自己都合退職の場合、失業保険を受け取るまでに給付制限期間があり、すぐにはもらえないと思っていませんか。実は、特定理由離職者の認定や職業訓練の受講など、給付制限を解除してすぐに受給できる方法があります。
本記事では、自己都合退職でも失業保険を早くもらう7つの方法と具体的な手続きを解説します。
自己都合退職の失業保険は通常いつからもらえる?

自己都合退職で失業保険を受け取る場合、「すぐにはもらえない」という点を知っておく必要があります。ハローワークで求職申し込みをしてから、実際に失業保険が口座に振り込まれるまでには一定の期間が必要です。
結論から言うと、2025年4月以降に自己都合退職した場合、最短でも約1ヶ月半後から失業保険の受給が開始されます。これは「待機期間」と「給付制限期間」という2つの期間を経る必要があるためです。
ここでは、失業保険の受給開始までの仕組みや、2025年4月の制度改正による変更点、会社都合退職との違いについて詳しく解説します。
待機期間7日間+給付制限期間の仕組み
自己都合退職で失業保険を受給するには、まず「待機期間」と「給付制限期間」を経る必要があります。この2つの期間は、それぞれ異なる目的で設けられています。
待機期間とは、ハローワークで求職の申し込みをした日から7日間のことを指します。この期間は、退職理由に関係なくすべての離職者に適用されるものです。ハローワークが「本当に失業状態にあるか」を確認するための期間であり、この7日間は失業保険の支給対象外となります。
待機期間中は原則としてアルバイトなどの就労が認められていません。もしこの期間中に働いてしまうと、その分だけ待機期間が延長されてしまうため注意が必要です。
給付制限期間とは、待機期間終了後にさらに設けられる「失業保険が支給されない期間」のことです。これは自己都合退職者にのみ課されるもので、会社都合退職の場合には発生しません。
給付制限期間が設けられている理由は、自己都合退職者は事前に転職の準備ができると考えられているためです。会社都合退職と異なり、自分の意思で退職を決めているため、経済的な準備をする時間があったとみなされます。
具体的な受給開始までの流れを見てみると、以下のようになります。
- 退職後、会社から離職票を受け取る(退職後10日〜2週間程度)
- ハローワークで求職の申し込みをする
- 7日間の待機期間を経過する
- 給付制限期間を経過する
- 失業認定日にハローワークへ出向き、失業認定を受ける
- 失業認定日から約5営業日後に口座へ振り込まれる
2025年4月改正で給付制限が1ヶ月に短縮
2025年4月1日から施行された雇用保険法の改正により、自己都合退職者の給付制限期間が大幅に短縮されました。
改正前の制度では、自己都合退職者の給付制限期間は原則2ヶ月間でした。つまり、待機期間7日間と合わせると、約2ヶ月半は失業保険を受け取れない状態が続いていたのです。
改正後は、給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。これにより、待機期間7日間と合わせても約1ヶ月半で失業保険の受給が開始されるようになっています。
ただし、以下のケースでは給付制限期間が3ヶ月となるため注意が必要です。
- 過去5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職をして失業保険を受給している場合
- 自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合(重責解雇)
これは、安易な転職を繰り返すことを抑制するための措置です。短期間で何度も自己都合退職を繰り返す人に対しては、従来より長い給付制限期間が適用されます。
会社都合退職との受給時期の違い
自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の受給時期に大きな差があります。どちらに該当するかによって、生活設計が大きく変わるため、その違いを正確に把握しておくことが重要です。
会社都合退職の場合、給付制限期間は設けられていません。つまり、7日間の待機期間を経過すれば、すぐに失業保険の受給が開始されます。実際に口座へ振り込まれるのは、初回の失業認定日から約1週間後となるため、申請から約1ヶ月程度で初回の失業保険を受け取ることができます。
自己都合退職と会社都合退職の受給開始時期を比較すると、以下のようになります。
会社都合退職の場合
- 待機期間:7日間
- 給付制限期間:なし
- 初回振込までの目安:申請から約1ヶ月
自己都合退職の場合(2025年4月以降)
- 待機期間:7日間
- 給付制限期間:1ヶ月(条件によっては3ヶ月)
- 初回振込までの目安:申請から約2ヶ月
会社都合退職に該当するのは、倒産や解雇、リストラなど、労働者の意思に関係なく離職を余儀なくされたケースです。倒産や解雇は突然発生することが多く、労働者側に転職の準備期間がないため、給付制限期間なしで早期に失業保険を受け取れるよう配慮されています。
一方、自己都合退職とされるのは、キャリアアップのための転職や、待遇改善を求めての転職、結婚や引っ越しに伴う退職などが該当します。自分の意思で退職を決めているため、事前に経済的な準備ができるとみなされ、給付制限期間が設けられています。
自己都合でも失業保険をすぐもらう7つの方法

自己都合退職でも、すべての人が1ヶ月の給付制限期間を待たなければならないわけではありません。実は、一定の条件を満たせば、7日間の待機期間後すぐに失業保険を受け取れる方法がいくつか存在します。
ここでは、自己都合退職でも失業保険をすぐにもらうための7つの方法を詳しく解説します。ご自身の状況に当てはまるものがないか、ぜひ確認してみてください。
方法①:特定理由離職者に該当させる
自己都合退職でも、やむを得ない正当な理由があれば「特定理由離職者」として認定され、給付制限なしで失業保険を受け取ることができます。
特定理由離職者とは、本人の意思に反してやむを得ず離職した人のことです。自己都合退職であっても、その理由が社会通念上やむを得ないと認められれば、会社都合退職と同様の優遇措置を受けられます。
特定理由離職者に認定されるためには、ハローワークへの申請と証明書類の提出が必要です。以下に、特定理由離職者として認められる主なケースを紹介します。
病気やケガで退職した場合
病気やケガにより、業務の遂行が困難になったために退職した場合は、特定理由離職者に該当する可能性が高いです。うつ病や適応障害などの精神疾患も対象となります。
認定を受けるためには、医師の診断書が必要です。診断書には以下の内容が記載されている必要があります。
- 病名や症状
- 退職時点で業務の継続が「困難」または「不可能」であったこと
- 発症時期や治療の経過
退職前に通院していた病院で診断書を取得し、ハローワークに提出しましょう。退職後に初めて受診した場合でも、退職時にすでに体調不良があったことを医師に説明し、経緯を記載してもらうことで認定される可能性があります。
妊娠・出産・育児で退職した場合
妊娠・出産・育児により、働くことが困難になったために退職した場合も、特定理由離職者に該当します。
このケースでは、失業保険の受給期間延長措置を受けた人が対象となります。具体的には、離職日の翌日から継続して30日以上働けない状態にある場合に適用されます。
認定に必要な書類は、受給期間延長通知書です。出産後に就労可能な状態になってから、改めて失業保険の申請を行うことになります。
家族の介護が必要になった場合
両親や配偶者など家族の死亡・疾病・負傷により、介護が必要になったために退職した場合も特定理由離職者に該当します。
認定の条件として、離職の意思を会社に伝えた時点で、介護や看護を必要とする期間がおおむね30日を超えることが見込まれていたことを証明する必要があります。
必要な書類には以下のものがあります。
- 医師の診断書
- 健康保険証のコピー
- 扶養控除等申告書
介護を理由に退職する場合は、事前にこれらの書類を準備しておくとスムーズです。
配偶者の転勤で通勤困難になった場合
配偶者の転勤や出向に伴い、別居を避けるために退職した場合も特定理由離職者として認められます。
このケースでは、以下の資料が必要となります。
- 配偶者の転勤辞令のコピー
- 転居後の住民票
- 通勤時間がわかる乗り換え案内の結果
通勤が物理的に困難になったことを客観的に証明できれば、認定を受けられる可能性が高まります。
結婚による転居で退職した場合
結婚に伴う住所の変更により、通勤が困難になったために退職した場合も特定理由離職者に該当します。
必要な書類は以下の通りです。
- 婚姻届受理証明書または戸籍謄本
- 転居後の住民票
- 通勤時間がわかる乗り換え案内の結果
結婚を理由とする退職の場合は、通勤が困難になったことを証明する書類を合わせて提出することが重要です。
方法②:契約更新されず雇い止めになった場合
契約社員や派遣社員として働いていた人が、契約の更新を希望したにもかかわらず更新されなかった場合は、特定理由離職者に該当します。これは「雇い止め」と呼ばれるケースです。
認定の条件は以下の通りです。
- 期間の定めのある労働契約であること
- 契約更新の可能性が明示されていたこと
- 労働者本人が更新を希望したにもかかわらず、合意に至らなかったこと
必要な書類には、雇用契約書や労働条件通知書があります。契約書に「更新の可能性あり」と記載されていた場合は、特定理由離職者として認められる可能性が高くなります。
ただし、最初から契約書に「更新しない」と明記されていた場合は、特定理由離職者には該当しません。契約内容を事前に確認しておきましょう。
方法③:職業訓練(ハロートレーニング)を受講する
職業訓練(ハロートレーニング)を受講すると、自己都合退職であっても給付制限が解除され、訓練開始日からすぐに失業保険を受け取ることができます。
職業訓練とは、転職に役立つ知識やスキルを無料で学べる公的な制度です。パソコン・IT・介護・簿記・CADなど、多種多様なコースが用意されています。
職業訓練を受講するメリットは以下の通りです。
- 給付制限期間が解除される
- 訓練期間中は失業保険の給付期間が延長される
- 受講手当(日額500円)と通所手当(交通費)が支給される
- 失業認定日にハローワークに行く必要がなくなる
職業訓練を受けるためには、ハローワークで求職申し込みを行い、職業相談で「訓練が必要」と認められる必要があります。その後、訓練校の選考試験(筆記・面接)に合格すれば受講できます。
注意点として、職業訓練を受講するには失業保険の給付残日数が3分の1以上残っている必要があります。退職後は早めにハローワークで相談し、受講したいコースの開始時期を確認しておきましょう。
方法④:教育訓練給付の対象講座を受講する【2025年新制度】
2025年4月の法改正により、厚生労働省が指定する教育訓練講座を受講した場合も、給付制限が解除されるようになりました。
従来は、ハローワークの指示による職業訓練のみが給付制限解除の対象でしたが、2025年4月からは自主的に受講した教育訓練でも同様の効果が得られるようになっています。
給付制限が解除される対象となる教育訓練は以下の通りです。
- 教育訓練給付金の対象となる講座
- 公共職業訓練
- 短期訓練受講費の対象となる教育訓練
- 上記に準ずる訓練として厚生労働省が定めるもの
教育訓練給付金の対象講座は約16,000講座あり、通信講座や資格スクールの講座も含まれます。働きながら受講できるものも多いため、退職前から受講を開始しておくことも可能です。
この制度を利用するためには、受講開始以降、ハローワークでの受給資格決定日または初回認定日までに申し出る必要があります。申し出の際には、訓練開始日が記載された領収書または証明書が必要です。
方法⑤:離職票の退職理由を異議申し立てで変更する
離職票に記載された退職理由が実際と異なる場合、ハローワークに異議申し立てをすることで、退職理由を変更できる可能性があります。
例えば、実際には会社から退職を促されたにもかかわらず、離職票に「自己都合退職」と記載されているケースなどが該当します。
異議申し立ての方法は以下の通りです。
- 離職票の「離職者本人の判断」欄で「異議あり」にチェックする
- 異議申立書を作成し、離職の経緯や理由を記載する
- 離職票とともにハローワークに提出する
異議申し立てを行うと、ハローワークが会社と退職者の双方から事情聴取を行い、どちらの主張が正しいか判断します。退職者の主張が認められれば、離職理由が変更されます。
異議申し立てが認められやすいケースとしては、以下のようなものがあります。
- 退職勧奨を受けて退職した場合
- セクハラやパワハラが原因で退職した場合
- 長時間労働が原因で退職した場合
- 賃金の大幅な引き下げがあった場合
異議申し立てには、退職の経緯を証明する資料(メール、LINE、録音記録など)があると有利です。日頃から記録を残しておくことが重要です。
方法⑥:会社都合退職に該当するか確認する
自分では自己都合退職だと思っていても、実は会社都合退職(特定受給資格者)に該当するケースがあります。会社都合退職であれば、給付制限なしで失業保険を受け取れます。
以下のような理由で退職した場合は、会社都合退職に該当する可能性があります。
- 会社の倒産や事業所の廃止
- 解雇(懲戒解雇を除く)
- 退職勧奨を受けた場合
- 労働条件が採用時と大きく異なっていた場合
- 賃金が85%未満に下がった場合
- 離職前6ヶ月間に長時間残業があった場合(3ヶ月連続で45時間超など)
- セクハラやパワハラがあった場合
特に、長時間労働やハラスメントが原因で退職した場合は、自分から退職を申し出たとしても会社都合退職として認められることがあります。
退職前に自分の退職理由が会社都合に該当するかどうかを確認し、該当する場合は離職票の記載内容をしっかりチェックしましょう。
方法⑦:離職前1年以内に教育訓練を受講しておく
2025年4月からの新制度では、離職前1年以内に教育訓練を受講していた場合も、給付制限が解除されます。
つまり、在職中から計画的に教育訓練を受講しておくことで、退職後すぐに失業保険を受け取ることができるようになります。
この制度を利用するためのポイントは以下の通りです。
- 離職日から遡って1年以内に教育訓練を開始していること
- 2025年4月1日以降に受講を開始した訓練であること
- 途中退校していないこと
対象となる教育訓練は、教育訓練給付金の対象講座や公共職業訓練などです。厚生労働省の「教育訓練給付制度検索システム」で対象講座を探すことができます。
特定理由離職者の認定に必要な書類と手続き

特定理由離職者として認定されるためには、やむを得ない理由で退職したことを客観的に証明する書類が必要です。書類が不十分だと認定されない可能性があるため、事前にしっかり準備しておくことが重要です。
ここでは、特定理由離職者の認定に必要な書類と、ハローワークでの具体的な手続きの流れを解説します。
医師の診断書が必要なケース
病気やケガ、心身の障害などを理由に退職した場合は、医師の診断書が必要になります。診断書は、退職の原因が健康上の問題であったことを客観的に証明するための重要な書類です。
医師の診断書が必要となる主なケースは以下の通りです。
- 体力の不足により業務の遂行が困難になった場合
- 心身の障害や疾病により離職した場合
- 負傷により働くことができなくなった場合
- うつ病や適応障害などの精神疾患により退職した場合
- 視力・聴力・触覚の減退により業務継続が困難になった場合
診断書を取得する際には、以下のポイントに注意してください。
まず、退職前に通院していた病院で診断書を作成してもらうことが原則です。退職後に初めて受診した場合、医師は退職時点での状態を正確に把握できないため、特定理由離職者として認められにくくなります。
次に、診断書には以下の内容が記載されている必要があります。
- 病名や具体的な症状
- 発症時期や治療の経過
- 退職時点で業務の継続が「困難」または「不可能」であったこと
- 現在の就労可否
単に「体調不良」や「気分が落ち込む」といった曖昧な記載では認定されない可能性があります。業務継続が困難であった旨を具体的に記載してもらうようにしましょう。
また、ハローワークによっては独自の書式(傷病証明書、主治医の意見書、就労可否証明書など)を使用する場合があります。事前にハローワークで書式を確認し、その書式で診断書を作成してもらうのが確実です。
診断書の作成には費用がかかります。料金は病院によって異なりますが、1,000円〜10,000円程度が相場です。作成期間は即日発行できる病院もあれば、2週間〜1ヶ月程度かかる病院もあるため、早めに依頼しておきましょう。
介護・看護の証明書類が必要なケース
家族の介護や看護を理由に退職した場合は、介護・看護が必要であることを証明する書類が求められます。
介護・看護を理由とする特定理由離職者に該当するのは、以下のようなケースです。
- 父母の死亡、疾病、負傷により介護が必要になった場合
- 配偶者や子どもの疾病、負傷により看護が必要になった場合
- 常時本人の介護を必要とする親族がいる場合
認定の条件として重要なのは、会社に退職の意思を伝えた時点で、介護・看護を必要とする期間がおおむね30日を超えることが見込まれていたことです。短期間の看護では特定理由離職者としては認められません。
介護・看護を理由とする場合に必要な書類は以下の通りです。
- 医師の診断書(介護・看護が必要な家族の症状や治療見込みが記載されたもの)
- 健康保険証のコピー
- 扶養控除等申告書
- 介護保険被保険者証のコピー(該当する場合)
- 住民票(同居していることを証明するため)
特に医師の診断書は重要で、介護・看護を必要とする家族の病状と、常時介護が必要である旨が記載されている必要があります。
対象となる親族の範囲は、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族と定められています。この範囲外の人の介護を理由とする場合は、特定理由離職者として認められない可能性があるため注意が必要です。
ハローワークでの手続きの流れ
特定理由離職者として認定を受けるためには、ハローワークで正しい手順で手続きを行う必要があります。以下に、具体的な流れを説明します。
ステップ1:離職票を受け取る
退職後、会社から離職票が届くのを待ちます。通常、退職日から10日〜2週間程度で届きます。届かない場合は会社に連絡し、発行を依頼してください。
届いた離職票の「離職理由」欄を確認し、自分の認識と異なる場合は、「離職者本人の判断」欄で「異議あり」にチェックを入れます。
ステップ2:必要書類を準備する
特定理由離職者の認定に必要な書類を準備します。離職理由によって必要な書類が異なるため、事前にハローワークに電話で確認しておくと安心です。
基本的な持ち物は以下の通りです。
- 離職票1・2
- マイナンバーカード(または個人番号確認書類と身元確認書類)
- 証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
- 預金通帳またはキャッシュカード
- 印鑑
- 特定理由離職者の認定に必要な書類(診断書など)
ステップ3:ハローワークで求職申し込みを行う
住所地を管轄するハローワークに行き、求職の申し込みと失業保険の受給手続きを行います。窓口で離職票と必要書類を提出し、退職理由について説明します。
特定理由離職者として認定を希望する場合は、その旨を窓口で伝え、証明書類を提出してください。ハローワークの職員が書類を確認し、認定の可否を判断します。
ステップ4:受給資格の決定
提出した書類と面談内容をもとに、ハローワークが受給資格と離職理由を判断します。特定理由離職者として認定されれば、雇用保険受給資格者証の離職理由コードが「33」(正当な理由のある自己都合退職)に変更されます。
認定されれば、給付制限期間なしで失業保険を受給できるようになります。
ステップ5:雇用保険説明会に参加する
受給資格決定後、ハローワークが指定する日時に雇用保険説明会に参加します。説明会では、失業保険の仕組みや受給中のルールについて説明を受けます。
ステップ6:失業認定日にハローワークへ出向く
指定された失業認定日にハローワークへ行き、失業の認定を受けます。認定を受けると、約5営業日後に失業保険が口座に振り込まれます。
特定理由離職者の場合は給付制限がないため、最初の失業認定日から失業保険を受け取ることができます。その後は4週間ごとに失業認定を受けることで、継続して失業保険を受給できます。
職業訓練で給付制限を解除する方法

自己都合退職で失業保険をすぐに受け取りたい場合、職業訓練の受講は最も確実な方法のひとつです。職業訓練を受講すると、給付制限期間が解除されるだけでなく、新しいスキルを身につけながら失業保険を受給できるというメリットがあります。
ここでは、職業訓練の概要と申込み方法、さらに受給期間を延長できる訓練延長給付について詳しく解説します。
公共職業訓練(ハロートレーニング)とは
公共職業訓練(ハロートレーニング)とは、就職に必要な知識やスキルを無料で習得できる公的な制度です。国や都道府県が実施しており、再就職を目指す人が新しい職業能力を身につけるための支援として設けられています。
職業訓練には大きく分けて2種類あります。
公共職業訓練(離職者訓練) は、主に失業保険を受給している人を対象としています。失業保険の受給資格がある人が、ハローワークの受講指示を受けて受講するものです。
求職者支援訓練 は、失業保険を受給できない人(受給資格がない人や受給期間が終了した人)を対象としています。一定の条件を満たせば、職業訓練受講給付金として月額10万円を受け取りながら受講できます。
職業訓練で学べる内容は多岐にわたります。代表的なコースには以下のようなものがあります。
- パソコン・IT関連(プログラミング、Webデザイン、ネットワーク技術など)
- 事務・経理関連(簿記、医療事務、貿易実務など)
- 介護・福祉関連(介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修など)
- 製造・技術関連(CAD、機械加工、電気工事など)
- 建築・設備関連(建築設計、配管、溶接など)
- 美容・理容関連
訓練期間は3ヶ月〜6ヶ月のコースが多いですが、1年〜2年の長期コースもあります。受講料は原則無料ですが、テキスト代や作業服代などは自己負担となります。
職業訓練を受講することで得られるメリットは以下の通りです。
- 給付制限期間が解除され、訓練開始日から失業保険を受給できる
- 訓練期間中は失業保険の給付期間が延長される可能性がある
- 受講手当(日額500円、上限20,000円)が支給される
- 通所手当(交通費、上限42,500円)が支給される
- 失業認定日にハローワークへ行く必要がなくなる
- 就職に役立つスキルや資格を無料で取得できる
ただし、職業訓練は給付制限を解除するためだけに受講するものではありません。再就職に向けてスキルアップを図るための制度であるため、自分のキャリアプランに合ったコースを選ぶことが大切です。
職業訓練の申込みから受講開始までの流れ
職業訓練を受講するためには、いくつかの手順を踏む必要があります。申込みから受講開始までの流れを具体的に説明します。
ステップ1:ハローワークで求職申し込みを行う
まず、住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。失業保険の受給手続きも同時に進めましょう。この時点で、職業訓練の受講を希望していることを窓口で伝えてください。
ステップ2:職業相談を受ける
ハローワークの職業相談窓口で、どのような仕事に就きたいか、どのようなスキルを身につけたいかを相談します。職業訓練を受講するためには、ハローワークから「訓練が必要である」と認められる必要があります。
職業相談では、希望する職種や現在のスキル、職業訓練で学びたい内容などを伝えます。相談の結果、訓練が必要と判断されれば、受講に向けた具体的な案内を受けられます。
ステップ3:受講したいコースを選ぶ
ハローワークで職業訓練のコース一覧を確認し、受講したいコースを選びます。コースの内容は地域によって異なるため、自分の希望に合ったものがあるかどうかを確認しましょう。
コースを選ぶ際には、以下のポイントを考慮してください。
- 訓練内容が希望する職種に役立つか
- 訓練期間と自分の生活スケジュールが合うか
- 訓練開始日までに失業保険の給付残日数が足りるか
- 通学が可能な場所で実施されるか
ステップ4:受講申込書を提出する
受講したいコースが決まったら、ハローワークで受講申込書を受け取り、必要事項を記入して提出します。申込みは訓練開始の2〜3ヶ月前から受け付けていることが多いため、早めに準備を始めましょう。
ステップ5:選考試験を受ける
多くの職業訓練コースでは、選考試験が実施されます。試験内容はコースによって異なりますが、一般的には筆記試験(国語・数学・一般常識など)と面接が行われます。
面接では、訓練を受講する目的や就職への意欲、なぜそのコースを選んだかなどを聞かれます。明確な目的意識を持って受講することが伝わるよう、事前に準備しておきましょう。
ステップ6:選考結果の通知を受ける
選考試験の結果は、通常1〜2週間程度で通知されます。合格した場合は、ハローワークから受講指示または受講推薦を受けます。
ステップ7:受講指示を受けて訓練を開始する
ハローワークから受講指示を受けると、正式に職業訓練の受講が決定します。受講指示を受けた場合は、訓練開始日の前日に給付制限が解除され、訓練開始日から失業保険を受給できるようになります。
なお、受講指示ではなく受講推薦の場合は、給付制限の解除や訓練延長給付などの優遇措置が受けられない点に注意が必要です。受講指示を受けるためには、失業保険の給付残日数が一定以上残っている必要があります。
訓練延長給付で受給期間も延長できる
職業訓練を受講すると、失業保険の給付期間を延長できる「訓練延長給付」という制度を利用できる場合があります。この制度を活用すれば、本来の所定給付日数を超えて失業保険を受け取り続けることができます。
訓練延長給付とは、職業訓練を受講している間、失業保険の所定給付日数が終了しても、訓練が終わるまで給付を延長できる制度です。最長で2年間の延長が可能です。
例えば、所定給付日数が90日の人が6ヶ月間の職業訓練を受講した場合、本来なら90日で給付が終了しますが、訓練延長給付を利用すれば訓練終了まで約180日間にわたって失業保険を受給できます。
訓練延長給付を受けるための条件は以下の通りです。
- ハローワークから受講指示を受けていること
- 訓練開始日に失業保険の給付残日数が一定以上あること(コースによって異なる)
- 訓練に8割以上出席していること
給付残日数の目安として、所定給付日数が90日の場合は31日以上、120日の場合は41日以上、150日の場合は51日以上残っている必要があります。給付残日数が足りない場合は、訓練延長給付の対象外となってしまうため、早めに職業訓練の申込みを検討することが重要です。
訓練延長給付では、以下の手当も合わせて受給できます。
基本手当 :通常の失業保険と同じ金額が支給されます。前職の賃金の45%〜80%程度が目安です。
受講手当 :訓練を受講した日1日につき500円が支給されます。ただし、上限は40日分(20,000円)です。
通所手当 :訓練施設までの交通費が支給されます。上限は月額42,500円です。
訓練延長給付の支給日は、通常の失業保険と同様に、毎月15日〜20日頃に指定の口座に振り込まれます。ただし、訓練の出席状況によって支給額が変動するため、欠席が多いと減額される可能性があります。
訓練延長給付を最大限活用するためのポイントをまとめると以下の通りです。
- 退職後は早めにハローワークで求職申し込みを行う
- 給付残日数に余裕があるうちに職業訓練に申し込む
- 受講指示を受けられるよう、職業相談で訓練の必要性をしっかり伝える
- 訓練開始後は8割以上の出席率を維持する
職業訓練は、給付制限を解除してすぐに失業保険を受け取れるだけでなく、受給期間の延長やスキルアップにもつながる制度です。転職を機にキャリアチェンジを考えている方は、積極的に活用を検討してみてください。
まとめ:自己都合でも失業保険をすぐもらうには制度を正しく理解しよう

自己都合退職でも、制度を正しく理解して適切な手続きを行えば、失業保険を早く受け取ることは可能です。
失業保険は、次の仕事が見つかるまでの生活を支える大切な制度です。自分がどの方法に該当するかを確認し、正しい手続きで受給資格を得ましょう。
