本記事では、退職後の傷病手当金を受給するための条件や申請手続き、必要書類、受給できなくなるケース、失業保険や障害年金との関係まで詳しく解説します。退職前に知っておくべきポイントを押さえて、療養に専念できる環境を整えましょう。
傷病手当金は退職後も継続受給できる

病気やケガで休職中に退職を検討する方にとって、退職後の収入は大きな不安要素です。結論から言えば、傷病手当金は一定の条件を満たすことで退職後も継続して受給できます。
この制度は「継続給付」と呼ばれ、健康保険法に基づいて設けられています。退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金を受けることができます。つまり、退職したからといって傷病手当金の受給権が消滅するわけではありません。
退職後に任意継続被保険者や国民健康保険に加入しても、退職前から継続している傷病であれば傷病手当金は受給できます。退職後の健康保険の加入先が変わっても、元の健康保険から継続して支給されるため、安心して療養に専念できます。
ただし、継続給付を受けるためには必ず満たさなければならない条件があります。退職前に準備しておくべきことも含め、以下で詳しく解説します。
退職後も受給できる2つの条件
退職後に傷病手当金を継続して受給するには、次の2点を満たしている場合に退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金を受けることができます。この2つの条件は両方とも満たす必要があり、どちらか一方でも欠けていると継続給付は認められません。
1.被保険者期間が継続して1年以上あること
1つ目の条件は、被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間があることです。
ここで注意したいのは「継続して」という点です。健保組合や協会けんぽへの加入期間が、退職日までに継続して1年以上あることが条件です。加入期間中に転職などで健保組合や協会けんぽに複数加入しても、退職日まで加入期間が継続していれば問題ありません。
たとえば、A社で8ヶ月勤務した後、1日も空けずにB社へ転職して4ヶ月勤務した場合、合計12ヶ月となり条件を満たします。ただし、任意継続被保険者、共済組合の組合員である被保険者又は国民健康保険に加入していた期間を除くため、これらの期間は通算できません。
転職の際に1日でも空白期間があると被保険者期間がリセットされてしまうため、退職前に自分の加入期間を必ず確認しておきましょう。
2.退職日に傷病手当金を受給中または受給要件を満たしていること
2つ目の条件は、資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていることです。
すでに傷病手当金を受給中の方は問題ありませんが、給与の支給があるために退職時に傷病手当金の支給申請をしていない場合でも、受給権自体は発生しています。傷病手当金が支給されなかったことは、給与(報酬)を受けていたことによって傷病手当金の受給権が停止されただけであって、消滅したわけではないからです。
特に重要なのは退職日当日の扱いです。退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。
退職後も傷病手当金を受給する予定ならば退職日の出勤はしないでください。事務手続きや会社にある私物整理のため、出社することは問題ありません。重要なのは「出勤扱いにしない」こと。そして出社したとしても仕事はしないことです。
引き継ぎなどがある場合は、退職日より前に済ませておくことが大切です。退職日に出勤してしまうと、それまで受給していた傷病手当金の継続給付を受けられなくなるため、この点は十分に注意してください。
退職後に受給できる期間と金額
退職後に受給できる期間は、在職中と同様に傷病手当金の支給期間は、支給が始まった日(支給開始日)から通算して1年6ヶ月が上限です。退職後もこの期間内であれば、支給が継続されます。
重要なのは、「退職日」からではなく「支給開始日」から通算して1年6ヶ月という点です。すでに1年間傷病手当金を受給してから退職した場合、退職後は残りの6ヵ月間のみ受給できます。
また、退職後の継続給付には在職中と異なる注意点があります。退職後の継続給付は断続しての受給はできません。1日でも「受給できない日」があれば、同一疾病で再び労務不能になったとしても、その後の傷病手当金は支給できません。「受給できない日」とは、「働いた日」「医師が労務不能と認めていない日」を指します。
支給金額については、退職後も在職時と同じ計算方法で算出されます。計算式は、支給開始日から遡って12ヵ月間の各標準報酬月額の平均額÷30日×2/3となる。なので、標準報酬月額が30万円の場合には1日当たりの手当金が6,667円。月あたりが20万円となる。
つまり、おおよそ給与の3分の2が支給される計算です。退職後も金額が変わることはないため、療養中の生活費の見通しを立てやすいでしょう。
なお、資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が老齢厚生年金等の老齢退職年金の受給者になったときは、傷病手当金が支給されません。ただし、年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、差額が支給されます。退職後に年金を受給している方は、この調整についても把握しておく必要があります。
退職後の傷病手当金申請に必要な手続き

退職後も傷病手当金を継続して受給するためには、適切な手続きが必要です。在職中は会社を通じて申請を行いますが、退職後の申請は、会社を介さず個人で行うため、書類の準備や提出などをすべて自分自身で行う必要があります。
手続きの流れ自体は在職中と大きく変わりませんが、退職後ならではの注意点があります。療養中で体調が優れない中での申請作業は負担になることもあるため、必要な書類や手順を事前に把握しておくことが大切です。
傷病手当金の時効期間は、支給対象日ごとに2年間となっています。そのため、支給対象日から2年間が経過した後は傷病手当金の申請ができなくなってしまうので注意しましょう。退職後に落ち着いてから申請することも可能ですが、時効には十分注意してください。
申請に必要な書類一覧
傷病手当金の申請には、傷病手当金支給申請書(被保険者記入用2枚、事業主記入用1枚、療養担当者記入用1枚)と、状況に応じた追加書類を準備しましょう。申請書は全部で4枚1組となっています。
退職後の申請で必要となる主な書類は以下のとおりです。
基本の申請書類
申請書、医師の意見書、健康保険資格喪失証明書(退職したことの証明)、その他健康保険組合が必要と認める書類などが求められる場合があります。健康保険資格喪失証明書は、退職時に会社から発行してもらうか、会社に依頼して発行してもらう必要があります。
退職後の申請で事業主証明が必要なケース
事業主の証明は必要ありませんが、申請期間に退職日が含まれる場合、退職日までの事業主の証明が必要です。つまり、退職日より後の期間のみを申請する場合は事業主証明が不要となります。
追加書類が必要となるケース
申請期間が資格喪失後で、老齢又は退職を事由とする公的年金を受給されている場合、年金額がわかるものが必要となります。老齢年金を受給している方は、年金証書の写しなどを添付する必要があります。
また、傷病手当金の申請期間の初日の属する月までの12ヵ月間に、勤務先が変更した場合もしくは、定年再雇用等で健康保険の記号番号が変更した場合、または退職後に任意継続被保険者になった場合は、下記の添付書類が必要です。
申請書は加入している健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)のウェブサイトからダウンロードするか、勤務先の人事・労務担当部署を通じて受け取るのが一般的です。退職前に申請書を入手しておくとスムーズに手続きを進められます。
申請書の書き方と記入例
申請書の記入は、在職時と基本的に同じですが、退職後ならではの注意点があります。
被保険者記入用(1・2枚目)の記入ポイント
退職後の申請の場合、在職時の被保険者証の記号・番号をご記入ください。被保険者記号・番号は引き続き同じ番号を記入してください。退職後に国民健康保険などに加入していても、傷病手当金の申請には在職時の記号・番号を使用します。
休職前の業務について、具体的にご記入ください。(事務員などではなく、経理事務、プログラマー、店舗接客など)退職後の申請の場合は、在職中の業務の内容をご記入ください。
振込先口座は本人名義の口座を記入します。振込先指定口座欄は、不正請求防止の観点から、受取代理人の欄が削除され、原則として申請者本人の普通預金口座を記入します。
療養担当者記入用(4枚目)の記入ポイント
主治医に記入してもらう書類です。労務不能の期間や傷病名などを医師が証明します。療養担当者記入用の記入を医師に依頼する際、診療の混雑状況によっては記入に時間がかかることがあります。早めに依頼しておくことをおすすめします。
事業主記入用(3枚目)について
退職後の申請で、申請期間に「会社に在籍していた日が含まれていない」場合には、事業主記入の3枚目は不要です。
退職日を含む期間を申請する場合のみ、退職日までの勤務状況や給与支払い状況について会社の証明が必要となります。退職直後の申請は、在職中の期間も支給対象に含まれるためです。
よくある記入ミスと対策
傷病手当金支給申請書をお返しする理由が多い項目として、以下のようなものがあります。
- 被保険者証の記号番号の記入誤り
- 振込先口座の記入不備
- 申請期間の記入漏れ
- 訂正時の押印忘れ
記入誤りを訂正した場合は、訂正箇所の近くに被保険者の押印、もしくは被保険者本人によるフルネームの署名をしていますか。訂正が必要な場合は、適切な方法で行いましょう。
退職後の申請先と提出方法
退職後の傷病手当金は、申請者の記入と医師の証明をいただき、当組合へ申請してください。提出先は、在職時に加入していた健康保険の保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)となります。
協会けんぽに加入していた場合
退職前に協会けんぽに加入していた方は、保険者が協会けんぽの場合は加入している支部宛てに会社経由または本人が郵送で行います。退職後は会社を経由せず、自分で直接郵送することになります。
協会けんぽの場合、審査の結果お支払い可能であれば、受付から10営業日以内にお支払いいたします。
健康保険組合に加入していた場合
健康保険組合に加入していた方は、退職前に加入していた組合に直接提出します。組合によって提出方法や審査期間が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
申請のタイミング
通常、在職時の申請は、1ヵ月以内に復帰できる場合は復職後に行い、1ヵ月を超える長期休業の場合は1ヵ月ごとに申請します。退職後も同様に、1ヶ月ごとに申請するのが一般的です。
申請期間は医師の証明をもらった後の期間でなければならないため、申請する期間が終わってから手続きを行います。
申請から支給までの期間
支給時期については、申請書類が健康保険組合に到着してから審査が完了し、振り込まれるまでに通常2週間~2ヶ月程度かかります。ただし、書類に不備があった場合、内容の確認に時間がかかる場合、申請が集中する時期などは、さらに時間がかかることもあります。
初めての申請や、複雑な病状の場合、退職後の申請などは、審査に時間がかかる傾向があります。申請からしばらく経っても連絡がない場合は、健康保険組合に問い合わせて状況を確認することができます。
不明な点がある場合は、遠慮なく健康保険組合に問い合わせて確認しましょう。退職後の手続きは自分一人で進める必要があるため、わからないことは早めに相談することが大切です。
退職後の傷病手当金が受給できなくなるケース

退職後も傷病手当金を継続して受給できる制度がある一方で、特定の条件に該当すると受給資格を失ってしまうケースがあります。せっかく受給できる権利があっても、知らずに行動してしまうと継続給付が打ち切られてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ここでは、退職後の傷病手当金が受給できなくなる代表的な3つのケースについて解説します。事前に把握しておくことで、受給資格を失わないよう対策を取ることができます。
退職日に出勤した場合は継続不可
退職後の傷病手当金受給において、最も見落としやすい注意点が「退職日の出勤」です。
退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。
たとえ長期間休職していて傷病手当金を受給していたとしても、「退職日に短時間でも出勤した」というケースでは、労務不能要件を満たせないため、継続給付の対象になりません。
退職日に短時間でも出勤すると受給できません。有給休暇の場合は、出勤をしていないので、給与が発生していても条件を満たします。
退職日に引き継ぎや挨拶のために会社に行きたいと考える方もいるでしょう。しかし、それが「出勤扱い」になってしまうと、継続給付の権利を失ってしまいます。待期が完成していても、退職日に出勤してしまうと受給できなくなるので注意が必要です。これは見落としがちなポイントです。
私物の整理や事務手続きなどで会社に行く必要がある場合は、必ず「出勤扱い」にならないよう会社と事前に確認してください。可能であれば、退職日より前に済ませておくことをおすすめします。
失業保険との併給はできない
退職後の生活保障として、傷病手当金と失業保険(雇用保険の基本手当)の両方を同時に受け取りたいと考える方もいるかもしれませんが、これは認められていません。
傷病手当金と失業給付金の併給はできません。雇用保険の失業給付金の支給には、労働の意思・能力を有することを要求され、労務不能を支給要件とする傷病手当金と相反するためです。
傷病手当金は、病気や怪我で仕事ができないときに生活を支えるために支給されるお金です。つまり、仕事ができない状態を前提にしている制度といえます。一方、失業保険は心身が健康で働ける状態にあるものの、現在失業中の人に支給されるお金です。このように、2つの給付金は対象が対極にあるため、同時にもらえるということはありえないのです。
失業保険は、働く能力や意思があるにもかかわらず、仕事に就くことができない場合に支給されるものです。言い換えれば、体は働けるほど元気だが、働く職場が見つからない方が受給の対象となります。これに対して、傷病手当金は病気・ケガにより働くことができない方に支給されるものです。したがって、失業保険を受けられる方は、傷病手当金の受給対象にはなりません。
ただし、両方の給付を「順番に」受け取ることは可能です。傷病手当金を受給中は、ハローワークで失業保険の受給期間延長手続きを行っておきましょう。延長できるのは最長3年間で、合計4年間となります。病状が回復して働ける状態になったら、失業保険の受給手続きに切り替えることができます。
新しい会社で健康保険に加入した場合
退職後に体調が回復し、新しい会社に再就職した場合も、傷病手当金の継続給付は終了となります。
退職後に新しい会社に就職して、その会社の健康保険に加入すると、以前の傷病手当金の受給資格は失われます。
すぐに再就職して新しい会社の健康保険に加入すると、前の健康保険からの傷病手当金は打ち切られる仕組みです。これは、退職後の傷病手当金が「任意継続」や「無職で保険に入っていない人」の救済制度だからです。
退職後の傷病手当金は「資格喪失後の継続給付」という特別な扱いです。新しい会社の健康保険に加入すると、以前の健康保険との関係が完全に切れるため、継続給付の対象外となります。
また、退職後に一度でも「働ける状態」になると、その後再び同じ病気で働けなくなっても傷病手当金は受給できません。退職後に一度「仕事に就くことができる状態」になってアルバイトを行い、期間内に再度「仕事に就くことができない状態」になった場合、「仕事に就くことができない状態」が在職期間から継続していないため、期間が残っていても再び手当を受給することはできません。
退職後に1日でも受給できない日がある場合は、資格喪失後の継続給付が中断されてしまうことから、その日以降の傷病手当金を受給できません。
このように、退職後の継続給付は在職中よりも厳格な条件が適用されます。再就職を検討している場合は、傷病手当金の受給期間との兼ね合いを考慮し、転職予定がある人は、退職前に健保組合へ相談して制度の適用可否を確認するのがおすすめです。
退職後の傷病手当金と他の制度の関係

退職後に傷病手当金を受給する場合、他の社会保障制度との関係について正しく理解しておくことが重要です。健康保険の切り替え、年金との調整、任意継続被保険者制度との関係など、知っておくべきポイントがいくつかあります。
ここでは、退職後の傷病手当金と関連する制度について詳しく解説します。
国民健康保険への切り替え後も受給可能
退職後の健康保険について「国民健康保険に切り替えたら傷病手当金がもらえなくなるのでは?」と心配される方も多いですが、結論から言うと、国民健康保険に切り替えても傷病手当金は継続して受給できます。
退職日以前から傷病手当金をもらっているか、又は傷病手当金をもらえる状態にあれば、退職後に国民健康保険に加入した後でも傷病手当金はもらえます。
退職後、どの公的医療保険に加入するかにかかわらず、仕事ができない間継続して受給できます。
退職後に任意継続被保険者や国民健康保険の加入者になったり、家族の扶養に入ったりしても、傷病手当金は受給できます。
退職後の傷病手当金(継続給付)は、退職前に加入していた健康保険から支給されるものです。退職すると、会社の健康保険の被保険者資格は失います。ただし、傷病手当金の受給資格は継続されるため、国民健康保険に加入し直しても、傷病手当金の受給には影響ありません。
ただし、注意点があります。国民健康保険に加入した後に発生した病気・怪我等で労務不能になっても、「退職後の傷病手当金(一般被保険者資格喪失後の傷病手当金)」はもらえません。あくまでも退職前から継続している同一の傷病に対する給付であることを理解しておきましょう。
障害年金との調整について
傷病手当金を受給中に障害年金の受給が始まった場合、両方を満額受け取ることはできず、「併給調整」が行われます。
同一(関連)の傷病について、傷病手当金と障害厚生年金を受給できる場合は、傷病手当金は支給されません。ただし、傷病手当金の額が障害厚生年金の額よりも多いときは、障害厚生年金の額との差額が支給されます。
具体的には、「傷病手当金の日額」と、「障害厚生年金の額(同一の支給事由に基づいて障害基礎年金の支給も受けることができるときは、障害厚生年金と障害基礎年金との合計額)の360分の1の額」とを比較し、傷病手当金の日額の方が高い場合は、差額分は傷病手当金から支給されます。
ただし、併給調整が行われないケースもあります。障害年金と傷病手当金が併給調整されるのは、同一の傷病で支給されるときです。例えば、人工透析で障害年金を受ける方が、転んで足を骨折して傷病手当金を受けるときには、併給調整されず両制度から満額の受給が可能です。
また、傷病手当金と併給調整を受けるのは、「障害厚生年金」です。障害基礎年金のみを受ける場合は、傷病手当金との併給調整の対象外となり、障害年金と傷病手当金を同時に受けることができます。
なお、実務上は傷病手当金を先に受給していることが多いため、後から障害年金の支給が決定して支給が始まると、傷病手当金との重複期間があっても、障害年金が全額支給されます。このままでは重複支給となっているため、健康保険の方から「障害年金と重複して支給した部分の傷病手当金を返還してください。」という連絡がきます。障害年金の受給が決まった際は、傷病手当金の返還に備えてお金を計画的に残しておく必要があります。
退職後の任意継続被保険者と傷病手当金
退職後に任意継続被保険者になることを検討している方もいるでしょう。任意継続被保険者制度と傷病手当金の関係について、正しく理解しておくことが重要です。
まず、保険料は全額自分で負担(ただし、上限あり)しますが、保険給付は、在職中と同様です(ただし、任意継続被保険者として傷病手当金、出産手当金は支給されません)。
つまり、任意継続被保険者になった後に新たに発生した病気やケガについては、傷病手当金を受給することはできません。しかし、資格喪失後の継続給付に該当する場合、任意継続被保険者であっても傷病手当金・出産手当金を受けることができます。
退職日以前から傷病手当金をもらっているか、又は傷病手当金をもらえる状態にあれば、任意継続被保険者となった後でも傷病手当金はもらえます。
また、継続して1年以上の被保険者期間を計算する際の注意点があります。被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者、共済組合の組合員である被保険者又は国民健康保険に加入していた期間を除く)があること。
退職後にも傷病手当金をもらい続けるためには、退職日までに健康保険に1年以上加入していることが条件の一つとなっています。この「1年以上」には、任意継続被保険者の期間を含めることができないため、過去に任意継続被保険者だった期間がある場合は注意が必要です。
任意継続被保険者を選ぶか国民健康保険を選ぶかは、保険料の比較や扶養家族の有無などを考慮して判断することになりますが、傷病手当金の継続給付については、どちらを選んでも受給に影響はありません。
まとめ:退職後も傷病手当金を受給するために条件と手続きを確認しよう

傷病手当金は退職後も継続して受給できる「継続給付」の制度があり、病気やケガで働けない期間の生活を支える重要なセーフティネットです。最後に、本記事で解説したポイントを振り返りましょう。
退職後の傷病手当金は、制度を正しく理解し、適切に手続きを行えば、療養に専念しながら経済的な不安を軽減できます。
