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失業保険の就職活動とは?必要な回数・認められる活動・実績の作り方を解説

失業保険を受給するには、認定日までに一定回数の就職活動(求職活動実績)が必要です。

本記事では、失業保険の求職活動実績として認められる活動・認められない活動から、必要な回数、効率的な実績の作り方、注意点まで網羅的に解説します。

目次

失業保険の受給に必要な就職活動(求職活動実績)とは

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)を受け取るためには、ハローワークに対して「就職活動をしている」ことを証明する必要があります。この証明のことを「求職活動実績」と呼び、認定日ごとに一定回数以上の実績がなければ、その期間の失業保険は支給されません。

具体的には、ハローワークでの職業相談や求人への応募、セミナーへの参加など、客観的に確認できる就職活動を行い、その実績を「失業認定申告書」に記載して提出するという流れになります。

つまり、失業保険は「退職したら自動的にもらえるお金」ではなく、再就職に向けて積極的に動いていることが前提の制度です。ここでは、求職活動実績がなぜ必要なのか、具体的に何回の活動が求められるのか、そして認定日までの手続きの流れを詳しく解説していきます。

求職活動実績が必要な理由

失業保険は、雇用保険法に基づく給付制度であり、「働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態の方」を支援する目的で設けられています。つまり、単に仕事を辞めただけではなく、再就職に向けて積極的に動いていることが受給の大前提です。

ハローワークはこの「働く意思」を客観的に確認するために、求職活動実績の提出を求めています。求職活動実績がないと「就職する意思がない」と判断され、その認定期間の失業保険は不支給となってしまいます。

ただし、ここでいう不支給はあくまで「その認定期間分が先送りになる」という意味であり、受給資格そのものが消滅するわけではありません。受給期間(原則として離職日の翌日から1年間)の範囲内であれば、次回以降の認定日に実績を満たすことで受給を再開できます。

認定日までに必要な活動回数

失業保険の認定日は4週間(28日)に1回のペースで設定されます。原則として、前回の認定日から今回の認定日の前日までの間に2回以上の求職活動実績が必要です。

ただし、初回認定日や退職理由によって必要な回数は異なります。ここでは「自己都合退職」と「会社都合退職」のそれぞれのケースに分けて、必要回数を確認していきましょう。

自己都合退職の場合の回数

自己都合退職の場合は、7日間の待機期間に加えて給付制限期間が設けられます。2025年4月の法改正により、通常の自己都合退職では給付制限期間が従来の2か月から1か月に短縮されました。ただし、5年以内に3回以上自己都合退職をした場合は3か月の制限となる点に注意が必要です。

自己都合退職者の求職活動の必要回数は、以下のとおりです。

初回認定日まで:1回以上 受給資格決定後に実施される「雇用保険受給者初回講習」への参加が1回分としてカウントされるため、初回認定日までに別途活動を行う必要は基本的にありません。

給付制限期間中(初回認定日〜給付制限明けの認定日まで):2回以上 給付制限期間中も求職活動実績は求められます。初回講習を除いて2回以上の実績が必要です。

2回目以降の認定日:毎回2回以上 給付制限が明けた後は、4週間ごとの認定期間に2回以上の求職活動実績を積み重ねていく必要があります。

会社都合退職の場合の回数

会社都合退職(特定受給資格者)や正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)の場合、給付制限期間はありません。待機期間の7日間が終了すれば、すぐに給付の対象となります。

会社都合退職者の求職活動の必要回数は、以下のとおりです。

初回認定日まで:1回以上 自己都合退職と同様に、雇用保険受給者初回講習への参加が1回分として認められるため、追加の活動がなくても初回認定は問題ありません。

2回目以降の認定日:毎回2回以上 2回目以降は、自己都合退職者と同じく認定期間ごとに2回以上の求職活動実績が必要です。

会社都合退職の場合は給付制限がない分、初回の振り込みまでが早く、待機期間7日間の後、初回認定日から約1週間で最初の失業手当が口座に振り込まれます。

失業認定日までの流れと手続き

失業保険の受給開始から認定日までの全体的な流れを把握しておくと、必要な活動のタイミングが明確になります。以下が、離職後から失業保険を受け取るまでの基本的なステップです。

①ハローワークで求職の申し込みをする 離職票などの必要書類を持参し、住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みと受給資格の決定手続きを行います。この日が「受給資格決定日」となり、ここから7日間の待機期間が始まります。

②待機期間(7日間)を過ごす 受給資格決定日から7日間は「待機期間」として、就業してはならない期間です。この7日間はアルバイトも原則として控える必要があります。

③雇用保険受給者初回講習に参加する 待機期間終了後に実施される説明会・講習会に参加します。ここで「雇用保険受給資格者証」や「失業認定申告書」を受け取り、今後の認定日のスケジュールも確認できます。初回講習への参加は求職活動実績1回分としてカウントされます。

④求職活動を行い実績を作る 認定日の前日までに、必要な回数の求職活動を行います。ハローワークでの職業相談、求人への応募、セミナー参加などが該当します。

⑤失業認定日にハローワークへ出向く 指定された認定日に本人がハローワークに行き、失業認定申告書を提出します。求職活動実績や就労状況、健康状態の確認が行われ、認定を受けることができます。

⑥失業手当が振り込まれる 認定日から約5営業日〜1週間で、指定した銀行口座に失業手当が振り込まれます。

以降は④〜⑥を4週間ごとに繰り返す流れになります。認定日はやむを得ない事情がない限り変更できないため、スケジュール管理をしっかり行い、活動実績が不足しないよう余裕を持って準備しておきましょう。

失業保険で認められる就職活動の種類6つ

求職活動実績として認められる活動は大きく分けて以下の6種類です。それぞれの特徴や注意点を理解しておくと、自分に合った方法で効率よく実績を積むことができます。

ハローワークでの職業相談・職業紹介

最も手軽に求職活動実績を作れる方法が、ハローワーク窓口での職業相談です。専門の相談員に就職活動の悩みや希望条件を相談するだけで、1回分の求職活動実績として認められます。実際に求人に応募しなくても、相談を受けた時点で雇用保険受給資格者証にハンコを押してもらえるのが大きなメリットです。

相談内容は自由で、たとえば「希望する職種の求人状況を知りたい」「この求人の応募者数を教えてほしい」といった簡単な質問でも問題ありません。相談は予約なしで利用でき、数分程度で終わるケースも多いため、時間がない方にも向いています。

求人への応募(書類選考・面接)

求人への応募は、最も積極的な求職活動として評価されます。ハローワークの紹介による応募はもちろん、インターネット経由での自主応募や、企業への直接応募もすべて求職活動実績として認められます。

重要なポイントは、応募した時点で実績としてカウントされるという点です。書類選考で不採用になった場合や、応募後に辞退した場合でも、実績が取り消されることはありません。失業認定申告書には「選考結果待ち」と記載すれば問題ないため、結果を待たずに認定日を迎えても安心です。

セミナーや講習会への参加

ハローワークが主催するセミナーや講習会に参加することも、求職活動実績として認められます。面接対策講座や応募書類の書き方講座、業界研究セミナーなど、さまざまなテーマのセミナーが定期的に開催されており、参加すれば1回分の実績を得ることができます。

ハローワーク主催のセミナーは参加記録が自動的に残るため、別途証明書を用意する必要がなく、確実に実績として認められるのが強みです。内容も就職活動に直接役立つものが多いため、実績作りと就活スキルの向上を同時に実現できます。

セミナーの所要時間は30分程度の短いものから2時間程度のものまでさまざまですので、自分のスケジュールに合わせて選べます。ただし、途中退席や一部だけの受講は原則として実績にカウントされないため、最後まで参加するようにしましょう。

転職エージェントでの職業相談

厚生労働大臣の許可を受けた民間の職業紹介事業者、いわゆる転職エージェントでの職業相談や職業紹介も、正式な求職活動実績として認められます。

転職エージェントでは、キャリアアドバイザーとの面談を通じて自分の経歴やスキルに合った求人を紹介してもらえます。この面談自体が求職活動実績に該当するため、求人に応募しなくても1回分の実績を作ることが可能です。

さらに、転職エージェントが主催するオンラインセミナーや転職フェアへの参加も実績としてカウントされます。特にオンラインセミナーは自宅からスマートフォンやパソコンで視聴できるため、ハローワークに足を運ぶ時間がない方や、認定日が迫っている方にとって非常に便利な方法です。

転職サイトからの求人応募

転職サイト(求人サイト)を通じて求人に応募する方法も、求職活動実績として認められます。インターネット環境さえあれば24時間いつでも応募できるため、日中にハローワークへ行く余裕がない方や、認定日の前日に急いで実績を作りたい方にとって心強い手段です。

応募はサイト上で完了するため、自宅にいながら実績を作ることができます。応募した企業ごとに1回分の実績としてカウントされるので、複数の企業に応募すればその分だけ実績を積み重ねられるのもメリットです。

失業認定申告書に記入する際は、応募先の企業名、応募日、応募方法(インターネット応募など)を正確に記載しましょう。選考結果がまだ出ていなければ「選考結果待ち」と記載すれば問題ありません。

再就職に役立つ資格試験の受験

再就職に役立つ国家資格や検定試験を受験することも、求職活動実績として認められます。合格・不合格は関係なく、受験したという事実だけで1回分の実績にカウントされるのが特徴です。

たとえば、経理職への転職を目指す方が簿記検定を受験したり、IT業界を志望する方がITパスポート試験を受けたりすることが該当します。資格取得に向けた勉強は再就職へのモチベーション維持にもつながるため、就職活動と並行して取り組む価値のある方法です。

ただし、どの資格試験でも実績になるわけではありません。あくまで「再就職に役立つ」資格であることが条件です。志望する業界や職種と関連性の薄い資格を受験しても、ハローワークに実績として認められない可能性があります。受験前にハローワークの窓口で確認しておくのが確実です。

求職活動実績として認められない活動5つ

ここでは、特に勘違いしやすい「認められない活動」を5つ紹介します。知らずに実績が足りない状態で認定日を迎えてしまわないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。

求人情報の検索・閲覧だけでは不十分

インターネットの転職サイトで求人を検索したり、ハローワーク内に設置されている求人検索パソコンで情報を閲覧したりするだけでは、求職活動実績として認められません。求人情報の閲覧は「応募に向けた準備段階」とみなされ、再就職に向けた具体的な行動には該当しないためです。

これはハローワーク内での閲覧であっても同様です。「ハローワークに行って求人を見てきた」というだけでは実績にはならないため、せっかく足を運んだのであれば、気になる求人票を印刷して窓口で職業相談を受けるところまで進めましょう。そうすれば職業相談1回分として確実にカウントされます。

求人検索はあくまで情報収集の第一歩であり、実績を作るには「応募」や「相談」といった次のアクションが必要だと覚えておいてください。

企業への問い合わせだけでは認められない

気になる企業に電話やメールで採用状況を問い合わせるのは、就職活動の一環のように感じるかもしれません。しかし、求人の有無や応募条件を確認するだけの問い合わせは、求職活動実績としては認められません。

ハローワークが求職活動とみなすのは、実際に応募書類を提出したり、面接を受けたりするなど、就職に直結する具体的な行動です。単なる問い合わせは「情報収集」の範囲にとどまると判断されるため、実績にはカウントされないのです。

企業に直接連絡を取って興味のある求人が見つかった場合は、問い合わせだけで終わらせず、履歴書の送付や正式な応募手続きまで進めるようにしましょう。そこまで進めれば、「求人への応募」として1回分の実績になります。

転職サイト・エージェントへの登録のみ

転職サイトや転職エージェント、派遣会社に会員登録をしただけでは、求職活動実績として認められません。登録はあくまでサービスを利用するための準備であり、再就職に向けた積極的なアクションとはみなされないからです。

それぞれのサービスで実績として認められるためには、次のステップまで進める必要があります。

転職サイトの場合は、登録後に実際に求人に応募して初めて実績になります。転職エージェントの場合は、登録後にキャリアアドバイザーとの面談や職業相談を受ける、もしくは主催セミナーに参加するところまで進めなければなりません。派遣会社についても同様で、登録だけでなくコーディネーターとの具体的な就業先に関する相談や紹介を受ける段階に至って、ようやく実績としてカウントされます。

再就職に無関係な資格試験の受験

資格試験の受験は求職活動実績として認められますが、どの資格でもよいわけではありません。実績になるのは「再就職に役立つ」資格に限定されており、志望する業界や職種と関連性のない資格を受験しても、ハローワークに認められない可能性があります。

たとえば、IT業界への転職を希望しているにもかかわらず、まったく関連のない分野の資格を受験するようなケースでは、「再就職に向けた積極的な活動」として評価されにくいのです。一方、経理職を目指す方の簿記検定や、不動産業界志望の方の宅地建物取引士試験などは、志望先との関連性が明確なため問題なく実績として認められます。

個人が開催するセミナーへの参加

セミナーや講習会への参加は求職活動実績になりますが、すべてのセミナーが対象になるわけではありません。個人が主催する就活ノウハウセミナーや、厚生労働大臣の許可・届出を受けていない事業者が開催するセミナーは、求職活動実績として認められないため注意が必要です。

求職活動実績として認められるセミナーは、以下の主催者によるものに限られています。ハローワークをはじめとする公的機関が開催するもの、厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介事業者や無料職業紹介事業者(転職エージェントなど)が主催するもの、そして届出のある労働者派遣事業者が実施するものです。

簡単にできる求職活動実績の作り方

求職活動実績が必要なことはわかっていても、「毎回2回分の実績を作るのが大変」「何をすればいいかわからない」と感じる方は多いのではないでしょうか。

実は、求職活動実績はハローワークに何度も通わなくても作ることができます。職業相談を短時間で済ませる方法や、自宅からインターネットで完結する方法を知っておけば、認定日が迫っていても慌てずに対応できます。

ここでは、手軽で効率的な求職活動実績の作り方を4つの視点から具体的に解説します。

職業相談は相談だけでも1回分の実績に

ハローワーク窓口での職業相談は、求人に応募しなくても相談するだけで1回分の求職活動実績になります。予約も不要なので、ハローワークに行ける日であれば思い立ったタイミングですぐに実績を作ることが可能です。

相談内容は堅苦しく考える必要はありません。たとえば、以下のような簡単な質問でも問題なく実績として認められます。

「この求人の現在の応募状況を教えてください」「希望する職種の求人は最近出ていますか」「履歴書の志望動機の書き方についてアドバイスがほしい」「自分のスキルで応募できそうな求人はありますか」

相談は数分程度で完了するケースもあり、終了後に雇用保険受給資格者証にハンコを押してもらえれば実績1回分が確定します。もし相談中に興味のない求人を紹介された場合でも、「少し検討してみます」と保留にすれば大丈夫です。無理に応募する必要はありません。

転職サイトからのネット応募で手軽に実績作り

転職サイトからの求人応募は、自宅にいながら24時間いつでも実績を作れる方法です。認定日の前日に「まだ実績が足りない」と気づいたときでも、インターネット環境さえあればすぐに対応できるのが最大の強みです。

実績を作る手順はシンプルです。まず転職サイトにログインして、気になる求人を選びます。そして、履歴書や職務経歴書などの情報を入力し、応募ボタンを押して送信を完了させます。応募が完了した時点で求職活動実績1回分としてカウントされるため、面接に進む必要も、選考結果を待つ必要もありません。

さらに、求人応募は応募した企業ごとに1回分の実績としてカウントされます。同じ日に2社へ応募すれば、それだけで2回分の実績を確保できるのです。職業相談やセミナーと違い、1日の回数制限がない点は大きなメリットといえるでしょう。

応募後に書類選考で不採用になった場合や、自分から辞退した場合でも実績は有効なままです。失業認定申告書には、応募先の企業名、応募日、応募方法を記入し、選考結果の欄には「選考結果待ち」や「不採用」「辞退」などと正確に記載すれば問題ありません。

オンラインセミナーなら自宅から参加可能

厚生労働大臣の許可を受けた転職エージェントが主催するオンラインセミナーへの参加も、求職活動実績として認められます。自宅からスマートフォンやパソコンで視聴するだけで1回分の実績になるため、ハローワークに行く時間が取れない方や、育児・介護で外出しにくい方にとって特に便利な方法です。

オンラインセミナーのテーマは多岐にわたり、面接対策、職務経歴書の書き方、業界研究、自己分析の方法など、再就職に直接役立つ内容が数多く用意されています。所要時間も30分〜1時間程度のものが多く、気軽に参加できるのが魅力です。

実績として申告する際は、セミナー参加後に発行される参加証明書を認定日にハローワークへ提出するのが一般的な流れです。セミナーによっては証明書が発行されない場合もあるため、受講完了のメールや完了画面のスクリーンショットを保存しておくと安心です。

失業認定申告書の書き方と記入例

求職活動実績は、認定日にハローワークへ提出する「失業認定申告書」に記載して報告します。正しく記入できていないと実績が認められない場合もあるため、書き方のポイントを押さえておくことが大切です。

失業認定申告書には、「求職活動の内容」を記入する欄が設けられています。ここに、認定期間中に行った求職活動の内容を1件ずつ記載していきます。

記入すべき主な項目は、活動日(求職活動を行った日付)、活動の内容(職業相談、求人応募、セミナー参加など)、利用した機関の名称(ハローワーク○○、○○転職サイトなど)、そして求人に応募した場合は応募先の企業名と選考結果です。

たとえば、ハローワークで職業相談を行った場合は、活動日と「職業相談」の旨を記入します。ハローワークでの職業相談は受給資格者証にハンコが押されているため、申告書と照らし合わせて確認されます。

失業保険の就職活動で注意すべきポイント

求職活動実績の作り方を理解していても、細かなルールを見落としていると「実績が足りない」「不正受給に該当してしまう」といったトラブルにつながる恐れがあります。

特に、実績のカウント方法や申告に関するルールは、知らないまま認定日を迎えると取り返しがつかないケースもあるため注意が必要です。ここでは、失業保険の就職活動において多くの方が見落としがちな4つの注意点を解説します。

嘘の申告は不正受給になるリスクあり

失業認定申告書に事実と異なる内容を記載することは、不正受給に該当する非常に危険な行為です。たとえば、実際には応募していない企業名を記入したり、参加していないセミナーに参加したと申告したりするケースがこれにあたります。

「求職活動実績が足りないから、とりあえず適当に書いておこう」と軽い気持ちで虚偽の申告をしてしまう方もいますが、ハローワークは応募先の企業やセミナーの主催者に対して抜き打ちで事実確認の調査を行っています。失業認定申告書には応募先の企業名や電話番号を記入するため、調査員が直接企業に問い合わせれば嘘は簡単に発覚します。

また、不正受給の発覚理由として意外に多いのが、友人や知人からの通報です。「失業保険をもらいながら実は就職活動していない」といった話を周囲にしてしまい、それがハローワークに伝わるケースが実際に報告されています。

不正受給が発覚した場合のペナルティ

不正受給が発覚すると、以下のような厳しい処分が科せられます。

まず、不正行為があった日以降のすべての失業保険の支給が即座に停止されます。これは「支給停止」と呼ばれ、残りの給付日数がどれだけあっても、受給資格そのものが失われることを意味します。

次に、不正に受給した金額の全額返還を命じられます。これが「返還命令」です。さらに悪質なケースでは、不正受給額の最大2倍に相当する金額の追加納付を命じられる「納付命令」が適用されます。

1社の選考は何回面接しても実績1回分

求人への応募は求職活動実績として最も確実な方法ですが、カウントの仕方に注意が必要です。1つの企業への応募は、選考過程がどれだけ進んでも「1回」としかカウントされません。

たとえば、ある企業に応募して書類選考を通過し、一次面接、二次面接、最終面接と複数回の面接を受けたとしても、求職活動実績としては1回分です。「面接を3回受けたから実績3回分になる」とはならないため、この点を勘違いしていると認定日に実績が足りないという事態になりかねません。

認定期間中に2回以上の実績を確保するためには、1社の選考だけに頼るのではなく、別の企業への応募や職業相談、セミナー参加など、複数の方法を組み合わせて計画的に実績を積んでおくことが大切です。

認定日当日の活動は実績にカウントされない

意外と見落とされがちなのが、認定日当日に行った求職活動は、その回の認定期間の実績にはカウントされないというルールです。

求職活動実績の対象となる期間は「前回の認定日から今回の認定日の前日まで」と定められています。そのため、認定日当日にハローワークで職業相談を受けたとしても、その日の活動は今回の認定には間に合いません。

ただし、認定日当日の職業相談が無駄になるわけではなく、次回の認定期間の実績として1回分がカウントされます。認定日にハローワークを訪れた際についでに職業相談を済ませておけば、次回の認定に向けてあらかじめ1回分の実績を確保できるため、その後のスケジュールに余裕が生まれます。

職業相談のハンコは1日1回のみ

ハローワークでの職業相談は手軽に実績を作れる方法ですが、1日に複数回相談しても実績としてカウントされるのは1回分のみです。

たとえば、午前中に求人についての相談を行い、午後に別の相談員に履歴書の書き方について相談したとしても、もらえるハンコは1回分だけです。「今日中に2回分の実績を職業相談で作ろう」と考えてハローワークを訪れても、それは叶わない仕組みになっています。

職業相談で2回分の実績を作るには、必ず別の日に分けてハローワークを訪問する必要があります。認定期間は4週間ありますので、たとえば2週目と3週目にそれぞれ1回ずつ職業相談を受ければ、無理なく2回分の実績を確保できます。

認定日が近づいてから慌てることのないよう、認定期間の前半のうちに1回目の実績を作っておくのがおすすめです。万が一、認定日の前日になっても実績が1回しかない場合は、転職サイトからの求人応募など、即日で実績を作れる別の方法と組み合わせて対応しましょう。

求職活動の実績が足りない場合の対処法

実績が足りないからといって焦って虚偽の申告をするのは絶対に避けるべきです。ここでは、実績不足で認定日を迎えた場合にどうなるのか、前日でも間に合う対処法、そして実績作りの負担を大幅に軽減できる職業訓練の活用方法について解説します。

実績不足で認定日を迎えるとどうなる?

結論から言うと、求職活動実績が不足したまま認定日を迎えても、失業保険の受給資格そのものが消滅するわけではありません。

実績が足りない場合、その認定期間分の失業手当が「不支給」となります。ただし、これは「もらえなくなる」のではなく、「先送りになる」という意味です。不支給となった分の失業手当は消えてなくなるわけではなく、受給期間(原則として離職日の翌日から1年間)の範囲内であれば、次回以降の認定で実績を満たした際に受け取ることができます。

認定日にハローワークを訪れた際、実績が足りないことを正直に申告すれば、担当者から次回の認定に向けたアドバイスを受けることもできます。実績が不足していても認定日にはハローワークへ行き、失業認定申告書をそのまま提出しましょう。認定日自体を無断で欠席してしまうと、手続きがより複雑になるため注意が必要です。

前日でも実績を作れる方法

認定日の前日になって「まだ実績が足りない」と気づいた場合でも、諦める必要はありません。当日中に実績を作れる方法がいくつかあります。

最も手軽なのは、転職サイトからの求人応募です。インターネット環境さえあれば、自宅にいながら24時間いつでも応募できます。応募した企業ごとに1回分の実績としてカウントされるため、2社に応募すれば2回分の実績を一度に作ることも可能です。失業認定申告書には応募先企業名と応募日を記入し、選考結果の欄は「選考結果待ち」と記載すれば問題ありません。

もう一つの方法は、転職エージェントが主催するオンラインセミナーへの参加です。厚生労働大臣の許可を受けた転職エージェントのセミナーであれば、オンラインで受講しても求職活動実績として認められます。夜間や休日に開催されているものも多く、前日でも参加できるセミナーが見つかる可能性があります。

職業訓練を活用して実績と受給を両立

毎回の認定日に向けて求職活動実績を作り続けることに負担を感じている方には、公共職業訓練(ハロートレーニング)の受講を検討するのもひとつの方法です。職業訓練を受講すると、訓練期間中は求職活動実績の要件が緩和されるため、実績作りの負担を大幅に減らすことができます。

公共職業訓練とは、再就職に必要な知識やスキルを身につけるための訓練で、ハローワークの指示を受けて受講します。訓練期間中は訓練そのものが求職活動として扱われるため、別途セミナーに参加したり求人に応募したりする必要が基本的になくなります。

さらに、職業訓練には受講中の失業手当に関する大きなメリットがあります。訓練が給付日数の満了後も続く場合、訓練が終了するまで失業手当の支給が延長される「訓練延長給付」を受けられる可能性があるのです。加えて、テキスト代などの一部を除き受講料は無料で、交通費にあたる通所手当が支給されるケースもあります。

まとめ:失業保険の就職活動は正しい実績作りで確実に受給しよう

失業保険を確実に受け取るためには、認定日までに必要な回数の求職活動実績を正しく積み重ねることが欠かせません。最後に、本記事の要点を振り返っておきましょう。

失業保険は、再就職までの生活を支えてくれる大切な制度です。正しい知識を身につけて計画的に求職活動を行い、1回分の給付も逃さず確実に受給していきましょう。

この記事を書いた人

木本旭洋のアバター 木本旭洋 株式会社イールドマーケティング代表取締役

株式会社イールドマーケティング代表。大手広告代理店でアカウントプランナー、スタートアップで広告部門のマネージャーを経験後、2022年に当社を創業。バックオフィス部門も統括。入社・退職時の年金、健康保険、雇用保険、年末調整などを行なっています。

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