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失業保険をもらいながら週20時間以内で働く方法|条件・注意点・減額を徹底解説

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失業保険を受給しながらアルバイトで収入を得たいと考える方は多いでしょう。結論から言えば、週20時間未満・31日未満の契約であれば、失業保険をもらいながら働くことは可能です。

本記事では、失業保険を受給しながら働くための条件や注意点、減額の計算方法まで詳しく解説します。

目次

失業保険をもらいながら働ける条件とは

失業保険(雇用保険の基本手当)を受給中でも、一定の条件を満たせばアルバイトやパートで働くことは可能です。「失業の状態(求職活動をしている状態)であること」が条件ですが、一定の条件を満たせば受給中でもアルバイトをすることが可能とされています。

ただし、働き方を間違えると「就職した」とみなされ、失業保険の受給資格を失ってしまうことがあります。

ここでは、失業保険をもらいながら働くための3つの基本条件を詳しく解説します。

週20時間未満・31日未満の契約が基本

失業保険を受給しながら働くには、週の労働時間が20時間未満のアルバイトであれば、働きながら失業手当(失業保険)が引き続き受給できる場合があります。

この「週20時間」という基準は、雇用保険の加入条件と密接に関係しています。1週間の所定労働時間が20時間以上でかつ31日以上の雇用が見込まれる場合は「就職した」と見なされ、失業手当(失業保険)の受給資格を失うため注意が必要です。

つまり、失業保険を受け取りながら働くためには、以下の2つの条件を両方とも守る必要があります。

  • 1週間の所定労働時間が20時間未満であること
  • 雇用契約期間が31日未満であること

なお、週20時間以上で31日以上の雇用見込みとは、雇用契約で定められた労働時間をいいます。突発的な残業などで一時的に週20時間を超えた場合でも、ただちに「就職した」とは見なされません。

ただし、契約期間が31日未満でも以下のケースでは31日以上の雇用とみなされる場合があります。

  • 雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めが明記されていない場合
  • 同じ雇用契約で過去に31日以上雇用された実績がある場合

アルバイトを始める前に、雇用契約書の内容をしっかり確認しておきましょう。不安な場合は、ハローワークの窓口で相談してから働き始めることをおすすめします。

7日間の待期期間は働けない

失業保険の受給手続きを行った後、すぐにアルバイトを始めることはできません。待機期間とは、ハローワークで失業保険の受給資格が決定した日(離職票を提出した日)から、失業の状態が7日間経過するまで失業保険が給付されない期間を指します。

この7日間の待期期間は、離職理由に関係なくすべての人に適用されます。待機期間は、申請者が本当に失業中なのかを国が調査する期間。この間にアルバイトをすると就業しているとみなされ、失業保険の給付が遅れてしまう可能性があります。

待期期間中にアルバイトをした場合のペナルティは以下のとおりです。

  • 待機期間中の7日間にわずかでも働いてしまうと、待機期間が延長されてしまいます
  • 例えば、3日間アルバイトをした場合は、待期期間は7日から10日に延長されるので注意しましょう

なお、ハローワークに失業保険の申請をする前なら、アルバイトなどの労働は可能です。ハローワークへの申請前は失業保険の受給資格が確定していないため、問題なくアルバイトを行えます。

また、待期期間終了後の給付制限期間(自己都合退職の場合は原則1〜2ヶ月)中は、週20時間未満の条件を守ればアルバイトが認められています。無収入の期間が長くなると生活が困窮するため、条件の範囲内での就労が許可されているのです。

ハローワークへの申告は必須

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、待機期間が終わり、アルバイトを始める場合には、必ずハローワークに申告しましょう。申告を怠ると、不正受給とみなされ厳しいペナルティを受ける可能性があります。

申告は、4週間に1度ある「失業認定日」に行います。アルバイトをする場合には、失業認定日に提出する「失業認定申告書」で、アルバイトをしたという申告をしなければなりません。正直に申告をしないと、失業給付の不正受給として罰則が適用されます。

失業認定申告書に記入する内容は以下のとおりです。

  • 申告区分は、基本的には1日4時間以上の労働をした「就職または就労」と、1日4時間未満までの労働である「内職または手伝い」の2つのパターンです
  • アルバイトをした日付
  • 働いた時間
  • 得た収入の金額

報酬の発生しないボランティア活動なども申告する義務があるので気をつけましょう。たとえ知人の手伝いで少額の報酬を得た場合でも、申告が必要です。

また、雇用契約がなくても、報酬を得た場合は収入として申告が必要です。例えば業務委託(フリーランス案件など)や知人の手伝いでもらった報酬など、たとえ単発の仕事で少額の報酬であっても作業時間や収入は失業認定申告書に記載しなければなりません。

正直に申告すれば、減額されることはあっても失業保険自体は受給できます。「黙っていればバレない」と考えるのは危険です。マイナンバー制度や雇用主からの給与支払報告書によって、申告漏れは発覚しやすくなっています。不安な点がある場合は、事前にハローワークの担当者に相談しておくと安心です。

働いた時間で変わる失業保険への影響

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、働いた時間によって給付への影響が異なります。「いつ」「どのくらい」働くかによって、手当の受給額や支給期間が変わってしまうため気をつけなくてはいけません。

具体的には「1日4時間」と「週20時間」が重要なボーダーラインとなります。この基準を理解しておくことで、損をしない働き方を選択できるようになります。

ここでは、労働時間ごとの失業保険への影響を詳しく解説します。

1日4時間以上働いた場合は支給が先送り

1日4時間以上のアルバイトをした場合、1日あたりの労働時間が4時間以上になると、その日は失業保険の基本手当が支給されません。

ただし、支給されなかった分の失業保険がなくなるわけではありません。失業保険の受給中に1日4時間以上働くと、その日は失業保険の支給対象から除外され、支給期間内での繰り越しになります。

つまり、4時間以上働いた日は「就労日」として扱われ、その日の基本手当は後日に回されるという仕組みです。4時間以上働いた日数分、失業保険の支給が先延ばしになってしまいます。

先送りされた失業保険は、所定給付日数の範囲内であれば最終的に受け取ることができます。失業保険は原則として退職日の翌日から1年間は受給できるため、支給が繰り越しになっても1年以内に消化できれば、決められた給付日数分の手当を満額もらうことは可能です。

ただし、注意すべき点があります。支給と繰越をダラダラと繰り返せば、満額もらうまでに相当な期間が必要となります。失業期間が長くなるほど、次の就職にとって不利になる点に注意しましょう。

なお、失業認定日には働いた日を正しく申告する必要があります。1日4時間以上働いた日を「就労(職)」として○印を付けて申告することを忘れないようにしましょう。

1日4時間未満の場合は収入に応じて減額

1日4時間未満の労働は「内職・手伝い」として扱われ、失業保険の支給日数は減りません。しかし、1日4時間以内のパート・アルバイトをした場合、「内職・手伝い」をしたとみなされ、収入額によっては、失業保険の支給額が減額、もしくは支給されない場合があります。

減額されるかどうかは、アルバイト収入と前職の賃金日額、基本手当日額の関係で決まります。アルバイトで得た給与の日額(一定額を控除後)と失業手当(失業保険)の日額を合計した金額が賃金日額の80%以内であれば、失業手当(失業保険)は全額支給されます。

具体的な影響は以下の3パターンに分かれます。

①全額支給される場合 アルバイト収入が少額で、基本手当日額との合計が賃金日額の80%以内に収まる場合は、失業保険は減額されずに満額支給されます。

②減額して支給される場合 給与と失業手当(失業保険)の日額の合計が賃金日額の80%を超えた場合、失業手当(失業保険)は減額されます。超過した分だけ基本手当から差し引かれる仕組みです。

③不支給となる場合 1日のアルバイト収入だけで賃金日額の80%を超えてしまった場合は、その日の失業保険は支給されません。

なお、給与の日額はハローワークで計算してくれるので、自分で計算する必要はありません。いくらまで稼いでも大丈夫か不安な場合は、事前にハローワークの担当者に確認しておくと安心です。

週20時間以上になると受給資格を失う

週の労働時間が20時間以上になると、失業保険の受給に最も大きな影響が出ます。週20時間以上働くと失業保険はもらえない可能性が高くなります。

これは、週20時間以上の労働が雇用保険の加入条件に該当するためです。週20時間以上の労働となる場合は、「就職」の扱いとなります。ですので、週20時間以上で働く場合は、失業給付の受給はできません。

週20時間以上かつ31日以上の雇用契約を結んでしまうと、「就職した」と判断され、失業保険の受給資格そのものを失ってしまいます。この場合、失業保険は支給停止となり、再び受給するには改めて失業状態になる必要があります。

週20時間のカウント方法にも注意が必要です。20時間を超えた週は「就職(就労)」とみなされ、その週は失業保険の給付対象外となります。日曜日から土曜日までの1週間単位で計算されるため、週をまたいでシフトを組む際は合計時間に気をつけましょう。

ただし、突発的な残業などで一時的に週20時間を超えた場合でも、ただちに「就職した」とは見なされません。あくまでも雇用契約上の所定労働時間が基準となるため、繁忙期などで一時的に超過しても即座に受給資格を失うわけではありません。

とはいえ、週20時間を超える状況が続けば問題視される可能性があります。アルバイトを始める際は、シフトを組んでもらう段階で「週20時間未満」になるよう雇用主に伝えておくことが大切です。

失業保険が減額される計算方法と具体例

失業保険を受給しながら1日4時間未満のアルバイトをした場合、収入額によっては基本手当が減額されることがあります。働く時間や収入が増えると、失業保険の受給額が減額されてしまいます。

減額の仕組みは少し複雑ですが、計算式を理解しておけば、どのくらい働けば損をしないかの目安がわかります。ここでは、減額の計算方法と具体的なシミュレーションを紹介します。

減額の計算式と控除額の仕組み

失業保険が減額されるかどうかは、以下の計算式で判断されます。まず、2つの金額を比較します。

A = 賃金日額 × 80% B = 基本手当日額 +(1日のアルバイト収入 − 控除額)

この2つを比較して、BがAを超えた場合に減額となります。失業保険が満額支給されるか、差額が減額されて支給されるか、そもそも失業保険が支給されなくなるのかは、計算式より求めることができます。

計算に必要な「賃金日額」と「基本手当日額」は、失業保険の手続き時に渡される雇用保険受給資格者証で確認できます。四角で囲まれている「14.離職時賃金日額」と「19.基本手当日額」が今回確認する金額です。

控除額について

計算式に出てくる「控除額」は、アルバイト収入から差し引ける金額のことです。この控除額は毎年8月1日に改定されます。

控除額があることで、少額のアルバイト収入であれば失業保険が減額されない仕組みになっています。アルバイトで得た給与の日額(一定額を控除後)と失業手当(失業保険)の日額を合計した金額が賃金日額の80%以内であれば、失業手当(失業保険)は全額支給されます。

なお、給与の日額はハローワークで計算してくれるので、自分で計算する必要はありません。自分で計算するのが難しい場合は、ハローワークの担当者に相談しましょう。

全額支給される収入の目安

失業保険を減額されずに全額受給するためには、1日のアルバイト収入を一定額以下に抑える必要があります。

全額支給の条件は以下のとおりです。

基本手当日額 +(1日のアルバイト収入 − 控除額)≦ 賃金日額 × 80%

この式を満たしていれば、アルバイトをしても失業保険は満額支給されます。

例えば、28歳で前職の1カ月分の賃金が37万5000円の場合、1日あたり5056円までであればアルバイトをしても失業保険を満額受給することができます。

ただし、全額支給される収入の上限は人によって異なります。前職の賃金が高かった人ほど賃金日額も高くなるため、稼げる上限額も上がります。逆に、前職の賃金が低かった人は、少額のアルバイト収入でも減額対象になる可能性があります。

自分がいくらまで稼いでも減額されないかを正確に知りたい場合は、ハローワークの窓口で確認することをおすすめします。雇用保険受給資格者証に記載された賃金日額と基本手当日額をもとに、担当者が計算してくれます。

減額・不支給になるケースの具体例

ここでは、アルバイト収入によって失業保険がどのように変わるか、具体的なケースで見ていきましょう。

【設定条件】

  • 賃金日額:13,000円
  • 基本手当日額:6,500円
  • 控除額:1,331円(※年度によって変動)

ケース①:全額支給される場合

賃金日額が13,000円、基本手当日額が6,500円、アルバイトで1日3,000円の収入を得た場合

計算式に当てはめると、

  • A = 3,000 − 1,331 + 6,500 = 8,169円
  • B = 13,000 × 80% = 10,400円

AがBよりも低いため、失業保険は全額支給されます。

この場合の月額収入は以下のとおりです。

  • 失業保険支給額:6,500円 × 28日 = 182,000円
  • アルバイト代を含む合計:182,000円 + 3,000円 = 185,000円

ケース②:減額して支給される場合

賃金日額が13,000円、基本手当日額が6,500円、アルバイトを3日間実施し合計18,000円の収入を得た場合(1日あたり6,000円)

計算式に当てはめると、

  • A = 6,000 − 1,331 + 6,500 = 11,169円
  • B = 13,000 × 80% = 10,400円

AがBよりも高いため、基本手当日額を減額して支給されます。

減額される金額は「A − B = 11,169 − 10,400 = 769円」となり、アルバイトをした3日間は基本手当日額が5,731円(6,500円 − 769円)に減額されます。

減額支給の場合の月額は、5,731円 × 3日 + 6,500円 × 25日 = 179,693円。アルバイト代を含めると18,000円 + 179,693円 = 197,693円となります。

減額されても、アルバイト収入を合わせると全額支給の場合より総収入は増えています。

ケース③:不支給となる場合

1日のアルバイト収入が賃金日額の80%(この例では10,400円)を超えた場合、その日の失業保険は支給されません。

1日あたり10000円以上稼いでしまうと失業保険の支給額は0円となります。

例えば、時給2,000円で1日3時間(4時間未満)働いて6,000円を稼いだ場合は減額で済みますが、時給2,500円で1日5時間働いて12,500円を稼いだ場合は、その日の失業保険は不支給となります。

このように、アルバイト収入と失業保険の関係は複雑です。損をしない働き方を選ぶためには、自分の賃金日額と基本手当日額を把握し、1日あたりどのくらいまで稼いでも大丈夫かを事前に確認しておくことが大切です。

働きながら受給する際の3つの注意点

失業保険を受給しながらアルバイトをすること自体は認められていますが、ルールを守らないと思わぬペナルティを受ける可能性があります。これらを知らなければ、失業保険もらえなかったり、給付が遅くなったりする可能性があります。

ここでは、働きながら失業保険を受給する際に必ず押さえておきたい3つの注意点を解説します。知らなかったでは済まされないルールばかりなので、アルバイトを始める前にしっかり確認しておきましょう。

申告漏れは不正受給になる

失業保険を受給しながらアルバイトをした場合、必ずハローワークへ申告しなければなりません。不正受給と判断されれば、支給が止まり、これまでに支給されていた額の返還を求められます。雇用形態に関係なく、働いた際はきちんと申告しましょう。

申告は4週間に1度の失業認定日に、「失業認定申告書」を提出して行います。申告漏れや虚偽の報告があると不正受給と判断され、給付停止や返還命令といった重い処分を受ける可能性があります。

申告が必要な内容は以下のとおりです。

  • アルバイトをした日付
  • 1日あたりの労働時間
  • 得た収入の金額
  • 雇用形態や勤務先の情報

働いた時間が短い、また収入がなかった場合でも働いた事実そのものを報告しなければなりません。たとえ知人の手伝いや単発のアルバイトであっても、報酬が発生した場合は必ず申告が必要です。

「少額だからバレないだろう」「手渡しなら大丈夫」と考えるのは危険です。基本的に事業所(アルバイト先)から得た収入に関する情報は、税務署や年金事務所とも共有されているため、未申告の場合はすぐにばれてしまいます。

正直に申告すれば、減額や先送りはあっても失業保険自体は受給できます。申告漏れで不正受給とみなされるリスクを考えれば、正しく申告することが最も賢い選択です。

受給期間は離職後1年以内が原則

失業保険には受給できる期間に制限があります。失業保険が支給される期限は1年間以内です。先延ばしをしすぎて1年を過ぎるとその分は支給されないので注意しましょう。

この「1年間」とは、離職日の翌日から数えて1年間を指します。所定給付日数(失業保険をもらえる日数)が90日や120日であっても、受給できる期間は原則として1年以内に限られています。

1日4時間以上のアルバイトをすると、その日の失業保険は支給されず後日に繰り越されます。しかし、もし、これを長期間繰り返すと「給付期間の上限(原則1年)」を超えてしまい、繰越分が失効する恐れもあります。

例えば、所定給付日数が90日の人が頻繁にアルバイトをして支給を繰り越し続けた場合、離職から1年が経過した時点で残りの給付日数があっても受け取れなくなってしまいます。

受給期間内に失業保険を満額受け取るためには、アルバイトの頻度と給付日数のバランスを考えることが大切です。あまりにもアルバイトを優先しすぎると、本来受け取れるはずの失業保険を失う結果になりかねません。

なお、病気やケガ、妊娠・出産などで働けない期間がある場合は、受給期間を最大4年まで延長できる制度もあります。該当する可能性がある方は、ハローワークで相談してみましょう。

雇用保険に加入すると就職扱いになる

アルバイトをする際に最も注意すべきなのが、雇用保険への加入です。週20時間以上働いた上で、31日以上働くことを前提に雇われてしまうと、雇用保険に加入することになってしまいます。雇用保険に加入してしまうと就職したとみなされ、失業保険の受給ができなくなるので注意しましょう。

雇用保険の加入条件は以下の2つです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用が見込まれる

この2つの条件を両方満たすと、アルバイトであっても雇用保険に加入しなければなりません。アルバイトやパートであっても、雇用保険に加入してしまうと「就職」とみなされるのです。

雇用保険の手続きは雇用主が行うため、自分の意思とは関係なく加入が進められます。手続きは、雇用先がハローワークの窓口でおこなうので、自分の意思とは関係ないタイミングで雇用保険の加入は進められます。

また、契約書上は31日未満の契約でも、以下のケースでは31日以上の雇用とみなされることがあります。

  • 雇用契約に「更新する場合がある」という規定があり、31日未満での雇止めが明記されていない場合
  • 同じ職場で過去に31日以上雇用された労働者がいる場合

アルバイトを始める前には、必ず雇用契約書の内容を確認しましょう。自分が雇用保険の対象になるかわからないときは、働く前にハローワークの担当者に相談してみましょう。

失業保険を受給しながら働きたい場合は、「週20時間未満」「31日未満の契約」という条件を守ることが鉄則です。シフトを組む際は雇用主にこの条件を伝え、雇用保険に加入しない範囲で働けるよう調整してもらいましょう。

不正受給が発覚した場合のペナルティ

失業保険の不正受給は、意図的な場合はもちろん、うっかり申告を忘れた場合でも厳しい処分の対象となります。もし不正受給した場合、失業保険が受給できなくなるどころか、最大で受給金額の3倍の金額を返還しなければならない厳しいペナルティが待っています。

「少しくらいなら大丈夫」「バレなければ問題ない」という考えは非常に危険です。ここでは、不正受給が発覚した場合に課せられるペナルティと、なぜバレてしまうのかを詳しく解説します。

支給停止と全額返還を求められる

不正受給が発覚すると、まず失業保険の支給が停止されます。失業保険を不正受給すると、受け取っている失業保険が停止されます。また、一時的な停止ではなく一定期間停止されるケースもあり、一度停止されると基本的には再受給できなくなります。

支給停止に加えて、不正に受け取った金額の全額返還も求められます。不正に受給した失業保険は、全額返還しなければなりません。不正に得た失業給付金の返還命令は単なる注意勧告ではなく、法的義務のため即時返還を求められます。

具体的には、以下のような処分が下されます。

  • 支給停止:不正があった日以降の失業保険がすべて支給されなくなる
  • 返還命令:不正に受給した金額の全額を返還する義務が発生
  • 受給資格の喪失:将来にわたって失業保険の受給資格を失う可能性がある

失業保険が停止されれば収入も途絶えてしまうため、絶対に不正受給しないように気を付けましょう。

たとえ悪意がなく、単なる申告漏れであっても不正受給とみなされる可能性があります。自分ではそのつもりがなかったとしても、不正受給にあたるケースもあるため注意が必要です。「知らなかった」は言い訳になりません。

悪質な場合は3倍返しの納付命令も

不正受給が悪質と判断された場合、返還命令に加えてさらに重いペナルティが課せられます。返還だけで終わらず、ペナルティとして最大2倍の追徴金が上乗せされます。そのため、ケースによっては「受給額の3倍」を支払うことになります。

これがいわゆる「3倍返し」と呼ばれるペナルティです。

「納付命令」が下され、返還命令による全額返還にくわえ、不正受給した金額の最大2倍の納付が必要です。すると合計で3倍の金額を返還することになるため「3倍返し」と呼ばれているのです。

さらに、返還が遅れた場合は延滞金も発生します。不正受給分の返納額に対して、不正受給を開始した日からの延滞金も同時に支払わなければなりません。

例えば、50万円の不正受給が発覚した場合、以下のような支払いが発生する可能性があります。

  • 返還命令:50万円(不正受給額の全額)
  • 納付命令:100万円(不正受給額の2倍)
  • 延滞金:金額に応じて加算

合計で150万円以上の支払いを求められることになります。

さらに悪質なケースでは、刑事告訴される可能性もあります。刑事告訴されると罰金や懲役などの刑事罰を科されるだけでなく前科がつくリスクもあるため、日常生活や就職活動に大きな影響を与えます。

マイナンバーや事業所調査でバレる

「申告しなければバレない」と考える人もいるかもしれませんが、不正受給は高い確率で発覚します。ハローワークは様々な方法で不正を調査しています。

①マイナンバーによる情報連携

マイナンバー制度によって、収入に関する情報共有は年金事務所も含めて行われやすく、収入の未申告は簡単にバレてしまいます。

マイナンバーを通じて、税務署や年金事務所、ハローワーク間で収入情報が共有されるため、申告していない収入があれば照合によって発覚します。

②事業所調査

ハローワークの事業所調査でも、失業保険の不正受給はバレます。事業所(会社や店舗など)は、雇用形態・金額を問わず、各地方自治体に給与支払報告書を提出しなければなりません。

アルバイト先が提出する給与支払報告書とハローワークへの申告内容が照合され、矛盾があれば不正受給が発覚します。

③雇用保険の加入手続き

アルバイトやパートで週20時間以上働く場合などは雇用保険への加入が義務となるため、就労先で雇用保険の手続きが行われます。この手続きによって、就労の事実がハローワークに伝わります。

④第三者からの通報

失業保険を受け取りながらパート・アルバイトで働いていることを見聞きした人が、ハローワークに通報してバレるケースです。同僚や知人との会話から情報が広まり、通報されることもあります。

ハローワークは定期的に事業所調査を行い、給与支払報告書などのデータと受給者の申告内容を照合しているため、5年間ばれずに不正受給を続けることは不可能です。

不正受給のリスクを考えれば、正直に申告することが最善の選択です。少しでも不安な点があれば、アルバイトを始める前にハローワークの担当者に相談しておきましょう。

早期再就職なら再就職手当も検討しよう

失業保険を受給しながら週20時間未満でアルバイトを続けるのも一つの選択肢ですが、早期に安定した仕事に就くことで受け取れる「再就職手当」も検討してみましょう。

再就職手当とは、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の受給資格がある人が、再就職や開業により早期に就業した場合に支給される手当です。早めに次の仕事を見つけた人へのインセンティブ(報奨金)のような位置付けとなっています。

週20時間以上働きたい場合や、良い求人が見つかった場合は、再就職手当を活用することでまとまった金額を受け取れる可能性があります。

再就職手当の受給条件と金額

再就職手当を受け取るには、複数の条件をすべて満たす必要があります。再就職手当を受けるためには、厚生労働省が定めた8つの条件を「全て」満たした上で手続きを行う必要があります。

主な受給条件は以下のとおりです。

  • 受給手続きの後、7日間の待期期間を満了した後に就職した、または事業を開始したこと
  • 就職日前日までの失業認定を受け、所定給付日数の3分の1以上の支給残日数があること
  • 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと
  • 1年以上の勤務が見込まれること
  • 雇用保険の被保険者として雇用されること

自己都合退職などで給付制限を受けている場合、待期満了後1カ月以内に再就職する際には注意が必要です。ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介による就職でなければ、支給対象外となる可能性があります。

再就職手当の金額

再就職手当の金額は、失業保険の支給残日数によって変わります。退職後の就職・開業が早いほど手当の給付率が高く、より多くの再就職手当が受け取れます。

計算式は以下のとおりです。

再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率

給付率は支給残日数によって決まります。

  • 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合:給付率70%
  • 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合:給付率60%

例えば、基本手当日額が5,000円、所定給付日数が90日の人が、給付日数を全日残して再就職した場合、以下のように計算されます。

  • 5,000円 × 90日 × 70% = 315,000円

早期に再就職するほど給付率が高くなるため、まとまった金額を受け取ることができます。

失業保険と再就職手当どちらがお得か

失業保険を満額受け取るか、早めに再就職して再就職手当をもらうか、迷う方も多いでしょう。受給できる総額だけを比べると、再就職手当よりも失業保険の方が多く手当が支給されます。

しかし、単純に金額だけで比較するのは得策ではありません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で判断することが大切です。

失業保険を満額受給するメリット

  • 所定給付日数分の失業保険を全額受け取れる
  • 時間をかけてじっくり転職活動ができる

失業保険を満額受給するデメリット

  • 失業保険は前職でもらっていた給与の50〜80%が支給されるため、早々に転職を決めないと生活が苦しくなるデメリットもあります
  • 失業期間が長くなると、転職活動で不利になる可能性がある

再就職手当を受給するメリット

  • 早く再就職を決めることにより、再就職先からの給与と再就職手当が受給できるため、収入が安定します
  • 再就職手当は非課税のため、再就職先での年末調整や確定申告が不要になる点もメリットといえます
  • 再就職手当を受け取ったのち、離職することになったとしても、返金する必要がない点もメリットです

再就職手当を受給するデメリット

  • 再就職手当は、失業手当の支給残日数に応じて金額が決まりますが、支給されるのは満額受け取った場合の支給残日数の6割または7割にとどまります
  • 焦って希望に合わない職場に就職してしまうリスクがある

結論として、失業保険と再就職手当では、どちらがお得になるかは人それぞれです。

早期に良い求人が見つかった場合は、再就職手当を活用して新しいキャリアをスタートさせるのが賢明です。一方、じっくり転職活動をしたい場合は、失業保険を受給しながら週20時間未満のアルバイトで生活費を補う方法も有効です。

失業保険の受給中は、手当で得するよりも自分に適した職場探しを重視するべきです。金額だけにとらわれず、自分のキャリアプランに合った選択をしましょう。

まとめ:ルールを守れば失業保険と働くことの両立は可能

失業保険を受給しながらアルバイトやパートで働くことは、ルールを守れば問題なく両立できます。本記事で解説した内容を改めて整理しておきましょう。

大切なのは、自分の状況に合った働き方を選ぶことです。週20時間未満のアルバイトで収入を得ながらじっくり転職活動をするのか、早めに再就職して再就職手当を受け取るのか、どちらが自分にとって最適かを考えましょう。

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この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。バックオフィス部門も統括。総務、労務にも精通している。

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