うつ病で休職や退職を考えているけれど、「ずるいと思われるのでは」と不安を感じていませんか?
本記事では、「ずるい」と思われてしまう理由や正当な権利である根拠、周囲との摩擦を防ぐ対処法、活用できる支援制度まで詳しく解説します。
うつ病で休職・退職が「ずるい」と思われる5つの理由

うつ病による休職や退職に対して「ずるい」と感じる人が一定数いるのは事実です。しかし、その多くはうつ病という病気への理解不足や、職場環境の問題が背景にあります。
なぜ「ずるい」と思われてしまうのか、その理由を正しく理解することで、周囲との摩擦を減らし、適切な対応を取るヒントが見えてきます。
ここでは、うつ病での休職・退職が「ずるい」と思われてしまう5つの理由を解説します。
うつ病への理解不足と偏見がある
うつ病が「ずるい」と思われる最大の原因は、病気に対する理解不足です。
うつ病は脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることで発症する、れっきとした病気です。しかし、多くの人はうつ病を「気分の落ち込み」や「精神的な弱さ」と誤解しています。
「気の持ちようで治る」「頑張れば乗り越えられる」といった誤った認識から、休職や退職を「甘え」や「怠け」と捉えてしまう人も少なくありません。
また、メンタルヘルスに関する話題はいまだにタブー視される傾向があり、オープンに語られる機会が少ないことも、正しい理解が広まらない一因です。
こうした偏見を解消するためには、職場でのメンタルヘルス研修や啓発活動が重要になります。
業務負担のしわ寄せに不満がある
誰かがうつ病で休職すると、その人の業務を残された社員がカバーしなければなりません。急な引き継ぎで業務量が増えたり、残業が増加したりと、周囲への負担は避けられないものです。
このような状況が続くと、「なぜ自分たちばかりが大変な思いをするのか」という不満が生まれ、休職者に対して「ずるい」という感情が向けられることがあります。
しかし、この不満の根本的な原因は休職した本人ではなく、人員配置や業務分担を適切に行わない会社側にあります。
一人が抜けただけで回らなくなる職場環境こそが問題であり、休職者を責めるのは筋違いといえるでしょう。
傷病手当金の受給にやっかみがある
うつ病で休職すると、健康保険から傷病手当金を受け取れる場合があります。傷病手当金は給与のおよそ3分の2が支給され、最長1年6ヶ月間受給できる制度です。
働いている側からすると、「休んでいるのにお金がもらえるなんて不公平だ」と感じてしまうことがあります。特に、毎日忙しく働いている人ほど、このような感情を抱きやすい傾向があります。
しかし、傷病手当金は労働者の健康を守るために設けられた正当な制度です。受給には医師の診断書が必要であり、不正に利用しているわけではありません。
傷病手当金への不満は、制度への理解不足から生じているケースがほとんどです。
目に見えない症状への疑念がある
うつ病は外見からは症状がわかりにくい病気です。骨折や風邪のように目に見える症状がないため、周囲の人が深刻さを理解しにくいという特徴があります。
「見た目は元気そうなのに休んでいる」「本当に働けないのか疑わしい」といった疑念が生まれ、「仮病ではないか」「サボっているだけでは」と思われてしまうことがあります。
また、うつ病の症状には波があり、調子の良い日もあれば悪い日もあります。たまたま調子が良い姿を見た人が「元気じゃないか」と誤解するケースも少なくありません。
目に見えないからこそ理解されにくい——これがうつ病患者が抱える大きな困難の一つです。
休職制度への誤解がある
休職制度そのものへの誤解から、「ずるい」と感じる人もいます。
「休職すれば好きなだけ休める」「働かなくても給料がもらえる」といった誤った認識を持っている人は少なくありません。
実際には、休職期間には上限があり、傷病手当金も給与の全額ではありません。また、休職中は昇給や賞与に影響が出たり、社会的なキャリアが一時的にストップしたりするデメリットもあります。
休職は決して楽な選択ではなく、本人にとっても精神的・経済的な負担をともなう決断です。
休職制度の正しい仕組みを理解すれば、「ずるい」という感情は生まれにくくなるでしょう。
うつ病での休職・退職はずるくない!正当な理由と権利

「ずるい」と思われることを恐れて、無理に働き続けていませんか?
結論から言えば、うつ病で休職・退職することは決して「ずるい」ことではありません。うつ病は医学的に認められた病気であり、適切な治療と休養が必要です。そして、労働者には心身の健康を守るために休む権利があります。
ここでは、うつ病での休職・退職が正当である理由を3つの観点から解説します。
うつ病は治療と休養が必要な病気である
うつ病は「心の風邪」と表現されることがありますが、実際はそれよりも深刻な病気です。脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスが崩れることで発症し、適切な治療なしに自然回復することは難しいとされています。
主な症状には、強い抑うつ感、意欲や集中力の低下、不眠、食欲減退、強い疲労感などがあります。これらの症状があるまま働き続けることは、骨折した足で走り続けるようなものです。回復が遅れるだけでなく、症状が悪化して長期化するリスクもあります。
うつ病の治療には、投薬治療やカウンセリングに加えて、十分な休養が欠かせません。厚生労働省も、うつ病の回復には「休養」「薬物療法」「精神療法」の3つが重要であると示しています。
つまり、休職や退職は治療の一環であり、回復するために必要な選択なのです。「甘え」でも「怠け」でもなく、病気を治すための正当な行動といえます。
労働者には休職・退職する権利がある
日本の法律では、労働者の健康と安全を守る仕組みが整えられています。労働基準法や労働安全衛生法により、企業には従業員の心身の健康を守る「安全配慮義務」が課せられています。
この義務には、メンタルヘルスへの配慮も含まれます。職場のストレスや過重労働が原因でうつ病を発症した場合、会社は労働環境の改善や適切な対応を行う責任があります。
また、多くの企業には就業規則で休職制度が定められており、一定の条件を満たせば休職を取得する権利があります。休職期間は企業によって異なりますが、数ヶ月から1年以上認められるケースもあります。
退職についても同様です。労働者には退職の自由があり、民法では期間の定めのない雇用契約の場合、2週間前に申し出れば退職できると定められています。うつ病を理由に退職することは、何ら問題のない正当な行為です。
自分の健康を守るために休職や退職を選ぶことは、法律で認められた労働者の権利なのです。
傷病手当金は正当な制度利用である
休職中の経済的な不安を軽減するために、傷病手当金という制度があります。これは、病気やケガで働けなくなった場合に、健康保険から給付を受けられる制度です。
傷病手当金の主な受給条件は以下のとおりです。
- 業務外の病気やケガで療養中であること
- 療養のために働けない状態であること
- 連続して3日間仕事を休み、4日目以降も休んでいること
- 休職中に給与が支払われていないこと
支給額は標準報酬日額の3分の2で、最長1年6ヶ月間受給できます。うつ病も支給対象となる病気であり、医師の診断書があれば申請が可能です。
「働かずにお金をもらうのはずるい」という声もありますが、傷病手当金は労働者が健康保険料を支払うことで得られる正当な権利です。病気で働けない期間の生活を支えるために設けられた制度であり、堂々と利用して問題ありません。
この制度を活用することで、経済的な心配を減らし、治療に専念できる環境を整えられます。必要なときに必要な制度を使うことは、決して「ずるい」ことではないのです。
「ずるい」と思われないための4つの対処法

うつ病での休職・退職は正当な権利ですが、周囲との関係を円滑に保つことも大切です。適切な対応を取ることで、不要な誤解やトラブルを避けられます。
「ずるい」と思われることへの不安を軽減し、安心して療養に専念するために、押さえておきたい4つの対処法を紹介します。
専門医の診断を受け正式に確認する
休職や退職を検討する前に、まずは精神科や心療内科で専門医の診断を受けましょう。自己判断で「うつ病かもしれない」と思っていても、正式な診断がなければ周囲の理解を得ることは難しくなります。
専門医の診断を受けるメリットは以下のとおりです。
- 症状の程度や治療の必要性を客観的に把握できる
- 会社への診断書を発行してもらえる
- 傷病手当金の申請に必要な書類を準備できる
- 適切な治療方針を立てられる
診察では、日常生活での困りごとや仕事への影響を具体的に伝えることが大切です。「眠れない日が続いている」「集中力が落ちてミスが増えた」など、具体的なエピソードを整理しておくとスムーズです。
医師の診断書があれば、会社や周囲に対して「正式に治療が必要な状態である」と示せます。これにより、「本当に病気なのか」という疑念を払拭しやすくなります。
上司・人事に早めに状況を相談する
体調の異変を感じたら、できるだけ早い段階で上司や人事部門に相談しましょう。ギリギリまで隠していると、急な休職で周囲に大きな負担をかけることになり、「無責任だ」という印象を与えかねません。
相談する際のポイントは以下のとおりです。
- 現在の体調と医師からの指示を正直に伝える
- 業務への影響や今後の見通しを共有する
- 休職制度や傷病手当金について確認する
- 可能であれば産業医やカウンセラーにも相談する
早めに相談することで、業務量の調整や配置転換など、休職以外の選択肢が見つかる可能性もあります。また、会社側も引き継ぎや人員配置の準備ができるため、スムーズな対応につながります。
相談しにくい場合は、メールや書面で伝えることも一つの方法です。直接話すのが難しい状態であれば、無理をする必要はありません。
できる限り丁寧に業務を引き継ぐ
休職や退職が決まったら、可能な範囲で業務の引き継ぎを行いましょう。丁寧な引き継ぎは、残される同僚への配慮になるだけでなく、「責任を果たした」という自分自身の安心感にもつながります。
引き継ぎで準備しておくべき内容は以下のとおりです。
- 担当業務の一覧と進捗状況
- 重要な書類やデータの保存場所
- 取引先や関係者の連絡先
- 注意点やトラブル対応のノウハウ
- 今後のスケジュールや期限
これらをできるだけ文書化しておくと、後任者が困ったときに参照できます。口頭だけでなく、メールやドキュメントで残しておくことが大切です。
ただし、体調が悪い中での作業は負担になります。すべてを完璧にこなす必要はありません。自分のペースで、できる範囲で取り組みましょう。上司と相談しながら、優先順位をつけて進めることが重要です。
休職中はSNS投稿を控える
休職中のSNS投稿には十分な注意が必要です。何気ない投稿が誤解を招き、「本当に休む必要があるのか」「遊んでいるだけでは」と疑われる原因になることがあります。
特に避けるべき投稿は以下のとおりです。
- 旅行や外出先での写真
- 趣味やレジャーを楽しんでいる様子
- 平日の日中にアクティブな活動をしている投稿
- 会社や同僚に関する愚痴や不満
うつ病の治療には気分転換も大切であり、外出や趣味を楽しむこと自体は問題ありません。しかし、SNSでその様子を発信すると、事情を知らない人からは「元気そうに見える」と誤解されがちです。
また、同僚や上司がSNSを見ている可能性もあります。投稿内容が職場に伝わり、復帰後の人間関係に影響するリスクも考慮しましょう。
休職中はSNSから距離を置き、治療と休養に集中することをおすすめします。どうしても発信したい場合は、公開範囲を限定するか、投稿内容を慎重に選ぶようにしてください。
うつ病で休職・退職する前にやるべき5つのこと

休職や退職は大きな決断です。焦って判断すると、後悔したり、経済的に困ったりする可能性があります。
体調が辛い中でも、できる範囲で準備を整えておくことで、安心して療養に専念できる環境を作れます。
ここでは、うつ病で休職・退職する前にやるべき5つのことを解説します。
医師に相談し症状を正確に把握する
まず最初にすべきことは、専門医への相談です。「自分はうつ病かもしれない」と感じていても、自己診断だけで休職や退職を決めるのはリスクがあります。
精神科や心療内科を受診し、以下の点を確認しましょう。
- 現在の症状がうつ病に該当するかどうか
- 症状の程度と治療の必要性
- 休養が必要な期間の目安
- 治療方針や服薬の必要性
医師は問診や検査を通じて、客観的に状態を評価してくれます。うつ病以外の病気が隠れている可能性もあるため、専門家の診断は欠かせません。
また、診断書は休職の申請や傷病手当金の申請に必要となります。早めに受診しておくことで、その後の手続きもスムーズに進められます。
症状が辛くて病院に行く気力がない場合は、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。
身近な人や専門窓口に相談する
一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することも大切です。家族や友人、信頼できる同僚に状況を話すことで、精神的なサポートを得られます。
身近な人に相談するメリットは以下のとおりです。
- 客観的な視点からアドバイスをもらえる
- 気持ちを吐き出すことで心が軽くなる
- いざというときに助けてもらえる関係を築ける
身近な人に話しにくい場合は、専門の相談窓口を利用しましょう。厚生労働省が運営する「こころの耳」では、電話やメールで無料相談ができます。匿名で相談できるため、プライバシーが気になる方でも安心です。
また、会社に産業医やカウンセラーがいる場合は、そちらに相談するのも有効です。職場の状況を理解したうえで、具体的なアドバイスをもらえる可能性があります。
家計の状況を確認しておく
休職や退職をすると、収入が減少または途絶えます。療養に専念するためにも、経済的な見通しを立てておくことは重要です。
確認しておくべき項目は以下のとおりです。
- 現在の貯蓄額
- 毎月の固定費(家賃、光熱費、保険料、ローンなど)
- 生活費の最低ライン
- 傷病手当金や失業保険で受け取れる金額
- 受給できる期間と申請方法
傷病手当金は給与の約3分の2が支給されますが、それでも収入は減ります。生活費をまかなえるかどうか、事前にシミュレーションしておきましょう。
もし経済的に厳しい場合は、自治体の福祉制度や生活保護の利用も選択肢に入ります。お金の心配が大きいと回復にも影響するため、使える制度は積極的に活用しましょう。
仕事が原因のうつ病か考える
うつ病の原因が仕事にあるかどうかを考えることも大切です。原因によって、取るべき対応や利用できる制度が変わってきます。
仕事が原因として考えられるケースは以下のとおりです。
- 長時間労働や過重な業務が続いていた
- パワハラやセクハラを受けていた
- 人間関係のトラブルが長期化していた
- 異動や配置転換で大きなストレスを感じた
仕事が原因でうつ病を発症した場合、労災として認定される可能性があります。労災認定を受けると、治療費の補償や休業補償給付を受けられます。
また、仕事以外に原因がある場合もあります。家庭の問題、人間関係、環境の変化など、複合的な要因が絡んでいることも少なくありません。
原因を明確にすることで、休職後に同じ環境に戻るべきか、転職を検討すべきかの判断材料にもなります。
休職・退職以外の選択肢を検討する
休職や退職は最終手段として考え、まずは他の選択肢がないか検討してみましょう。状況によっては、働き方を調整することで症状が改善する場合もあります。
検討できる選択肢は以下のとおりです。
- 業務量や勤務時間の調整
- 部署異動や配置転換
- リモートワークへの切り替え
- 時短勤務や休暇の取得
- 産業医やカウンセラーによるサポート
これらの選択肢を上司や人事に相談し、会社として対応可能かどうか確認してみましょう。企業には従業員の健康を守る義務があるため、相談に応じてもらえる可能性があります。
ただし、無理をして働き続けることで症状が悪化するリスクもあります。医師と相談しながら、自分にとって最善の選択肢を見つけることが大切です。
休職や退職が必要だと判断した場合は、罪悪感を持つ必要はありません。自分の健康を守ることを最優先に考えましょう。
うつ病休職中に活用できる支援制度と相談先

うつ病で休職や退職をする際、最も不安になるのが経済面ではないでしょうか。しかし、日本には働けなくなった人を支える様々な支援制度が用意されています。
これらの制度を正しく理解し、適切に活用することで、経済的な心配を減らしながら治療に専念できます。
ここでは、うつ病休職中に活用できる主な支援制度と相談先を紹介します。
傷病手当金の受給条件と申請方法
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった際に健康保険から支給される給付金です。うつ病も支給対象となるため、休職中の生活を支える重要な制度です。
傷病手当金を受給するための条件は以下のとおりです。
- 健康保険に加入していること(国民健康保険は対象外)
- 業務外の病気やケガで療養中であること
- 療養のために働けない状態であること
- 連続して3日間休み、4日目以降も休んでいること
- 休職中に給与が支払われていない、または傷病手当金より少ないこと
支給額は、標準報酬日額の3分の2です。例えば、月給30万円の場合、1日あたり約6,667円、月額で約20万円が支給される計算になります。支給期間は最長1年6ヶ月間です。
申請の流れは以下のとおりです。
- 会社の人事部門に傷病手当金の申請を希望することを伝える
- 申請書を入手する(協会けんぽまたは健康保険組合から)
- 医師に「療養のため労務不能である」旨の証明を記入してもらう
- 会社に勤務状況や給与支払い状況を記入してもらう
- 必要書類を揃えて健康保険に提出する
申請から支給までは通常2週間〜1ヶ月程度かかります。退職後も継続して受給できる場合があるため、詳細は健康保険組合に確認しましょう。
失業保険(雇用保険)の受給条件
退職後の生活を支える制度として、失業保険(正式には雇用保険の基本手当)があります。再就職するまでの間、一定期間にわたって給付金を受け取れます。
失業保険の基本的な受給条件は以下のとおりです。
- 雇用保険に一定期間以上加入していたこと(原則として離職前2年間に12ヶ月以上)
- 働く意思と能力があること
- ハローワークで求職の申し込みをしていること
ただし、うつ病で退職した場合、「働く意思と能力がある」という条件がネックになることがあります。すぐに働ける状態でない場合は、受給期間の延長手続きを行いましょう。最長3年間まで延長でき、回復後に受給を開始できます。
また、うつ病が理由での退職は「正当な理由のある自己都合退職」と認められる場合があります。この場合、通常の自己都合退職よりも早く給付を受けられる可能性があります。
さらに、医師の診断書があれば「就職困難者」として認定されることもあります。就職困難者に該当すると、給付日数が最大300日(45歳以上65歳未満の場合は360日)に延長されます。
詳しい条件や手続きは、ハローワークの窓口で相談してください。
労災認定される可能性と申請の流れ
うつ病の発症原因が仕事にある場合、労災として認定される可能性があります。労災認定を受けると、治療費の全額補償や休業補償給付など、手厚い保護を受けられます。
労災認定の対象となりうるケースは以下のとおりです。
- 月80時間を超える長時間労働が続いていた
- パワハラやセクハラを受けていた
- 重大な事故やトラブルに遭遇した
- 急激な業務量の増加や配置転換があった
労災申請の流れは以下のとおりです。
- 労働基準監督署に相談し、申請に必要な書類を確認する
- 医師に労災用の診断書を作成してもらう
- 申請書類に必要事項を記入する
- 勤務状況を証明する資料(勤怠記録、メールなど)を準備する
- 労働基準監督署に書類を提出する
- 調査を経て認定の可否が決定される
労災認定の審査には数ヶ月から1年以上かかることもあります。会社が協力的でない場合は、弁護士や社会保険労務士に相談することも検討しましょう。
なお、退職後でも労災申請は可能です。発症から5年以内であれば申請できるため、在職中に申請できなかった場合でも諦める必要はありません。
こころの耳・労働基準監督署への相談
経済的な支援制度だけでなく、相談できる窓口を知っておくことも大切です。専門家に話を聞いてもらうことで、適切な対処法や利用できる制度の情報を得られます。
主な相談先は以下のとおりです。
こころの耳(厚生労働省)
働く人のメンタルヘルスに特化した相談窓口です。電話やメール、SNSで無料相談ができます。匿名で利用でき、プライバシーも守られるため、誰にも知られずに相談したい方におすすめです。
相談できる内容は、仕事のストレス、休職・退職の悩み、職場の人間関係など多岐にわたります。専門のカウンセラーが対応してくれるため、安心して話せます。
労働基準監督署
労働条件や職場環境に関する相談ができる公的機関です。長時間労働やパワハラが原因でうつ病を発症した場合、会社への指導を求めることも可能です。
労災申請の窓口でもあるため、労災認定について相談したい場合は労働基準監督署を訪ねましょう。全国に設置されており、管轄の監督署は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
その他の相談先
- 産業医・社内カウンセラー:職場の状況を理解したうえでアドバイスをもらえる
- 地域の精神保健福祉センター:メンタルヘルス全般の相談が可能
- 弁護士・社会保険労務士:労災申請や会社とのトラブルに関する専門的なサポート
一人で悩まず、専門家の力を借りることで、より良い解決策が見つかります。どこに相談すればいいかわからない場合は、まず「こころの耳」に連絡してみてください。
うつ病で休職した後に復帰する際の注意点

休職期間を経て職場に復帰することは、回復に向けた大きな一歩です。しかし、復帰後の対応を誤ると、人間関係がぎくしゃくしたり、再び体調を崩したりするリスクがあります。
スムーズに職場復帰を果たし、長く働き続けるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、うつ病で休職した後に復帰する際の注意点を3つ紹介します。
感謝の気持ちを伝えてから復帰する
復帰初日には、休職中に業務をカバーしてくれた同僚や上司に感謝の気持ちを伝えましょう。シンプルな言葉で構いません。
伝え方の例は以下のとおりです。
- 「休んでいる間、フォローしていただきありがとうございました」
- 「ご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで回復できました」
- 「皆さんのサポートに感謝しています。またよろしくお願いします」
感謝の言葉を伝えることで、周囲との関係を良好な状態でスタートできます。休職中に同僚が負担を感じていた場合でも、誠実な姿勢を見せることで、わだかまりが解消されやすくなります。
ただし、必要以上に申し訳なさを強調したり、卑屈な態度を取ったりする必要はありません。過度にへりくだると、かえって居心地の悪さを感じることになります。
うつ病で休職したことは恥ずかしいことではありません。感謝の気持ちは伝えつつも、対等な立場で同僚と接することを心がけましょう。
積極的なコミュニケーションを心がける
休職中は職場との接点がなくなるため、復帰後に人間関係への不安を感じる方は少なくありません。その不安を解消するには、自分から積極的にコミュニケーションを取ることが効果的です。
心がけたいコミュニケーションは以下のとおりです。
- 出社時や退社時の挨拶を欠かさない
- 休憩時間に同僚と雑談する機会を作る
- わからないことがあれば遠慮せずに質問する
- 業務の進捗や困っていることを上司に報告する
最初は緊張してうまく話せないかもしれません。それでも、明るく振る舞おうとする姿勢を見せることで、徐々に周囲との距離は縮まっていきます。
また、上司や人事との定期的な面談を設けてもらうのもおすすめです。復帰後の状況を共有し、困っていることがあれば早めに相談できる環境を作っておきましょう。
周囲とのコミュニケーションが円滑になれば、安心して働ける職場環境を取り戻せます。
無理のないペースで業務に戻る
復帰後にやってしまいがちなのが、「休んだ分を取り戻そう」と無理をしてしまうことです。しかし、いきなりフルパワーで働くと、再び体調を崩すリスクが高まります。
復帰直後は、以下の点を意識しましょう。
- 最初は業務量を抑えてもらい、段階的に増やしていく
- 残業や休日出勤は避け、定時で帰ることを優先する
- 体調に異変を感じたら、すぐに上司や産業医に相談する
- 十分な睡眠と規則正しい生活リズムを維持する
多くの企業では、復職支援プログラムやリハビリ勤務制度を設けています。短時間勤務から始めて徐々に勤務時間を延ばしていく方法もあるため、会社の制度を確認してみてください。
焦る気持ちはわかりますが、うつ病の再発率は決して低くありません。長く働き続けるためにも、最初は「70%の力で十分」という意識を持つことが大切です。
自分のペースを守りながら、少しずつ仕事に慣れていきましょう。周囲の理解を得ながら、無理なく働ける環境を整えることが、安定した職場復帰への近道です。
まとめ:うつ病の休職・退職はずるくない!自分を守る選択を

うつ病で休職や退職をすることは、決して「ずるい」ことではありません。
「ずるい」と思われてしまう背景には、うつ病への理解不足や業務負担への不満、傷病手当金へのやっかみなどがあります。しかし、これらは誤解や偏見から生まれるものであり、あなたが責められる理由にはなりません。
自分を守る選択をすることは、未来の自分を救うことにつながります。
