MENU

再就職手当をもらわない方がいい?損するケースと賢い判断基準を解説

  • URLをコピーしました!

本記事では、再就職手当をもらわない方がいいと言われる理由から、受給すべき人の特徴、失業保険との損得比較まで徹底解説。あなたの状況に合った最適な判断ができるよう、具体的なシミュレーションを交えてわかりやすくお伝えします。

目次

再就職手当をもらわない方がいいと言われる3つの理由

「再就職手当はお得な制度」というイメージがありますが、実は状況によってはもらわない方が賢明なケースもあります。ここでは、再就職手当をもらわない方がいいと言われる主な3つの理由を解説します。

早期再就職で給付日数を大幅に残してしまう

再就職手当は、失業保険(基本手当)の給付残日数に応じて60%または70%が支給される仕組みです。つまり、失業保険を満額受給した場合と比較すると、総額で30〜40%ほど少なくなってしまいます。

例えば、所定給付日数が90日で基本手当日額が5,000円の場合、失業保険を満額受給すると45万円を受け取れます。一方、給付日数を60日残して再就職した場合の再就職手当は約21万円(60日×70%×5,000円)となり、その差は24万円にもなります。

特に「焦って再就職先を決めてしまった」「もう少しじっくり条件の良い企業を探したかった」という場合には、給付金額と再就職先の質の両方で損をしてしまう可能性があるのです。

失業保険の受給期間中は、職業訓練や転職支援サービスを無料で利用できるメリットもあります。キャリアアップを目指す方にとっては、再就職手当を急いでもらうよりも、時間をかけて自分に合った転職先を見つける方が長期的には得策となる場合もあるでしょう。

就業促進定着手当を受け取れない可能性がある

再就職手当を受給した方が対象となる「就業促進定着手当」という制度をご存知でしょうか。これは再就職後に6ヶ月以上働き、かつ再就職先の賃金が前職より低くなった場合に、その差額を補填してくれる手当です。

ただし、就業促進定着手当を受け取るためには以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 再就職手当の支給を受けていること
  • 再就職先に6ヶ月以上継続して雇用されていること
  • 再就職後6ヶ月間の賃金日額が離職前より低いこと

つまり、再就職後6ヶ月未満で退職してしまった場合や、起業によって再就職手当を受給した場合は、就業促進定着手当を受け取ることができません。

また、フルタイムからパート・アルバイトに変わった場合、給与の総額は減っても「賃金日額」で比較すると減っていないケースがあり、その場合も対象外となります。

次の退職時に不利になるケースがある

再就職手当を一度受給すると、その後3年間は再び再就職手当を受け取ることができません。これは短期間での離職と就職を繰り返して手当を何度も受け取ることを防ぐための制限です。

例えば、2025年10月に再就職手当を受給して就職した場合、2028年9月までに再び転職・退職しても再就職手当は支給されません。

さらに深刻なのは、再就職手当を受給後に短期間(1年未満)で離職してしまったケースです。この場合、以下のようなデメリットが生じます。

失業保険の受給資格を失う可能性 次の失業保険を受給するには、原則として離職日以前2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要です。短期離職ではこの条件を満たせず、失業保険をもらえない「無収入期間」が発生するリスクがあります。

所定給付日数が短くなる可能性 前職での被保険者期間は再就職手当受給時にリセットされるため、再就職先での短い勤務期間のみで給付日数が計算されます。その結果、次回の失業保険の所定給付日数が大幅に短くなってしまうことがあります。

再就職先が自分に合わない職場だったり、試用期間中に退職する可能性がある場合は、今回の再就職手当は見送り、次の転職時に備えて権利を温存しておくという選択肢も検討すべきでしょう。

再就職手当をもらった方がいい人の特徴

再就職手当をもらわない方がいいケースがある一方で、積極的に受給すべき人もいます。ここでは、再就職手当をもらった方がお得になる人の特徴を3つ紹介します。自分の状況と照らし合わせて、受給すべきかどうかの判断材料にしてください。

給付制限期間中に内定が決まった人

自己都合退職の場合、失業保険の受給開始まで原則として2ヶ月間の給付制限期間が設けられています(2025年4月以降は原則1ヶ月に短縮)。この期間中は失業保険を受け取れないため、収入がゼロの状態が続きます。

しかし、給付制限期間中に再就職先が決まった場合は、再就職手当を受給できる可能性があります。失業保険を1円ももらっていない状態でも、所定給付日数の3分の1以上が残っていれば支給対象となるのです。

具体的なメリットを見てみましょう。所定給付日数が90日で基本手当日額が5,500円の場合、給付制限中に就職が決まると再就職手当として約34万円(90日×70%×5,500円)を一括で受け取れます。

給付制限期間中は収入がない状態ですから、まとまった金額を受け取れる再就職手当は非常に心強い存在です。新生活のスタートにかかる費用や、次の給料日までの生活費を補填できるでしょう。

ただし、待期期間(7日間)満了後1ヶ月間については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介による就職でなければ支給対象外となる点には注意が必要です。転職サイトや知人の紹介で就職した場合は、この期間を過ぎてからの入社となるよう調整することも検討してください。

長期安定して働く予定がある人

再就職先で1年以上、できれば3年以上働く予定がある人は、再就職手当を受給した方がお得です。

前述の通り、再就職手当を受給すると3年間は再受給できなくなります。しかし、長期間同じ職場で働く予定であれば、この制限は実質的にデメリットになりません。むしろ、早期に再就職することで得られるメリットの方が大きくなります。

長期勤務を前提とした場合の経済的メリットを計算してみましょう。

失業保険を満額受給してから就職する場合と、早期に再就職して再就職手当をもらう場合を比較すると、後者の方が「再就職手当+早期就職による給与収入」の合計額で上回るケースがほとんどです。例えば、2ヶ月早く就職すれば、その分の給与(月給25万円なら50万円)が上乗せされます。

さらに、再就職先に6ヶ月以上勤務し、賃金が前職より下がった場合は「就業促進定着手当」も受け取れます。再就職手当と就業促進定着手当を合算すると、失業保険の所定給付日数の最大110%相当額を受け取れる計算になり、満額受給よりも得をする可能性があるのです。

正社員や無期雇用での採用が決まっている人、職場環境や待遇に納得できる転職先が見つかった人は、迷わず再就職手当を申請することをおすすめします。

基本手当の残日数が3分の1以上ある人

再就職手当の支給率は、基本手当の残日数によって大きく変わります。残日数が多いほど支給率が高くなり、受け取れる金額も増える仕組みです。

具体的な支給率は以下の通りです。

  • 残日数が所定給付日数の3分の2以上:支給残日数の**70%**を支給
  • 残日数が所定給付日数の3分の1以上3分の2未満:支給残日数の**60%**を支給
  • 残日数が所定給付日数の3分の1未満:支給対象外

つまり、残日数が3分の2以上ある早い段階で再就職が決まった人は、より有利な条件で再就職手当を受け取れます。

所定給付日数90日、基本手当日額5,500円のケースで比較してみましょう。

残日数70日(3分の2以上)で就職した場合 70日×70%×5,500円=約27万円

残日数35日(3分の1以上3分の2未満)で就職した場合 35日×60%×5,500円=約11万5,000円

再就職手当をもらわない方がいい人の特徴

再就職手当は早期再就職を促進するための制度ですが、すべての人にとってメリットがあるわけではありません。状況によっては、あえて受給しない方が賢明な判断となるケースもあります。ここでは、再就職手当をもらわない方がいい人の特徴を3つ解説します。

短期間で退職する可能性がある人

再就職先で1年未満の短期離職をする可能性がある人は、再就職手当の受給を慎重に検討すべきです。短期離職した場合、次回の転職時に大きなデメリットが生じる可能性があるためです。

まず、再就職手当を一度受給すると3年間は再受給できなくなります。仮に半年で退職して再び転職活動をすることになっても、次の就職では再就職手当を受け取れません。

さらに深刻なのは、失業保険の受給資格に関する問題です。失業保険を受給するには、原則として離職日以前2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要となります。短期離職ではこの条件を満たせず、次の失業時に失業保険をもらえない事態に陥る可能性があります。

以下のような状況に当てはまる人は、今回の再就職手当は見送ることを検討してください。

  • 試用期間中で正式採用されるか不安がある
  • 職場環境や人間関係に懸念を感じている
  • 契約社員や派遣社員など雇用形態が不安定
  • 自分のスキルや適性と仕事内容にミスマッチを感じている
  • 入社前と入社後で労働条件に相違があった

再就職手当を受給せずに就職した場合、万が一短期離職しても前職の失業保険の受給資格を活かせる可能性が残ります。将来のリスクに備えて「権利を温存しておく」という選択肢も、状況によっては合理的な判断といえるでしょう。

基本手当を満額受け取りたい人

じっくり時間をかけて転職活動を行い、納得のいく企業に就職したいと考えている人は、再就職手当よりも失業保険の満額受給を選ぶ方が適しています。

再就職手当は、残日数の60〜70%しか支給されません。単純な金額比較では、失業保険を満額受給した方が総額は多くなります。

所定給付日数90日、基本手当日額5,500円のケースで比較してみましょう。

失業保険を満額受給した場合 90日×5,500円=49万5,000円

残日数60日で再就職手当を受給した場合 60日×70%×5,500円=23万1,000円

この例では、約26万円の差が生まれます。

もちろん、早期に再就職すればその分の給与収入が得られるため、トータルで見れば再就職手当を受給した方が有利になるケースも多いです。しかし、以下のような人は満額受給を選んだ方がメリットがあります。

  • 現在の貯蓄に余裕があり、生活費の心配がない
  • スキルアップのために職業訓練を受講したい
  • 希望する業界や職種の求人が少なく、時間をかけて探す必要がある
  • 前職より好条件の企業に転職したいという明確な目標がある
  • 焦って就職先を決めて後悔した経験がある

失業保険の受給期間中は、ハローワークの転職支援サービスや職業訓練を無料で利用できます。キャリアチェンジを目指す人や、資格取得を検討している人にとっては、この期間を有効活用することで長期的なキャリアアップにつながる可能性もあるでしょう。

再就職先が受給条件を満たさない人

再就職手当には複数の受給条件があり、これらを満たさない場合は申請しても支給されません。そもそも受給条件を満たさない再就職先に決まった人は、申請の手間をかける必要がないケースもあります。

再就職手当が支給されない主なケースは以下の通りです。

1年以上の雇用が見込めない場合 契約期間が1年未満の有期雇用で、更新の見込みがない場合は支給対象外となります。短期のアルバイトや派遣契約では条件を満たさない可能性が高いです。

雇用保険の被保険者にならない場合 週の所定労働時間が20時間未満、または31日以上の雇用見込みがない場合は、雇用保険に加入できないため対象外となります。

前職と密接な関係がある企業への就職 離職前の会社に再び雇用された場合や、資本関係・取引関係などで密接なつながりがある企業への就職は支給対象外です。グループ会社への転籍なども該当する可能性があります。

待期期間中に就職が決まった場合 失業の申し込み後、7日間の待期期間が終了する前に就職が決まった場合は支給されません。

受給資格決定前に内定を得ていた場合 ハローワークで失業保険の手続きをする前から内定を持っていた場合は、対象外となります。

これらの条件に該当する場合、再就職手当の申請をしても却下されてしまいます。自分の再就職先が条件を満たしているか不安な場合は、申請前にハローワークの窓口で確認することをおすすめします。条件を満たさないとわかった場合は、無理に申請手続きを進める必要はありません。

再就職手当の受給条件と支給額の計算方法

再就職手当を受け取るためには、複数の条件をすべて満たす必要があります。また、支給額は残日数や支給率によって大きく変わるため、事前に計算方法を理解しておくことが大切です。ここでは、受給条件と支給額の計算方法について詳しく解説します。

再就職手当を受給するための8つの条件

再就職手当を受給するには、以下の8つの条件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると支給対象外となるため、しっかり確認しておきましょう。

①7日間の待期期間が満了していること ハローワークで失業の申し込みをした後、最初の7日間は「待期期間」と呼ばれます。この期間中に就職が決まった場合は、再就職手当の支給対象外となります。待期期間は、失業状態であることを確認するための期間です。

②基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること 就職日の前日時点で、失業保険の残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている必要があります。例えば所定給付日数が90日の場合、残日数が30日以上なければ対象外です。

③1年を超えて勤務することが確実であること 再就職先で1年以上働くことが見込まれている必要があります。1年未満の有期雇用契約で更新の見込みがない場合は、条件を満たしません。

④雇用保険の被保険者となっていること 再就職先で雇用保険に加入することが条件です。週20時間以上の勤務かつ31日以上の雇用見込みがあれば、パートやアルバイトでも対象となります。

⑤離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと 退職した会社に再び雇用された場合は対象外です。また、資本関係や人事交流など、前職と密接な関係にある会社への就職も該当しません。

⑥給付制限期間中の最初の1ヶ月間は、ハローワーク等の紹介による就職であること 自己都合退職などで給付制限を受けている場合、待期期間満了後の最初の1ヶ月間は、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介による就職でなければ対象外となります。2ヶ月目以降は、転職サイトや知人の紹介でも問題ありません。

⑦過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと 再就職手当は一度受給すると、3年間は再受給できません。過去3年以内に受給履歴がある場合は対象外です。

⑧受給資格決定前から採用が内定していないこと ハローワークで失業保険の手続きをする前から内定を得ていた場合は、支給対象外となります。

支給額の計算方法と具体的なシミュレーション

再就職手当の支給額は、以下の計算式で算出します。

再就職手当=基本手当日額×支給残日数×支給率(60%または70%)

それぞれの項目について説明します。

基本手当日額 離職前6ヶ月間の賃金を基に計算される1日あたりの失業保険の金額です。ただし、再就職手当には上限額が設定されており、2025年8月31日までは以下の金額が適用されます。

  • 離職時の年齢が60歳未満:6,395円
  • 離職時の年齢が60歳以上65歳未満:5,170円

支給残日数 就職日の前日時点で残っている失業保険の給付日数です。失業認定を受けた後の残りの日数で計算されます。

支給率 残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上3分の2未満なら60%が適用されます。

では、具体的なシミュレーションを見てみましょう。

【ケース1】早期に再就職が決まった場合

  • 所定給付日数:90日
  • 基本手当日額:5,500円
  • 支給残日数:80日(3分の2以上)
  • 支給率:70%

計算:5,500円×80日×70%=30万8,000円

【ケース2】給付期間の後半で再就職が決まった場合

  • 所定給付日数:90日
  • 基本手当日額:5,500円
  • 支給残日数:35日(3分の1以上3分の2未満)
  • 支給率:60%

計算:5,500円×35日×60%=11万5,500円

このように、同じ条件でも就職のタイミングによって約19万円もの差が生まれます。早期に再就職を決めるほど、受け取れる金額が大きくなる仕組みです。

支給率60%と70%の違いを解説

再就職手当の支給率は、就職日前日時点での基本手当の残日数によって決まります。この10%の差は、受給額に大きな影響を与えます。

支給率70%が適用される条件 所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合に適用されます。

所定給付日数70%適用の残日数
90日60日以上
120日80日以上
150日100日以上
180日120日以上

支給率60%が適用される条件 所定給付日数の3分の1以上3分の2未満を残して再就職した場合に適用されます。

所定給付日数60%適用の残日数
90日30日〜59日
120日40日〜79日
150日50日〜99日
180日60日〜119日

支給率の違いによる金額差を、具体例で確認してみましょう。

基本手当日額5,500円、残日数60日の場合

  • 70%適用時:5,500円×60日×70%=23万1,000円
  • 60%適用時:5,500円×60日×60%=19万8,000円
  • 差額:3万3,000円

残日数が同じでも、支給率によってこれだけの差が生まれます。所定給付日数90日の人が残日数60日で就職すれば70%が適用されますが、残日数59日になると60%に下がってしまいます。

就職日を調整できる場合は、支給率70%のラインを意識して入社日を決めることで、より多くの再就職手当を受け取れる可能性があります。内定をもらったら、自分の残日数を確認し、可能であれば有利なタイミングで入社できるよう交渉してみるのも一つの方法です。

再就職手当と失業保険どちらが得?金額を比較

「再就職手当をもらうべきか、失業保険を満額受給すべきか」は多くの人が悩むポイントです。結論から言えば、状況によって最適な選択は異なります。ここでは、具体的な金額シミュレーションを通じて、どちらが得になるのかを徹底比較します。

早期再就職vs満額受給のシミュレーション

まずは、早期に再就職して再就職手当を受け取る場合と、失業保険を満額受給してから就職する場合を比較してみましょう。

【共通条件】

  • 離職前の月給:25万円
  • 基本手当日額:5,500円
  • 所定給付日数:90日
  • 再就職後の月給:25万円

【パターンA】失業保険を満額受給してから就職

  • 失業保険受給額:5,500円×90日=49万5,000円
  • 受給期間中の給与収入:0円
  • 合計:49万5,000円

【パターンB】残日数60日で早期再就職(支給率70%)

  • 失業保険受給額:5,500円×30日=16万5,000円
  • 再就職手当:5,500円×60日×70%=23万1,000円
  • 早期就職による給与収入(2ヶ月分):50万円
  • 合計:89万6,000円

このシミュレーションでは、早期再就職した方が約40万円も多く収入を得られる計算になります。

ただし、これは再就職後の給与が前職と同等以上の場合です。再就職先の給与が大幅に下がる場合や、希望条件に合わない職場に焦って就職してしまうリスクを考慮すると、必ずしも早期再就職が正解とは限りません。

また、失業保険の受給期間中は職業訓練を受けたり、資格取得に時間を充てたりすることも可能です。長期的なキャリアアップを目指す場合は、満額受給を選ぶメリットもあるでしょう。

就業促進定着手当を含めた総額比較

再就職手当を受給した人は、さらに「就業促進定着手当」を受け取れる可能性があります。この手当を含めると、早期再就職のメリットはより大きくなります。

就業促進定着手当は、再就職後6ヶ月以上働き、かつ再就職先の賃金が前職より低くなった場合に支給される手当です。基本手当の支給残日数の40%(支給率70%の場合は30%)を上限として、低下した賃金の6ヶ月分が補填されます。

【シミュレーション条件】

  • 基本手当日額:5,500円
  • 所定給付日数:90日
  • 支給残日数:60日(支給率70%)
  • 離職前の賃金日額:8,500円
  • 再就職後の賃金日額:7,500円(月給が約3万円ダウン)

再就職手当 5,500円×60日×70%=23万1,000円

就業促進定着手当 (8,500円−7,500円)×180日=18万円 ※上限額:5,500円×60日×30%=9万9,000円

上限額を超えるため、就業促進定着手当は9万9,000円となります。

再就職手当+就業促進定着手当の合計:33万円

これに失業保険の受給分(30日分=16万5,000円)を加えると、49万5,000円となり、失業保険を満額受給した場合と同額になります。

つまり、就業促進定着手当まで含めれば、早期再就職しても金銭的に損をしないどころか、早期就職による給与収入分がまるまるプラスになるのです。再就職後の賃金が下がる見込みがある人は、就業促進定着手当の存在を忘れずに計算に入れましょう。

ケース別の損得を具体例で解説

実際の状況は人それぞれ異なります。ここでは、よくある3つのケースについて損得を具体的に解説します。

【ケース1】給付制限期間中に内定が決まったAさん

  • 退職理由:自己都合
  • 所定給付日数:90日
  • 基本手当日額:6,000円
  • 給付制限期間:2ヶ月
  • 内定時期:給付制限期間中(残日数90日)

Aさんは給付制限中のため、失業保険を1円も受け取っていません。このまま満額受給を目指すと、さらに2ヶ月以上待つ必要があります。

再就職手当を受給した場合 6,000円×90日×70%=37万8,000円

給付制限期間中は収入ゼロのため、早期に再就職手当を受け取った方が経済的に有利です。給与収入も早く得られるため、Aさんは再就職手当を受給すべきです。

【ケース2】残日数が少なくなってから内定が出たBさん

  • 所定給付日数:90日
  • 基本手当日額:5,500円
  • 支給残日数:32日(ギリギリ3分の1以上)
  • 支給率:60%

再就職手当を受給した場合 5,500円×32日×60%=10万5,600円

残り32日分の失業保険を受給した場合 5,500円×32日=17万6,000円

失業保険を残り分だけ受給した方が約7万円多くなります。ただし、再就職手当を受給すれば就業促進定着手当の対象にもなります。再就職先の賃金が下がる場合は、就業促進定着手当も含めて判断しましょう。一方、残日数がこれ以上減ると対象外になるため、就職を遅らせるのは得策ではありません。

【ケース3】短期離職のリスクがあるCさん

  • 所定給付日数:120日
  • 基本手当日額:5,800円
  • 支給残日数:80日(支給率70%)
  • 再就職先:試用期間3ヶ月、正式採用に不安あり

再就職手当を受給した場合 5,800円×80日×70%=32万4,800円

一見すると大きな金額ですが、Cさんの場合は短期離職のリスクがあります。もし試用期間中に退職することになった場合、以下のデメリットが生じます。

  • 3年間は再就職手当を再受給できない
  • 雇用保険の加入期間が短く、次の失業保険を受給できない可能性がある
  • 前職の失業保険の残り分も受け取れない

Cさんのように再就職先に不安がある場合は、再就職手当を受給せずに権利を温存し、正式採用が確定してから判断するか、より安定した職場を探し続ける方が賢明かもしれません。

このように、再就職手当と失業保険のどちらが得かは、残日数、再就職先の安定性、給与水準など複数の要素を総合的に判断する必要があります。自分の状況に当てはめて、最適な選択を見つけてください。

まとめ:再就職手当は状況に応じて賢く判断しよう

再就職手当は早期再就職を促進するための制度ですが、すべての人にとって受給がベストな選択とは限りません。本記事で解説したポイントを振り返りながら、自分に合った判断基準を整理しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。バックオフィス部門も統括。総務、労務にも精通している。

目次