるうえで通所が著しく困難であり、家族と別居する合理的な理由が必要です。

職業訓練で失業保険が延長・前倒しになる仕組み

失業保険を受給しながら職業訓練を受ける最大のメリットは、手当の金額が増えることだけではありません。給付日数の延長や、給付制限期間の解除といった優遇措置が適用される点も非常に大きな魅力です。

通常であれば決められた日数で終了する失業保険が、職業訓練を受講することで訓練修了日まで延長されたり、自己都合退職による給付制限がなくなって受給開始が早まったりします。これらの仕組みを正しく理解しておくことで、職業訓練の恩恵を最大限に活かすことができます。

ここでは、職業訓練によって失業保険がどのように延長・前倒しになるのか、具体的なシミュレーションも交えながら解説します。

訓練延長給付で給付日数を延長できる

訓練延長給付とは、職業訓練の受講期間中に失業保険の所定給付日数が終了しても、訓練修了日まで給付を延長できる制度です。ハローワークの「受講指示」を受けて職業訓練に通っている場合に適用されます。

たとえば、失業保険の所定給付日数が90日の方が、6ヶ月間(約180日)の職業訓練を受講したとします。通常であれば90日で給付は終了しますが、訓練延長給付が適用されることで、訓練が終わる180日目まで基本手当を受け取り続けることができるのです。

この延長給付があるからこそ、給付日数が短い方でも経済的な不安を感じることなく、長期間の職業訓練に集中できます。特に自己都合退職で所定給付日数が90日しかない方にとっては、受給額を大幅に増やせる可能性がある非常に有利な制度です。

ただし、訓練延長給付を受けるには、訓練開始日の時点で給付残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている必要があります。残日数が不足している場合は延長給付の対象外となるため、訓練の申込みはできるだけ早い段階で進めることが大切です。

延長給付の具体的なシミュレーション例

訓練延長給付によって受給額がどれくらい変わるのか、具体的な数字で確認してみましょう。

ここでは、自己都合退職で所定給付日数が90日、基本手当日額が5,500円の方が、6ヶ月間(180日)の公共職業訓練を受講指示で受けた場合を例にします。

職業訓練を受講しない場合、受け取れる基本手当の総額は5,500円×90日=495,000円です。一方、訓練延長給付が適用された場合は、5,500円×180日=990,000円となります。その差額は495,000円にのぼり、同じ基本手当日額でも受給総額がおよそ2倍に増える計算です。

さらに、この期間中は受講手当(1日500円×最大40日=20,000円)や通所手当(交通費)も別途支給されます。すべてを合算すると、訓練を受けない場合に比べて50万円以上多く受け取れるケースも十分にあり得ます。

給付制限期間が解除され受給が早まる

自己都合で退職した場合、失業保険には原則として7日間の待機期間に加えて1ヶ月間の給付制限期間が設けられています。つまり、ハローワークで手続きをしてから実際に失業保険を受け取り始めるまでに、1ヶ月以上のブランクが生じるのが通常です。

しかし、職業訓練を受講指示で受ける場合、この給付制限期間が訓練開始日の前日までに短縮されます。訓練が始まった時点で制限が解除され、すぐに基本手当の支給がスタートするのです。

これは自己都合退職者にとって非常に大きなメリットです。通常であれば1ヶ月以上は無収入の期間が発生しますが、職業訓練の開始によってその期間を大幅に縮めることができます。退職後の収入の空白期間をできるだけ短くしたい方にとっては、職業訓練を受講する十分な理由になるでしょう。

ただし、給付制限の解除はあくまで「受講指示」を受けた場合に適用されるものです。受講推薦や支援指示の場合は扱いが異なることがあるため、ハローワークで自分がどの区分に該当するのかを必ず確認しておいてください。

失業認定日のハローワーク来所が不要になる

通常、失業保険を受給している方は4週間に1度の「失業認定日」にハローワークへ出向き、求職活動の実績を報告しなければなりません。この手続きを怠ると、その期間の基本手当が支給されなくなってしまいます。

ところが、受講指示を受けて職業訓練に通っている場合は、訓練に出席していること自体が求職活動の実績として認められます。そのため、通常の受給者のように4週ごとにハローワークへ足を運んで求職活動報告を行う必要がなくなるのです。

これにより、訓練期間中は学習に集中できる環境が整います。定期的にハローワークへ通う時間や手間がなくなるため、訓練の授業を休む必要もありません。

ただし、ハローワークへの来所が完全にゼロになるわけではない点は覚えておきましょう。訓練期間中であっても、手続き上の確認や指定来所日が設けられるケースはあります。また、運用は訓練の種類や地域によって異なる場合があるため、具体的なスケジュールについては訓練開始時にハローワークの担当者に確認しておくと安心です。

失業保険で職業訓練を受ける手続きの流れ

失業保険をもらいながら職業訓練を受けるためには、ハローワークでの手続きを正しい順序で進める必要があります。手続きの流れを把握していないと、希望する訓練の募集時期を逃してしまったり、給付残日数が足りなくなってしまったりする可能性もあるため注意が必要です。

手続きは大きく4つのステップに分かれます。求職申込みと失業保険の受給手続き、職業相談でのコース決定、受講申込書の提出と選考試験、そして受講指示を受けての訓練開始です。

申込みから訓練開始までには1〜2ヶ月ほどかかるのが一般的です。退職後にスムーズに訓練を開始できるよう、全体の流れを事前に把握しておきましょう。

ハローワークで求職申込みと受給手続きをする

職業訓練を受けるための最初のステップは、住所地を管轄するハローワークで「求職の申込み」と「失業保険の受給手続き」を行うことです。この手続きを済ませていなければ、職業訓練の申込みに進むことはできません。

ハローワークへ行く際には、会社から届いた離職票(離職票-1および離職票-2)のほか、マイナンバーカードや身分証明書、証明写真、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードなどを持参します。必要書類が不足していると手続きが進められないため、事前にハローワークのホームページで確認しておくとスムーズです。

窓口で求職申込みを行うと、ハローワークから「受給資格者証」が交付されます。これが失業保険を受給する際に必要となる重要な書類です。同時に、7日間の待機期間が開始されます。

この段階で、職業訓練に興味があることを窓口の担当者に伝えておきましょう。早い段階で意思表示をしておくことで、訓練に関する案内や募集情報をスムーズに受け取ることができます。

職業相談で受講コースを決定する

求職申込みが完了したら、次はハローワークの職業相談を通じて受講するコースを決めていきます。自分に合ったコースを選ぶための大切なステップです。

職業相談では、担当の相談員にこれまでの職歴や保有スキル、今後希望する職種などを伝え、キャリアコンサルティングを受けます。このとき「ジョブ・カード」と呼ばれるキャリアシートを活用し、自分の経験やスキルの棚卸しを行うのが一般的です。

相談の結果をもとに、相談員から適切な訓練コースの提案を受けることができます。自分で受講したいコースが決まっている場合でも、そのコースが就職に結びつく内容であるか、開講時期が給付残日数と合っているかなどを相談員と一緒に確認しましょう。

なお、開講中のコースや今後募集が始まるコースの情報は、ハローワーク窓口のほか、ハローワークインターネットサービスの職業訓練検索ページでも確認できます。人気のコースは募集開始からすぐに定員に達することもあるため、こまめに情報をチェックしておくことが大切です。

受講申込書を提出し選考試験を受ける

受講するコースが決まったら、ハローワークの窓口で受講申込書を受け取り、必要事項を記入して提出します。申込書はハローワークを通じて訓練実施機関に提出されるため、直接訓練校に申し込むわけではありません。

受講申込書には、志望動機や受講を希望する理由を記入する欄があります。ここに書く内容は選考にも影響するため、「なぜこの訓練が必要なのか」「訓練で得たスキルをどのように就職に活かすのか」を具体的に記入しましょう。漠然とした理由では選考で不利になる可能性があります。

申込書の提出後、訓練実施機関が定める日程で選考試験が実施されます。選考内容はコースによって異なりますが、筆記試験と面接が行われるケースが多いです。筆記試験は国語や数学の基礎問題が中心で、面接では就職意欲や訓練へのやる気が問われます。

募集の締切から選考日までは2〜3週間程度、選考から合格発表まではさらに1〜2週間程度かかるのが一般的です。合格発表後、訓練開始日までの間に入校手続きが行われます。

受講指示を受けて訓練を開始する

選考試験に合格したら、訓練開始日の前にハローワークで「受講指示」を受けます。この受講指示を受けることが、失業保険の延長給付や給付制限の解除といった優遇措置の適用条件となるため、非常に重要な手続きです。

受講指示を受ける際には、ハローワーク窓口で受給資格者証や合格通知書などの書類を持参し、訓練受講に関する説明を受けます。この場で、訓練期間中の失業保険の支給スケジュールや、受講手当・通所手当の手続き方法についても案内されます。

受講指示が出されたら、いよいよ訓練開始です。訓練開始日からは基本手当の支給が始まり、自己都合退職で給付制限中の方はこの日をもって制限が解除されます。

訓練が始まった後は、原則として訓練実施日の8割以上の出席が求められます。正当な理由のない欠席が続くと、失業保険の支給停止や訓練の打ち切りにつながるおそれがあるため注意してください。やむを得ず欠席する場合は、必ず訓練校とハローワークの両方に連絡を入れましょう。

訓練期間中は学習に集中しつつも、訓練終了後の就職活動を見据えて準備を進めていくことが大切です。訓練校でも就職支援が行われるケースが多いので、積極的に相談しながら再就職を目指していきましょう。

まとめ:失業保険と職業訓練を活用してお得にスキルアップしよう

失業保険を受給しながら職業訓練を受けることで、経済的な不安を軽減しつつ再就職に必要なスキルを無料で身につけることができます。本記事の内容を改めて振り返っておきましょう。

失業期間は不安を感じやすい時期ですが、職業訓練を上手に活用すれば、収入を確保しながら新たなキャリアへの一歩を踏み出すことができます。

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この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。バックオフィス部門も統括。入社・退職時の年金、健康保険、雇用保険、年末調整などを行なっています。

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