「失業保険はいつからもらえる?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では法改正内容を踏まえ、受給開始までの期間や条件、手続きの流れ、受給額の計算方法まで徹底解説します。
失業保険はいつからもらえる?受給開始までの期間

失業保険(雇用保険の基本手当)をもらえるタイミングは、退職理由によって大きく異なります。
会社都合で退職した場合は、7日間の待期期間の翌日から、失業保険の受給期間のカウントが始まります。一方で自己都合退職の場合は、待期期間に加えて「給付制限期間」が発生するため、実際に手当を受け取れるまでに時間がかかります。
2025年4月の法改正により、自己都合退職者の給付制限期間が短縮されました。これまで、自己都合で退職した場合は、7日間の待機期間に加え、2ヶ月間の給付制限期間がありました。しかし2025年4月の改正雇用保険法の施行により、この制限期間が1ヶ月に短縮されました。
つまり、現在の制度では以下のスケジュール感となります。
- 会社都合退職:ハローワークへの申請後、約2〜3週間で初回の失業手当を受給
- 自己都合退職:ハローワークへの申請後、約1ヶ月半〜2ヶ月で初回の失業手当を受給
ここからは、退職理由ごとの受給開始時期について詳しく解説していきます。
自己都合退職の場合:2ヶ月の給付制限あり
自己都合退職とは、転職や結婚、引っ越しなど、自分の都合で会社を辞めた場合を指します。
会社を自己都合で退職した場合、雇用保険(基本手当)の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から1か月間雇用保険(基本手当)を受給できない期間があり、これを「給付制限」といいます。
具体的なスケジュールを見てみましょう。例えば、2025年4月1日に自己都合で退職し、同日に離職票を提出して求職申し込みを行った場合、4月1日から7日間(4月7日まで)が待機期間です。その後の給付制限期間は1ヵ月間(5月7日まで)となり、5月8日から失業手当の支給が始まります。
会社都合退職の場合:7日後から受給可能
会社都合退職とは、倒産やリストラ、解雇など、会社側の事情によって退職を余儀なくされた場合を指します。
会社都合退職の場合、ハローワークでの手続き後、7日間の待期期間が経過すれば給付が始まります。自己都合退職のような給付制限期間がないため、より早く失業手当を受け取ることができます。
会社都合による退職の場合、7日間の待期期間満了の翌日から支給の対象日になります。
実際の流れとしては、ハローワークで求職申し込みを行い、7日間の待期期間が経過した後、最初の「失業認定日」に失業状態であることが認定されると、失業の認定を受けた日から5営業日程度で指定の口座に振り込まれます。
会社都合退職は、失業保険の給付開始が早いだけでなく、受給できる日数(所定給付日数)も自己都合退職より長く設定されています。会社都合退職の場合、失業保険がもらえる日数は最低90日、最大で330日です。
待期期間7日間は全員に適用される
「待期期間」とは、ハローワークに求職の申し込みをしてから7日間の期間のことで、退職理由に関わらず全員に適用されます。
失業保険の待機期間は、自己都合退職、会社都合退職に関わらず、7日間です。待機期間は失業状態であることを確認するために設けられています。また、待機期間中は失業手当は支給されません。
この7日間のカウント方法についても押さえておきましょう。受給資格決定日とは、ハローワークに行き求職申し込みをおこない、雇用保険被保険者離職票を提出した日です。失業保険の正確な待期期間の日数は、失業保険受給申請をした日を入れて土曜日、日曜日、祝日を含む7日間です。
待期期間中の注意点として、アルバイトなどの就労は避けるべきです。待期期間中にアルバイトをした場合、その人は「失業」した状態ではなくなってしまうため、アルバイトをした日数分、手当の支給が遅れることになります。
つまり、待期期間中に1日でも働いてしまうと、その分だけ待期期間が延長され、失業保険の受給開始が遅れてしまいます。退職後は、まず7日間の待期期間を無事に満了させることが最優先です。
退職理由別|失業保険の受給開始時期一覧

失業保険の受給開始時期は、退職理由によって大きく変わります。ここでは、4つの退職パターン別に受給開始までのスケジュールを一覧でまとめました。
| 退職理由 | 待期期間 | 給付制限 | 受給開始の目安 |
|---|---|---|---|
| 自己都合退職 | 7日間 | 1ヶ月 | 約1.5〜2ヶ月後 |
| 会社都合退職 | 7日間 | なし | 約2〜3週間後 |
| 特定理由離職者 | 7日間 | なし | 約2〜3週間後 |
| 懲戒解雇(重責解雇) | 7日間 | 3ヶ月 | 約3.5ヶ月後 |
それぞれの退職理由について、詳しく見ていきましょう。
自己都合退職(一般的な転職・退職)
自己都合退職とは、転職、結婚、引っ越し、人間関係など、自分自身の都合で会社を辞めるケースを指します。日本の退職理由のなかで最も多いパターンです。
自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて「給付制限期間」が発生します。2025年4月の法改正により、これまで自己都合で退職した場合は7日間の待機期間に加え2ヶ月間の給付制限期間がありましたが、2025年4月の改正雇用保険法の施行により、この制限期間が1ヶ月に短縮されました。
ただし、繰り返し自己都合で退職している場合は注意が必要です。退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由無く自己都合退職し受給資格決定を受けた場合、給付制限は3か月となります。
また、自己都合退職であっても給付制限が免除されるケースがあります。自己都合による退職者が離職期間中や離職日前1年以内に、自身の雇用の安定や再就職に役立つ教育訓練等を受けた場合、給付制限期間が解除され、7日間の待機期間を終えた後から基本手当の受給が可能となります。
会社都合退職(倒産・リストラ・解雇)
会社都合退職とは、会社の倒産、事業縮小によるリストラ、整理解雇など、会社側の事情によって退職を余儀なくされたケースです。このような退職者は「特定受給資格者」として扱われ、失業保険において手厚い保護を受けられます。
特定受給資格者とは、会社都合で解雇や倒産により離職した人を指し、失業手当を通常より有利な条件で受け取れます。
会社都合退職の最大のメリットは、給付制限期間がないことです。7日間の待期期間が終われば、すぐに失業保険の受給対象期間に入ります。
また、会社都合退職は所定給付日数(失業保険をもらえる最大日数)も自己都合退職より長く設定されています。会社都合退職の場合、失業保険がもらえる日数は最低90日、最大で330日です。これに対し、自己都合退職は最大でも150日までとなっています。
なお、自分で退職を申し出た場合でも、パワハラや長時間労働など、退職の原因が会社側にあると認められれば、ハローワークの判断で「特定受給資格者」として扱われる可能性があります。
特定理由離職者(病気・介護・契約満了など)
特定理由離職者とは、契約満了や家庭の事情・健康上の理由など、やむを得ない事情で退職した人を指し、通常の自己都合退職よりも有利な条件で失業保険を受け取れます。
特定理由離職者に該当する主なケースは以下のとおりです。
- 有期労働契約の期間満了で、更新を希望したにもかかわらず契約が更新されなかった場合
- 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などにより離職した場合
- 妊娠、出産、育児等により離職し、受給期間延長措置を受けた場合
- 父母の死亡、疾病、負傷等のため、父母を扶養するために離職した場合
- 配偶者または扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難になった場合
- 通勤が不可能または困難になった場合
特定理由離職者の大きなメリットは、給付制限がないことです。特定理由離職者には、給付制限期間がありません。7日間の待期期間ののち、約5営業日後に失業手当が振り込まれます。
また、受給資格の要件も緩和されています。通常は被保険者期間が12か月以上(離職以前2年間)必要なところ、特定理由離職者は6ヶ月以上(離職以前1年間)で足ります。
特定理由離職者として認められるかどうかはハローワークが判断するため、該当すると思われる場合は、診断書や証明書類を用意して早めに相談することをおすすめします。
懲戒解雇の場合の受給開始時期
懲戒解雇された場合でも、失業保険を受給することは可能です。ただし、「重責解雇」に該当するかどうかで、受給条件が大きく変わります。
同じ「懲戒解雇」でも、雇用保険上は重責解雇(=労働者の重大な責めに帰す理由による解雇)に該当するかどうかで、失業保険の取り扱いが大きく変わります。
重責解雇に該当する場合
重責解雇の場合には、7日の待期期間の後に、3か月間の給付制限期間があります。そのため、受給を開始できるのは、これらの期間の後になります。
重責解雇に該当するケースとしては、刑法違反により処罰を受けた場合、故意または重過失により会社に損害を与えた場合、会社の機密を漏らした場合などが挙げられます。
重責解雇に該当しない場合
重責解雇に該当しない懲戒解雇は、会社都合(特定受給資格者)と同じ扱いなので、給付制限なしで支給開始、所定給付日数も会社都合側と同じになります。
つまり、懲戒解雇であっても重責解雇に該当しなければ、7日間の待期期間後すぐに失業保険を受給できる可能性があります。
懲戒解雇は会社の就業規則に基づく処分名、重責解雇は雇用保険で給付の可否・条件を判断するための区分(ハローワークが離職票の内容等から判断)のため、名称が同じでも、雇用保険上の扱いは別物です。
失業保険を受給するための4つの条件

失業保険(基本手当)を受給するためには、退職しただけでは不十分です。法律で定められた4つの条件をすべて満たす必要があります。
雇用保険(基本手当)は、失業された方が安定した生活を送りつつ、1日も早く就職していただくために給付するものです。
具体的には、以下の4つの条件を満たしていることが求められます。
- 雇用保険の加入期間を満たしている
- 働く意思と能力がある
- 求職活動を行っている
- ハローワークで求職の申し込みをしている
1つでも条件を満たしていなければ、失業保険は受給できません。それぞれの条件について詳しく解説していきます。
雇用保険の加入期間を満たしている
失業保険を受給するためには、一定期間以上、雇用保険に加入していた実績が必要です。
雇用保険の基本手当の受給資格は、原則として、離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要となります。ただし、倒産・解雇等の理由により離職した場合、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した場合は、離職前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上必要です。
退職理由別の必要加入期間をまとめると、以下のようになります。
| 退職理由 | 必要な加入期間 |
|---|---|
| 自己都合退職(一般離職者) | 離職前2年間に12ヶ月以上 |
| 会社都合退職(特定受給資格者) | 離職前1年間に6ヶ月以上 |
| 特定理由離職者 | 離職前1年間に6ヶ月以上 |
なお、被保険者期間の計算には、いくつかポイントがあります。まず、「1ヶ月」と認められるのは、賃金の支払い基礎となった日数が11日以上ある月、または労働時間が80時間以上ある月です。
過去に複数の会社で働いていた場合、それぞれの雇用保険加入期間を通算できます。ただし、前職との間に1年以上のブランクがあったり、前職退職時に失業保険を受給していた場合は通算できないため注意が必要です。
働く意思と能力がある
失業保険は「働きたいけれど仕事が見つからない人」を支援するための制度です。そのため、「働く意思」と「働く能力」の両方が求められます。
失業の状態とは、次の条件を全て満たす場合のことをいいます。積極的に就職しようとする意思があること。いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること。積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと。
つまり、以下のような状況では「失業状態」とは認められず、失業保険を受給できません。
- 病気やけがで療養中であり、すぐに働けない
- 妊娠・出産・育児のため、当面は働けない
- 定年退職後しばらく休養したい
- 結婚して家事に専念する予定
- 学業に専念する
- すでに就職が内定している
ただし、病気・けが・妊娠・出産・育児などの理由で働けない場合は、「受給期間の延長」を申請することで、働ける状態になってから失業保険を受給できる仕組みがあります。最大で4年間まで延長可能ですので、該当する方はハローワークに相談してみてください。
求職活動を行っている
失業保険を継続して受給するためには、積極的に求職活動を行い、その実績をハローワークに報告する必要があります。
基本手当の支給を受けるためには、前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間(認定対象期間)中に、求職活動実績として認められる活動を、原則として最低2回以上行うことが必要となります。
求職活動実績として認められる主な活動は以下のとおりです。
- ハローワークでの職業相談・職業紹介
- ハローワークが実施するセミナーへの参加
- 求人への応募(ハローワーク、転職サイト、転職エージェント経由など)
- 民間の転職エージェントでの職業相談
- 企業説明会・転職フェアへの参加
- 再就職に資する国家資格試験の受験
初回認定日は会社都合で失業した場合に限り、認定日までの求職活動実績が1回でも問題ありません。一方で、2回目の認定日は原則として2回以上の求職活動実績が必要となり、認定日も4週間ごとに設定されるのが大きな違いです。
なお、単に求人情報を見るだけでは求職活動実績としては認められません。実際に応募するか、職業相談を受けるなど、具体的なアクションを起こす必要があります。
ハローワークで求職の申し込みをしている
失業保険を受給するためには、必ずハローワークで「求職の申し込み」を行う必要があります。これが受給手続きのスタートとなります。
失業手当(失業給付金)を受け取るには、ハローワークで求職の申し込みを行い、失業状態であることが条件です。
求職の申し込みには、以下の書類を準備してハローワークに持参します。
- 離職票-1、離職票-2(退職後に会社から届く)
- 雇用保険被保険者証
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 証明写真(縦3cm×横2.4cm)2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
ハローワークで求職の申し込みを行うと、「受給資格の決定」がなされます。7日間の待機期間を経たあとに雇用保険受給説明会に出席し、雇用保険受給資格者証を受け取ります。
その後は、4週間ごとに設定される「失業認定日」にハローワークへ出向き、失業状態であることの認定を受けることで、失業保険が支給される仕組みになっています。
手続きが遅れると、その分だけ受給できる期間が短くなる可能性があるため、離職票が届いたら早めにハローワークで手続きを行うことをおすすめします。
失業保険の受給開始までの手続きの流れ

失業保険を受給するためには、退職後にいくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、必要書類の準備から実際に口座に振り込まれるまでの流れを、5つのステップで詳しく解説します。
手続きが遅れると、その分だけ受給開始も遅くなります。離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークで手続きを行いましょう。
ステップ1:必要書類を準備する
失業保険の申請には、以下の書類が必要です。退職後すぐに手続きできるよう、事前に準備しておきましょう。
会社から届く書類
- 雇用保険被保険者離職票-1
- 雇用保険被保険者離職票-2
- 雇用保険被保険者証
離職票とは、離職したことを証明する公的文書で、「雇用保険被保険者離職票ー1」と「雇用保険被保険者離職票ー2」の2種類があります。失業手当の受給申請には両方とも必要です。退職後に発行される書類のため、退職日から1週間〜2週間程度で会社から郵送または手渡しで受け取れます。
自分で準備する書類
- マイナンバーカード(または個人番号確認書類+本人確認書類)
- 証明写真(縦3cm×横2.4cm)2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
マイナンバーカードや通知カードが手元にない場合は、個人番号が記載された住民票の写し(住民票記載事項証明書)でも問題ありません。ただし、通常の住民票の写しには個人番号の記載がないので、「個人番号あり」で請求する必要があります。
離職票を受け取ったら、記載されている「離職理由」が自分の認識と合っているかを必ず確認してください。離職理由は、給付制限の有無や所定給付日数に直接影響する重要な項目です。
ステップ2:ハローワークで求職申し込み
必要書類が揃ったら、住所地を管轄するハローワークに行き、「求職の申し込み」と「離職票の提出」を行います。この日が「受給資格決定日」となります。
当日の流れは以下のとおりです。
- 窓口で離職票と必要書類を提出する
- ハローワーク職員と面談を行い、離職理由や就職活動の意思を確認される
- 受給資格が決定される
- 7日間の待期期間が開始される
- 雇用保険説明会の日程が通知される
ハローワークにおいて、事実関係を調査のうえ、離職理由を判定します。
離職票に記載された離職理由に異議がある場合は、この面談の際に申し出ることができます。ハローワークが事実確認を行い、最終的な離職理由を判定します。
受給資格決定日から7日間は「待期期間」となり、この間は失業保険が支給されません。待期期間中はアルバイトなどの就労も避けるようにしましょう。
ステップ3:雇用保険説明会に参加する
待期期間(7日間)が終了した後、ハローワークで開催される「雇用保険受給者説明会(初回説明会)」に参加します。
受給説明会では、雇用保険の受給について重要な事項の説明を行いますので、説明をよく聞いて、制度を十分理解してください。また、「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」をお渡しし、第一回目の「失業認定日」をお知らせします。
説明会で配布される書類は以下のとおりです。
- 雇用保険受給資格者証:受給資格を証明する書類。基本手当日額や所定給付日数が記載されている
- 失業認定申告書:認定日に提出する書類。求職活動実績などを記入する
雇用保険受給者初回説明会に必ず参加するのも、失業保険を確実に受給するために不可欠です。この説明会に参加しないと、「雇用保険受給資格者証」や「失業認定申告書」など、受給に必要な書類が交付されず、失業保険の支給手続が進まなくなってしまいます。
また、説明会への参加自体が「求職活動実績」としてカウントされるため、初回認定日に必要な実績1回分を満たすことができます。
ステップ4:失業認定日にハローワークへ
失業保険を受給するためには、4週間に1度の「失業認定日」にハローワークへ出向き、失業状態であることの認定を受ける必要があります。
原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行います。指定された日に管轄のハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出してください。
認定日には以下のものを持参します。
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書(求職活動実績を記入済みのもの)
- 印鑑(必要な場合)
失業認定を受けるためには、認定対象期間(前回の認定日から今回の認定日の前日まで)に、原則2回以上の求職活動実績が必要です。初回認定日のみ、1回以上の実績で認められます。
認定日に出席しなかったり、求職活動実績が不足していたりすると、その期間の失業保険は支給されません。認定日は必ず守り、計画的に求職活動を行いましょう。
ステップ5:口座に振り込まれるまでの日数
失業認定を受けると、数日後に指定した銀行口座に失業保険が振り込まれます。
失業保険の振込は、多くの場合、失業認定日から2~3営業日以内に行われます。雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり(厚生労働省)では、失業認定日から1週間以内と記載されていますが、実際の事務処理はより迅速に行われることが多い傾向です。
振込までの目安は以下のとおりです。
- 会社都合退職の場合:受給資格決定日から約4週間後に初回振込
- 自己都合退職の場合:受給資格決定日から約1.5〜2ヶ月後に初回振込(給付制限1ヶ月を含む)
通知された第1回目の失業認定日にハローワークに出向き、失業状態にあるかどうかのチェックを受けます。第1回目の失業認定日はハローワークから指定されますが、受給資格決定から約1か月後となります。失業認定を受けると、数日から1週間程度で失業手当が口座に振り込まれます。
初回の振込金額は、待期期間(7日間)が支給対象外となるため、2回目以降より少なくなることが多いです。2回目以降は、認定日ごとに28日分(前回認定日から今回認定日の前日まで)が支給されます。
なお、ゆうちょ銀行は他の金融機関に比べて振込が遅くなる傾向があるため、急ぎの場合は他の銀行口座を指定することをおすすめします。
失業保険の受給期間と金額の目安

失業保険(基本手当)を受給できる日数や金額は、離職理由や年齢、雇用保険の加入期間などによって異なります。ここでは、自分がどのくらいの期間、いくら受給できるのかを具体的に解説します。
受給前に目安を知っておくことで、退職後の生活設計を立てやすくなります。
受給期間は90日〜330日|年齢と勤続年数で決まる
失業保険を実際に受け取れる日数を「所定給付日数」といいます。この日数は、離職した日の年齢、雇用保険に加入していた期間、離職理由などによって90日~360日の間で決まります。
所定給付日数は、離職理由によって大きく2つのパターンに分かれます。
自己都合退職・定年退職の場合(一般の離職者)
自己都合退職の場合、所定給付日数は年齢に関係なく、雇用保険の加入期間のみで決まります。
| 雇用保険の加入期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年以上5年未満 | 90日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
自己都合退職の場合は離職時の年齢による給付日数の変動はなく、被保険者期間のみで決定されます。最長でも150日(約5ヶ月)が上限となります。
会社都合退職の場合(特定受給資格者・特定理由離職者)
倒産や解雇などの会社都合で離職した場合は、年齢と加入期間の両方によって所定給付日数が決まります。自己都合退職よりも手厚い日数が設定されています。
| 離職時の年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
会社都合による離職の場合は、自己都合離職と比較して、多くのケースで給付日数が長くなっています。特に45歳以上で被保険者期間が長い方の場合、最大で330日以上もの期間、失業保険を受け取ることが可能です。
なお、失業保険を受給できる期間は原則として離職した日の翌日から1年間です。受給期間を過ぎると、所定給付日数分の受給が終わっていなくても、それ以降の失業保険は受け取れません。手続きが遅れると損をする可能性があるため、離職後は早めにハローワークで申請しましょう。
1日あたりの支給額(基本手当日額)の計算方法
失業保険の1日あたりの支給額を「基本手当日額」といいます。基本手当日額は、賃金日額のおよそ50〜80%(60歳〜64歳は45〜80%)で、賃金の低い方ほど高い率となっています。
基本手当日額の計算式
賃金日額 = 離職日の直前6ヶ月間に支払われた賃金(賞与等を除く)÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)
たとえば、離職前6ヶ月間の賃金合計が180万円の場合、賃金日額は180万円÷180=10,000円となります。これに給付率をかけて基本手当日額が算出されます。
【2025年8月1日改定】基本手当日額の上限額・下限額
基本手当日額には、年齢区分ごとに上限額が設けられています。今回の変更は、令和6年度の平均給与額が令和5年度と比べて約2.7%上昇したこと及び最低賃金日額の適用に伴うものです。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限額 |
|---|---|
| 29歳以下 | 7,255円 |
| 30歳以上44歳以下 | 8,055円 |
| 45歳以上59歳以下 | 8,870円 |
| 60歳以上64歳以下 | 7,623円 |
基本手当日額の最低額は、年齢に関係なく2,411円です。
たとえば、29歳で賃金日額が17,000円の人は、上限額(14,510円)が適用され、2025年8月1日以降分の基本手当日額(1日あたりの支給額)は7,255円となります。
給付率は賃金日額が低いほど高くなる仕組みになっており、在職中の収入が少なかった人でも、生活に必要な一定額が確保されるよう設計されています。
失業保険の総支給額シミュレーション
失業保険の総支給額は、「基本手当日額 × 所定給付日数」で計算できます。
失業手当(失業保険)の給付額は自分でも計算することができますが、計算式が複雑で時間がかかる場合もあります。以下に、いくつかのパターンでシミュレーションを行います。
【ケース1】35歳・自己都合退職・勤続12年・月収30万円の場合
- 賃金日額:30万円×6ヶ月÷180日=10,000円
- 基本手当日額:約5,978円(給付率約60%として算出)
- 所定給付日数:120日(自己都合・加入期間10年以上20年未満)
- 総支給額:約71万7,360円
【ケース2】50歳・会社都合退職・勤続22年・月収40万円の場合
- 賃金日額:40万円×6ヶ月÷180日=13,333円
- 基本手当日額:約6,667円(給付率約50%として算出)
- 所定給付日数:330日(会社都合・45歳以上60歳未満・加入期間20年以上)
- 総支給額:約220万円
【ケース3】28歳・会社都合退職・勤続6年・月収25万円の場合
- 賃金日額:25万円×6ヶ月÷180日=8,333円
- 基本手当日額:約5,500円(給付率約66%として算出)
- 所定給付日数:120日(会社都合・30歳未満・加入期間5年以上10年未満)
- 総支給額:約66万円
上記はあくまで目安であり、実際の支給額は賃金日額の端数処理や給付率の適用により変動します。正確な金額を知りたい場合は、ハローワークに相談するか、厚生労働省が提供する計算ツールを活用してください。
また、失業保険を受給中に早期に再就職が決まった場合は、「再就職手当」を受け取れる可能性があります。所定給付日数の3分の1以上を残して再就職すると支給対象となるため、積極的に就職活動を行いましょう。
まとめ:失業保険の受給開始は退職理由で異なる!早めの手続きを

失業保険(雇用保険の基本手当)がいつからもらえるかは、退職理由によって大きく異なります。最後に、本記事の重要なポイントを振り返りましょう。
失業保険は、次の仕事が見つかるまでの生活を支える大切なセーフティネットです。制度を正しく理解し、早めの手続きと計画的な求職活動で、スムーズな再就職を目指してください。
